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大学将棋、時々ホモとか  作者: 筋違い
4/38

春の団体戦初日

ホモ話のできる人が、将棋部にいればいいのになぁ・・・



とか悶々としながらも、団体戦初日を迎える。



場所は、1部リーグの、イメージ大学の、とある校舎だ。


4部リーグの行われる教室に着くと、こちらに向かって手を振る人がいた。


?「久しぶり~。みんな、元気にしてた?」


A「お久しぶりです。夜倉先輩。先輩も元気そうで何よりです。」



僕やE君がキョトンとしていると、


A「あ、トニー君とE君は会うのが初めてだね。OBの夜倉先輩だよ。」


トニー&E「は、はじめまして、よろしくお願いします!!」


夜倉先輩「よろしくっす。そんな気張らんでいいよ。

     俺は、卒業して3年も経ってるのに

     団体戦に顔出しにきてるだけの存在だから。」

    「でも、将棋部のことなど何かあったら相談にのるよ。」

    「だから、よかったら、ラインの交換しよ。」


E「あっしは、ラインをやっていないので、すみません。」


トニー「あ、はい。では交換しましょう。」



と、ふるふるしようとすると、


D「気をつけなよ、トニー君。

  夜倉先輩はホモだから、隙を見せると襲われるぞ。」


トニー「え、そうなんですか?」


夜倉先輩「人聞きの悪いこと言うなよ(笑)、D。

     それに俺はホモじゃない、バイだ。

     そして、いくら何でも可愛い後輩を襲ったりはしないよ。」


D「どうだか・・・。」



そんなやり取りを聞きながら、僕は嬉しくなっていた。


この人となら、ホモ的な話をいろいろできるんじゃないかと。


普段の将棋部では真面目に将棋に取り組んで、


息抜きのような形でこの先輩とホモ話をするというのは、

いいかもしれない。


僕は、夜倉先輩に会えたことで、

それまであった団体戦の緊張感がほとんどなくなり、

リラックスできていた。



ほどなくして、団体戦の運営の人が4部のリーグ表を黒板に書いていく。


今回の4部リーグは、


上から順に、

1バルサミコス大

2メランコリー大

3メリケン大

4ロケット大

5ギャラクシー大

6ストライク大

7メトロポリス大

8カルマ大


我らが、ロケット大の初戦の相手はギャラクシー大となっている。



トニー「4位と5位が最初に当たるってのは意味があるんですか?」


夜倉先輩「あぁ、この組み合わせは元々決まってるんだよ。

     1位のチームが8位から順番に7、6、5、4、3、2と

     当たる仕組みで。詳細は運営の公式サイトにも載ってるから、

     後で詳しく見てみてね☆☆」


トニー「それでは、ロケット大の今日の午後の対局は?」


夜倉先輩「8位のカルマ大だね。」



僕は、

夜倉先輩がバイだということを朝に知り、

既に先輩に興味をもっていた。


だから先輩にできるだけ気に入られようと、

先輩に質問を続ける。


トニー「それでは、ギャラクシー大とカルマ大の戦力について、

    知っていることを教えてください。」


夜倉先輩「お、トニー君いいねー。団体戦にノリ気だね。」

    

