説明会2
「まずは君のジョブから見てみようか」
「ジョブ?戦士やら勇者とかのことですか?」
「そうそう、そんな感じ。ちなみに召喚時にもう最初のジョブは決まってるんだよね。これは呼び出した人やその希望によって変わるんだよね。もし、最初嫌なジョブであっても、後で違うジョブになれるからその変の心配もいらないからね」
「へぇ、じゃあ俺はなんのジョブだろう。村を救ってくれってことだからもしかしてもしかして、勇者だったりするのだろうか」
「どうだろうねぇ。実のところ僕もまだ知らないんだよねぇ。とりあえずまずは確認してみよう。自分のステータスはステータスと心の中で念じると浮かび上がるよ」
「了解」
目をつぶり、さっそくステータスと心で念じてみる。
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名前 紙出 真王
種族 人間
ジョブ ダンジョンマスターLV1
称号 神で魔王 異世界召喚者
スキル ダンジョンメイキングLV1
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ほむほむ、ダンジョンマスターね。勇者じゃないのはがっかりだが、悪くはなさそうかな。
でも、せっかく新しい世界を旅できるかと思ったのにダンジョンに引き篭もりかぁ。
あと称号、ダジャレやないか……ただ神と魔王がに付いてるんだから凄そうではあるなぁ。
「僕も見せてもらうねぇー。ふむふむ、ダンジョンマスターかなかなか面白いの引いたね。そして、称号で面白いのあるじゃん。スキルはダンジョンマスターの固有のだね」
「称号?」
「称号は君の行動によって取れて、それぞれ色々な能力を発揮するものだよん」
「おぉ、そりゃすごい。ちなみにどんな内容かってどうやって見ればいい?」
「それも一緒で心の中で念じるだけだよん。基本この世界では全て自分がイメージすることによって効果を発揮するから覚えておくと良いよ」
ふむふむ、心で念じると返事してくれるってことね。
神で魔王っていったいなんですかー?っと心で念じてみる。
神で魔王とは人間の枠に囚われず、神にも魔王にもなれる可能性を得る称号である。
おぉ、マジでかぁ……思ってたよりもすごいんですけど。
「理解できたかな?ちなみにこの世界では能力値は見れないようにしてるけど、もちろん個別に違うからね? まぁ、この辺は君の世界と一緒だね」
「レベルはスキルとかしかないんですね?」
「うん、その人の強さはレベルでは表してないよ。だけど、スキルやジョブにはレベルを設定してて、経験を積めばレベルが上がり、レベルが上がればより強い効果を発揮するようにしてるからどんどんスキルは使っていくといいよ!ジョブもスキルもレベルによって変化することもあるから」
「はい、了解です」
「じゃあ次いくよ、今度はジョブについての説明ね」
「お願いしまっす」
「マオ君もなんとなく分かってるとは思うけど、ダンジョンマスターってのはダンジョンの管理人のことね。固有スキルのダンジョンメイキングはもうそのまんまだから分かるよね?」
「ですねぇ、その辺は分かりますね」
「そんでね、ここまでは普通だけど、うちの世界では一味違うんですよ奥さん!」
「あら凄いわ、って誰が奥さんや、誰が」
「ノリツッコミきたーー」
「そんなの良いから続き!」
「ほいほい、何が違うかと言いますとですね、うちの世界にはダンジョンってたくさんあるんだけど、そこのダンジョンクリアするとコアを入手できるのですよ! そしてそのコアを自分とこのコアに突っ込むと……あら不思議、ダンジョンが成長しちゃうじゃあーりませんか。」
「成長するとどうなるんでしょ?」
「自分の能力も成長するし、ダンジョンにいろんなモンスター作れるようになったり、ダンジョン自体が広くなったりと、良いこと尽くしなのですよ! ダンジョンに篭ってるだけじゃレベルにすぐ限界きちゃうしね」
「それはガンガン攻略しに行くしかないですね! 」
「うんうん、ちなみに他のダンジョンも管理してる人いるし、マオ君も同じように攻められるかもってことを忘れないでね? 」
「うわぁ、悩ましい……」
「あと、マオ君は村を助ける為に呼ばれたと思うけど、村でダンジョンメイクしたらとりあえずは解決だから」
「どーいうことです? 」
「ダンジョンってのはお金にも、資材集めにもいろいろと役に立つからだよ。村のほうには君が触った碑石にそれで助かるって書いとくからね~」
日本のゲームでもこんな親切設計ないわ……
「親切! 感謝! 感激です」
「助けて上げられるのが最初だけだからねぇ。時間がそろそろあれなので最後に締めさせてもらうよ。この先、君は元いた世界とは全く違う魔法と剣によるファンタジー世界で過ごしていくことになる。元の世界では味わうことのできなかったものを体感するだろう。その都度絶望してしまうかもしれないし、俺TUEEEEっと壁にぶち当たることすらないかもしれない。だけど、ゲームマスターとしてこれだけは言っておく、最後まで諦めず、最後の一瞬まで楽しんでほしい! 」
「はい! ありがとうございました」
こうして、ようやく俺の異世界生活が始まりを迎えることになった。