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決着?

今の何が起こったの!?


シロちゃんがやっと攻撃するのかと思ったら、あっという間に終わっちゃったんだけど!?


ただこれだけは言えるな。


シロさんえげつねぇぇぇ!!


冒険者達を映していたテレビの映像には、倒した冒険者達をロープでぐるぐるに纏めているシロの姿が映っている。


「マスター、だから大丈夫って言ったでありましょ?」


「あぁそうだな。はぁぁ、でもとりあえず無事で良かったよ。シロが強いのは分かったけど、もうこーいう心臓に悪いのはやめてくれよ?」


「クロに言わないでほしいであります。今回の事はシロ殿が勝手に行ってしまったのでありますから。でも、マスターがそう言うなら次は止めてあげてもいいであります」


「あぁ、頼むわ。そーいえばさ、すげぇ強いやつが紛れ込んでるって話だったけど、あのシロが倒した冒険者の中にいたのかな?」


「ちょっと待ってくださいであります。あれ?ダンジョンポイントの増え方がかなり弱まっているであります。気絶していても、ダンジョンの中にその者がいるならばダンジョンポイントは継続して入るのでありますが……」


という事は……


「テレビでずっと冒険者の動きを観ていたっていうのに、そいつはダンジョンから脱出してしまったって事なのか!?」


ありえねぇ、こうやって見られている中でどうやってダンジョンから脱出したんだ?見られている事は分からないはずだし。


あれか、ワープでもしたっていうのか?

まぁ魔法が使えるこの世界だ、転移ができる魔法とか道具があってもおかしくはないけどさ。


「……恐らくそうでありますな。マスター、冒険者は元々何人いたのでありましたっけ」


「えーっと、たしか合計18人で多いって話してたよな。この子達5人と、偉そうなちびっ子が1人と、あの凸凹兄弟と、残りが10人か?」


「マスター、細かいところまでちゃんと覚えているのでありますね。意外であります。ですがマスター、その人数ですと、この映像に映っているシロ殿が捕まえた冒険者の数と合わないであります。やはり冒険者の1人がこちらの誰にも気付かれずにダンジョンを脱出したのでありますかね?」


冒険者の中の1人がいないってなると、やっぱりリ○ミト的な魔法や道具で転移か何かして外へ脱出されたとしか思えないよなぁ。


もしくは、誰にも気付かれないようにするスキルとか?

それだとまだ近くに潜んでいる可能性もあるのか。

いや、でもそれだとダンジョンポイントはダンジョン内にいるだけで入るんだから、おかしいよな。


「とりあえず、シロが捕まえた冒険者が何か知っているかもしれないし、聞き出してみようか。あ、でも場所どーするかな?さすがにここに連れてくるのは嫌だしな」


ここは俺達のホームであって、ダンジョンではない。なので、ここに冒険者を連れて来る訳にはいかない。

拷問して部屋が汚れるのが嫌とかそんなんじゃないよ。

拷問なんてしないし、ちょっとお話を聞くだけだからね。

まぁ、素直に話してくれないと少し脅すような事はするかもしれないけどね。

ここはダンジョンだからね、何度も足を踏み入れられた方がこっちには好都合だ。それなら、捕まってもすぐに放り出して甘やかしてまた懲りずに来て貰った方が良いと思うんだよね。


「それなら、結局今回のダンジョン防衛には活用できなかったあの場所を活用はどうでありますか?あと、マスターは直接出て行かない方が良いであります」


あの場所……

あぁ、モンスター牧場の事か。

今回は結局、マッドラットしか使う事ができなかったしなぁ。

それに、素直に話してくれなかったらモンスターに少し脅してもらえるしちょうど良いかもな。

汚れても、スライムはそういう汚れが好物だったりするし。


俺が出て行かない方が良いってのは、クロも俺と同じようにスキル等で察知されないようにして潜んでいる可能性を疑っているのかな?


そういう訳でクロの提案もあり、シロにモンスター牧場まで捕まえた冒険者を連れて来て貰った。


ちなみにこのモンスター牧場なのだが、今はイーレ村の裏山とほぼ同じ生態系となっている。


裏山の生態系っていっても、スライムやマッドラットなど比較的弱いモンスターしかいないけどね。

それでも、マッドラットなら変わりに繁殖力が高いとかそれぞれ特性があるので、使い用次第で変わるけどね。


モンスターを仲間にできる能力を手に入れたのは良いけど、卵から育てないとダメなのでこの牧場を考えた訳ですよ。


この牧場のフロアだけ時間の流れを早めているので、モンスターを育てては、ダンジョンへ送り込むような仕組みにするつもりだったのだが、今回は繁殖力が凄まじいマッドラットしか間に合わずなかったので、マッドラットだけが送り込まれた結果になっていた。


時間の流れに関しては早めたり元に戻したりは簡単にできるようになっている。ダンジョンポイントを使って時間の流れを早くできるようにしたのだが、ツマミで時間の流れを微調整できるのだ。なので、新たなモンスターを牧場に持ち込んだり、今回のように自分達が中に入る時には元に戻すようにしている。


今も冒険者やシロが入っているので、元に戻している状態だ。


「ごしゅじんさまー!じゅんびできたよー!」


おっと、準備ができたようだな。シロちゃんがお呼びだ。


今回、冒険者達からお話を聞くのは俺がする。


危ないから前に出ないんじゃなかったのかって?