夜倉先輩「ギャラクシー大は、ロケット大と似た感じの大学だよ。

     ほとんどいっつも4部にいて、数年に1度は3部に行くんだけど、

     すぐに4部に戻されるって大学かな。

     我らがロケット大も俺が現役の時に2回、3部に行ったけど、

     いずれも3部8位で、すぐに4部に戻されたし。

     だから、メンバーは変われど、おなじみの相手だね。」


トニー「それでは実力も同じぐらいなんですか?」


夜倉先輩「う~ん、それは正直やってみないと分からないねー。

     春の団体戦ってのは、どの大学も、

     留年じゃなければ、去年の4年生が抜けて戦力が落ちて、

     新入生の加入でどこまで盛り返せるかってところだから。

     さすがに俺もギャラクシー大の1年生の戦闘力は分からないし。」


トニー「そうなんですね。出たとこ勝負なんですね。」


夜倉先輩「そうそう。」

    「んで、カルマ大は前季5部2位で上がってきた大学。

     俺の記憶が正しければ、4部は初かな。

     去年の秋は強い4年生が2人いた気がしたから、

     強い新入生が入ってなければ、恐れる相手ではないのかも。」


トニー「分かりました。ありがとうございます。」


夜倉先輩「こちらこそ、ありがとう。それじゃあトニー君、今日は頑張ってね!」




オーダー表を記入し、運営の人に渡す。

大将 トニー・1年・1152

副将   B・3年・1562

三将   A・4年・921

四将   C・2年・617

五将   D・4年・1213

六将   E・1年・746

七将   F・2年・391

八将   G・2年・336

九将  幽霊・3年・100以下



というわけで、1R。

ロケット大VSギャラクシー大


ロケット大のオーダーは、

大将 トニー・1年・1152

副将   B・3年・1562

三将   A・4年・921

四将   C・2年・617

五将   D・4年・1213

六将   E・1年・746

七将   F・2年・391


と、オーダー表の上から並べた、いわゆるベストオーダーだ。


初戦だから工夫のしようがないというのである。


上位の大学の大将だからということで、

僕が振り駒をすることに。


緊張しながらも、歩を5枚、両手の中に入れて、振る。


と金が4枚。


トニー「ロケット大、偶数先です。」


B~F「ロケット大、偶数先。」


と、出場者の中で伝言ゲームのように流れていく。


A「まー間違えないと思うけど、

  トニー君、俺、D、F君が後手で、

  B君、C君、E君が先手ね。」


と、部長が確認し、


運営係の「では、はじめてください。」との声と共に、


会場全体から「よろしくお願いします!」と気合の入った声がして、


チェスクロックを押す音が激しく聞こえてくる。



僕は緊張していた。

なおかつギャラクシー大の大将が、

力士みたいな、

大将のイメージそのまんまの人だから更にビビった。


しかし、ここでビビってはいけない。



戦型は、相手の角交換から、

角交換相振りのような展開になる。


団体戦の緊張感と共に、

指し手が普段の部室の対局と比べると、すすまない。


読み抜けがあるんじゃないかとか、

相手の指し手の意味はとか、


考えるとキリがなくなり、脳に汗をかいている僕がいた。




とはいえ、何とか押し切って、勝ち。


団体としても僕、Bさん、Aさん、Dさんが勝ち、4-3で勝利。


4-3かぁ。ギリギリだったんだな(汗)


自分がミスをしていたらと思うと、ぞっとする。


でも勝てて、ほっとしたわ。



昼食休憩を挟んで、


2R目はカルマ大学戦。


1R目に見学していたGさんの情報だと、

カルマ大は4人しか来ていなかったとのこと。


夜倉先輩「4年が抜けて、新入生も入らなかったのかなー。

     ただ就活で、午後から来るパターンもあるから油断はできないかな?」



とはいえ、A部長の計らいで、


A「よし、FやGに不戦勝とはいえ、

  勝ち星をつけてあげよう。

  もし、相手が就活後に現れたりしても、そん時は大丈夫。

  上で勝つから。」


ということで、2R。

ロケット大VSカルマ大


ロケット大のオーダーは、

大将 トニー・1年・1152

副将   B・3年・1562

三将   A・4年・921

四将   D・4年・1213

五将   E・1年・746

六将   F・2年・391

七将   G・2年・336


見ると、カルマ大は6人になっていた。

Gさんは不戦勝になったものの、

おいおい大丈夫かな・・・とか思いながらも、


振り駒をし、対局に臨む。


そしたら、負けたのはFさんだけで、

Fさん以外は全員勝ちの6-1だった。



夜倉先輩「去年の4年の力で上がったはいいけど、

     今年は4部で戦える力は残ってなかったってことやろね。」



これでロケット大は、

2勝 勝ち数10で、勝ち数の差で単独1位である。


僕の喜んでいる顔に気づいたのか、


夜倉先輩「まだまだ、これからやで昇級への険しい道は。」

    「来週の2日目は、メリケン大、メランコリー大、

     バルサミコス大とどれも骨っぽい大学だからね。」

    「だから、トニー君、来週が山場だと思って頑張ってね。」


そうなのか、まだまだなのか。

よし、気を引き締めなきゃ!





初日が終わって、

イメージ大学の最寄りの駅に着く。



夜倉先輩「それじゃあ、皆。またね。来週は仕事の用事があるんで、

     また再来週の最終日に来るわ。さいなら♪」


全員「先輩どうも、ありがとうございました。」


トニー「先輩。これからちょくちょくラインで連絡とってもいいですか。」


夜倉先輩「お、嬉しいな。いいよいいよ。そのために、ふるふるしたんだし。」



僕は、団体戦で2連勝すると共に、

バイであるという夜倉先輩と知り合えて、

気持ちが高まっていた。



気がつくと、布団の上で、夜倉先輩のことを思い出したりしてたけど、


これは別に、恋じゃないんだ。


でも、夜倉先輩は、気になる存在ではあるなぁ。


ああ、もう将棋部最高!!


ってな感じで、来週も勝ちまくれたらいいな。


そして再来週、先輩に昇級という良い姿を見せたい!!

オーダー表とか、余裕や時間があったら、図で表した方が見やすいかなと思いました。ですので、余裕ある時に行います。


夜倉先輩のこととか、自分で書いててなんだけど、

恥ずかしくないんすかね?


こんな大学の後輩がいたらいいなぁっていう、

作者の願望を示しているような気がしないでもないけど(笑)、


そんなノリでいきまっしょう。

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