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お仕置き?暴走?

「ひゃあ!? やめるのでおじゃる……ま、麿を誰だと思っているでおじゃ……!?そ、そんなところに入るなでおじゃる……うぐ!? むぐむぐ……むぐ!?むぐ!むぐ!むぐむぐむぐぅぅぅ(なに!?だめ!だめ!おかしくなるぅぅぅぅ)」


小さな領主は今1人だけ縄を別にされ、お仕置きの最中だ。

冒険者達は領主がお仕置きされているのを直視する事が出来ない者、逆にガン見する者に分かれてしまっている。

しかし、両者に共通しているのは立ち上がる事が出来なくなっているって事だろう。


そう言う俺もクロに目を塞がれて、どうなっているのか詳しく見る事ができないでいる。


だけど声だけはリアルに聞こえてきて、俺も立ち上がれなくなってるけどな!


目を塞がれている分、余計にね!!


しかも、女の子がくっついた状態のままなんだぜ?


なんという生殺し。



………………どうしてこうなった?


いや、ちゃんと言えば原因は分かっている。


まず、シロがプリンを連れて来た事だ。

プリンとは、俺達が初めて仲間にしたスライムの事である。

名前は形状からなんとなく付けた。

このプリンは、初めてできた仲間という事でシロがとても可愛がっていた。

シロにはあらかじめお仕置きって言ったらモンスターを連れて来てって言ってたから自分の可愛がっていたプリンを連れて来たのだろう。


次に、あのわがままなちびっ子領主が女の子だったって事だ。


こんなの予想できなかったよ。


自分の事を麿って呼び、着物で顔を白塗りするという平安貴族スタイルでダンジョンにまで自分で乗り込んでくるんだぜ?


男だと思うじゃない。


声で気付かないのかって?確かに少し高めだけど、まだ子供だから声変わりがまだなんだなくらいにしか思わなくって違和感など全くなかったよ。


ただ、女の子ってだけならプリンもここまで暴走しなかっただろう。いつもシロが触りまくっているけど、こんな事には今までなっていなかったからな。


プリンが暴走し始めた原因はさすがに分からないけど、プリンの行動を思い出すとあの顔の白塗りが原因じゃないかと思う。


シロがプリンを連れて来て、次はどうすれば良いかと聞いてきたので領主を1人冒険者達の前に連れて行かせ、プリンに領主と遊ばせるように指示をした。


スライムは人の体に着いている垢であったり、汗などの水分を吸収しようとする。なので基本的にはその冷やりとした感触と、ゲル状の物が体を這い回る感触が気持ち悪いと感じるだけで人間には害はない。もちろん、バブルスライム的な毒っぽいやつは別だぜ?


プリンはいつも通り、領主の服の隙間から浸入して体から汗や垢を餌にする為に領主の体を這い回り、領主がその感触を気持ち悪がるという狙い通りに事が進んでいた。


そう、領主の顔にプリンの体が這い回るまでは至って普通だったのだ……


プリンが領主の顔へと体を這い回り始めると、プリンは突如ほのかに赤くなりピキーっと興奮したかのように鳴きだした。


そして、顔の白塗りが完全になくなるまで顔を中心に這い回り、危うく領主を窒息させるところだった。


領主を助けたのは、もちろんシロだ。いつも遊んでいるプリンの様子がおかしくなっているのに気付き、領主から1度引き離そうとしたのだ。


しかし、プリンは白塗りの何がそんなに気に入ったのかは知らないが、引き離しても、引き離しても、領主へと近付いていく。


シロもプリンの体がゲル状の為に、いくら強い力で引き離そうとしても、掴み切れずに逃げられてしまうようだった。


「ごしゅじんさま!ダメだよ!プリンをとめられないよ!どうすればいい!?」


そうして困り果て、こちらにそう聞いてきた。


だが、俺にはスライムの落ち着かせ方なんて知らない。

俺も困っていると、クロが何かを閃いたようだ。


「興奮している者にはやはり、冷たい水をぶっかけて落ち着かせるのが良いと思うのであります。シロ殿、井戸から水を汲み上げてプリンにぶっかけるのであります!」


「うん、わかった!!」


そうしてシロは水を井戸まで汲みに行き、止める者のいなくなったプリンは領主の元へと再び襲いかかる。


けれど、顔の白塗りはすでに無くなっている為、白塗りを求めるように体中を探すように這い回り、口の中にまで浸入しようとしている。


そして、暴走しているからなのか、服まで溶かし始めている。頭の被り物が溶かされ、金色の長髪が見えるようになり、まだ小さい幼い膨らみが露になり……そうして女の子って分かった訳です。