その通り、彼らの前に姿は現しません。

じゃあどうするのかっていうと、ここから声だけでやり取りするのだ。


冒険者達が素直に話してくれないと、シロにモンスターを連れて来て貰うように指示をしたりして、素直に話してもらいやすいようにするつもりだ。まぁ、消えた冒険者に関しては、知ってたらラッキーくらいだけどね。


「あーあー、マイクテストマイクテスト。本日は晴天なり。え?ダンジョンの中だから天気分からないって?あぁ、これはそーいうもんだと思っといて。おほん、シロ聞こえてるかー?聞こえていたら返事してくれー」


「はーい!ごしゅじんさまー、さっきの全部聞こえてるよー!」


うむ、ちゃんと聞こえているみたいだな。途中で会話挟んでしまったけど。


「よし、まずは冒険者達を起こしてくれ!その後はこっちからまたシロに指示を出すから冒険者達が変な事しないように見といてくれ!」


「はーい!じゃあ起こすね!えーい!!」


シロには冒険者を起こす為に、バケツ一杯の水をぶっかけて貰った。

ばっしゃーん


「「「うわっ!? な、なんだ?」」」


突然水をぶっかけられた事で意識を取り戻し、口々に話し出す冒険者達。


「い、痛いでおじゃる……はっ!? どうしてこんなことになっているのでおじゃる!? キース!こんな物くらいお前の筋肉なら簡単に引き千切れるじゃろ?麿を早く助けるのでおじゃる!」


「……領主様、ダメだ、できねぇ。これを引き千切るくらい俺の筋肉なら簡単にできる。だけど、それをあいつがさせてくれそうにねぇんだ。」


そう言ってキースと呼ばれる筋肉おじさんは、領主へ目配せをする。


視線の先はもちろんシロだ。

シロは冒険者へ水をぶっかけてからは、少し距離を置いて眺めているだけだ。

笑顔で眺めているんだけど、その笑顔が逆に恐い!


「そ、そこの天使。金ならいくらでも払ってやるでおじゃる、だから麿の味方になるのでおじゃる!」


「ちょっとみんな、うるさいよ?そろそろごしゅじんさまのおはなしがはじまるから、しずかにしてくれる?じゃないと……おしおきだよ?」


シロの一言で、凍ったようにその場が静まる。

可哀想に、もう恐怖が身に染みてるって感じだな。

これだけ恐がってしまうと、もうリベンジには来ないかもな。


とりあえず、質問を開始するか。


「冒険者の諸君、聞こえるか?君達に少し聞いておきたい事かあったので、そこへ連れて来させた。私の質問に答えて貰おうか。もちろん、拒否権などはないがな」


少し威厳のあるような話方をしてみる。

失礼な事にクロがそれを聞いて笑ってやがるが、無視だ、無視。


「だ、誰でおじゃる!?姿を見せないなど、失礼でおじゃる!」


お、領主が反応してきたな。

このわがままな領主が出発を決めたんだろうから、こいつ中心に話を聞かないとな。


「姿を見せぬ無礼は詫びよう。しかし、自分の状況ってものをもう少し考えて話すべきだな。まぁいい、とりあえず質問をさせてもらうぞ。この村にダンジョンができてからすぐにお前達はやってきたな?その情報はどうやって得た?」


しかし、その質問に対し、わがままな領主は当然のように拒否をした。


「ふん、そんな質問に誰が答える義理はないでおじゃる!答えてほしくば、まず姿を見せるでおじゃる!それに、麿に対してこんな扱いが許されると思うのか!早く解放するのじゃ!」


「「そうだ、そうだ!」」

それに同調する冒険者達。


おっと、全然自分の立場が分かってないようだな。


「お前達は負けたと言うのに、自分の立場が分かっていないようだな。シロや、ちょっとお仕置きしてやりなさい」


「はーい、じゃあ連れて来るねー!」


冒険者達はシロが離れた事で少し安堵を覚えるが、お仕置きという言葉で何をされるのか不安になるのだった。

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