こうして今に至る訳だが……服を溶かし、幼い女の子をの体を貪るように這い回るスライム……うん、もうこれなんてエロゲーって状態だよ。


ようやく、口に浸入しようとしていたプリンを吐き出し、こちらはと助けを求める領主。


「た、助けてほしいのでおじゃる……もう麿にできる事なら何でもするから……あ!?そ、そこはやめるのでおじゃるー!!」


シロさんはまだ戻って来ないのか!?

声しか聞こえないけど、もうそろそろ彼女何かに目覚めてしまうよ!!


領主ちゃんが服を溶かされ始めたくらいから目を塞がれているんだけど、息遣いがリアルに聞こえてきて、俺もそろそろ新しい性癖に目覚めてしまいそうだよ!?


シロさん、ほんと早く戻ってきて!!


「あ、ご主人様!天使様が戻ってきたニャ!!」


目を塞がれたままなので、シロの姿を確認する事はできないが、ようやく戻ってきてくれたらしい。


ようやくこの生殺しから解放されるのか……


それを思うと勿体無くも感じるな……


「あっ、天使様転んじゃったクマ」


シロさん何してんの!?

脳筋キャラっていうのが最近発覚したシロさんだけど、ドジっ子キャラまで持つつもりなの!?


あれか、それとも今考えた事がフラグになったとかか!?


「シロってすごいスピードで動けたのに、何でこんなに時間かかるんだ?」


闘いの時は目で追いきれないようなスピードだったよね。

目を塞がれているから長く感じるだけなのかもしれないけど、5分くらいはかかっている気がする。

ちなみに、井戸と領主達がいる場所っていうのは100メートルほどしか離れていない。


「うーん、天使様井戸まで行くのはすっごい速いのニャ。しゅぱって!しゅぱって行くのニャ!でも、水を汲んだ後はびっくりするくらいに遅くなるのニャ。バケツ一杯の水を両手で持って、こぼさないようにプルプルしながらゆっくりとゆっくりと歩いているみたいニャ」


さっきもゆっくり行ったのに転んだってのか!?

これはもうドジっ子属性をやっぱり持っていると考えるべきなのか?


「あっ、天使様持っているバケツを壊しちゃったクマ」


どうしてそうなった!?

シロさん脳筋キャラになってしまったけど、力加減も難しいっていうのか……


それとも、こぼしてはいけないというプレッシャーにより力を入れすぎただけなのかな?

いや、そうだと思いたい。

そうであってくれ。


「仕方ないでありますなぁ。ここからクロが魔法で水をかけるでありますよ」


おいおい、クロさん?


「……それかできるなら、どうして最初からしなかったんだ、クロ?」


「そんなの決まっているでありますよ。その方が面白いからに決まっているのであります」


目を塞がれているのに、ニヤニヤしたクロの顔が目に浮かぶ!


クロさんよ、目隠ししながら体を密着させているのもわざとなのですか!?


悪魔の種族だからいたずらっ子って事なのか!?


それでも毎回やられるとつらいからな!?


……まぁそんな事は置いといて、とにかくこれでプリンの興奮は収まっただろうか?


「ぷりん、よかったー!もとにもどったんだね?しんぱいしたんだよー!!あれ?でもなんかちょっとおおきくなった?」


クロの手が目を覆ったままなので耳を澄ませていると、シロの喜びに溢れた声が聞こえてきたので一安心すると共に、最後の一言に疑問も感じるのであった。

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