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大学将棋、時々ホモとか  作者: 筋違い
10/38

新人戦

夜倉先輩との幸せなデートが終わり、

その後も何回か先輩とは会って、

一緒に寝たりしていた。


そして気がつけば新人戦の日を迎える。


ロケット大の1年生は、

僕とE君だけど、

参加するのは、僕のみ。


夜倉先輩に言われた通り、

新人戦というのは基本的に1年生限定で

大学の大会では、

唯一の世代限定戦(浪人もあるから学年限定戦か)。


上位の成績を残しても、

賞状とかが商品があったような気がするだけで、

全国の新人大会があるわけでもない。



とはいえ、僕自身、入賞できるような棋力は

持っていないので、

そういう風に全国に繋がらないからどうのこうのとは思わずに、

純粋に1度しか出れないからと考えて、出てみることにした。



場所は、団体戦でも来たことのあるイメージ大。


控室の適当な椅子に座り、

詰将棋アプリ、昨日のネット対局の振り返り、

イメージトレーニングという名の妄想をしてみる。


しかし、だんだん飽きてきたので、

先輩に言われた通りに

いい感じの男性がいないか、

物色してみる。


控室および会場の教室に来ている人達を見渡すが、

残念ながら・・・気になる感じの人はいない。


1年生だけの大会で参加者も慣れていないためか、

ソワソワはしていて初々しい雰囲気なんだけど、

残念ながら、心ときめく人はいない。


勝手に期待してみて、勝手に落胆しちゃってね(^_^;)


そもそも将棋を指しに来ているんだから、

そういう出会いを期待してみるのが間違いなのかもしれないけど。



大会開始10分前になって、

1人の男の子が慌てて入ってくる。


?「遅れてすみません。

  受付済ませてもらって、ありがとうございます。」


受付の時間は過ぎていたが、同じ大学の人に、

受付を頼んでいたようである。


しかし、そんなことよりも、

僕はその男の子を見た時に、

胸がキュンとするのを感じた。


なんだろ、ひとめぼれってわけじゃないけど、

可愛くて気になるなぁ。


あの子もゲイとかバイだったらいいのになぁ。



どうせノンケだと思うけど(^^ゞ、

でも機会があれば会話して、

ラインで連絡先交換とかしたいなーと、

すっかり僕はその子に夢中になる。




新人戦の今年の参加者は96人。

ブロック分けとかされているが、

分かりやすく言うと、

初日は

一回戦96→64

二回戦64→32

三回戦32→16

まで。

ベスト16以降は2日目というもの。



僕は、くじ運が良いのか、

労せずしてベスト64からのスタートとなった。


そう言ってしまうと運が良いようにも思えるが、

結局、午前中の1回戦は対局しないので、

暇な時間といえば暇である。

体験した人は分かると思うけども。



気になるあの子は一回戦からの対局の様子。

組み合わせを見ると、お互い勝ち進めば三回戦で当たる。


とりあえずは怪しまれない程度に、その子の対局を見てみようか。


その子の名前は、

戸田(ミラクル大)と組み合わせに書かれていた。


へー、戸田くんっていうんだ。

しかも5部で2位だったミラクル大の1年生か。


秋の団体戦で当たるやん!!

楽しみですわ。




戸田くんの一回戦の対局。

戦型は相掛かり。

相掛かりさせるなんて、凄いニャ。

僕には相掛かりの感覚がよく分からないから、

食わず嫌いなんだけど、

自信のある手つきで指している。


そして相手のミスを的確につき、

優勢を広げていき、

戸田くんの勝ちとなった。


まだ1度も話したことないのに、

戸田くん、おめでとう!

って気持ちになってた。



「ようし、僕も頑張らなきゃ!」

と独り言で気合を入れ、

二回戦の対局が始まる。



二回戦

涼川トニー(ロケット大)VSαさん(アカモン大)


僕の相手は、αさん。

1部リーグで全国大会にも度々進んでいるあのアカモン大の人だ。

とはいえ、このαさんという人がどのぐらいの実力なのかは分からない。


先輩に言われたことを思い出す。


「1部の大学の人とかと当たっても大学名にびびる必要はないからね。

 あくまで君と同じ1年生さ。

 もし結果的に強くても、

 対局前に不必要にびびる必要はない。」


それも、そうなんだよなと冷静になり、

対局に臨む。



戦型は、普通の、

三間飛車VS居飛車に落ち着いた。


手の探り合いが続き、

開始から50分経ち、

お互い持ち時間が残り5分となっても、

まだまだ中盤の入り口ぐらいである。


これは、終盤力で勝負が決まるなぁ。


その予測は当たり、

お互い一分将棋になってからは、

時間に追われたりして

怪しい妙手を指し続けるようになる。


これ、もう分かんねぇなぁ。


不安に思い、時間に追われながらも、

冷静に指していったつもり。


ある場面で相手に必至をかけられた。


これは終わったか、と一瞬思ったが、


「いや待てよ。ひょっとして相手玉に詰みがあるんじゃないか!?」

と心の中で声を上げ、考える。

しかしチェスクロックの残り20秒の音が鳴り、

焦りが加速した。


もう読み切れてないけど、

とりあえず桂馬打つのが筋やろから、

打っちゃえ!!と、桂馬で王手をかける。


実際、詰むようにも思えるし、詰まないようにも思えるが、

ここは指すしかなかった。


相手も焦りながら、残り10秒ぐらいで玉を動かす。


「そっちに逃げたか。じゃあ盤上の桂でもう一度、王手だ。」


そして相手も慌てながら、玉を逃がす。


「あれれれれ? そっちに逃げるの?」

「あれれれれ? これは、ひょっとして詰むんじゃないか?」


そこで僕の脳内は光速に活動し始めた。


「この局面からなら、もしかして11手詰め!?」


とはいえ残り10秒の「ピッ」と音が聞こえたため、

再確認する暇もなかったが、

自信を持って、龍を切る。


一目、同銀と取らざるを得ない局面だが、

相手はギリギリまで考えている。



そして、残り10秒の「ピッ」が鳴った後、


相手から、

「負けました。」

の声が響く。


おいおいおい、投了すぎるのが早すぎるんじゃないかい。

同銀と取った後も9手は続くやろし。


しかし、強い人は投了も潔いってことなのかな。


僕だったら詰みまで指しちゃいそうなのに。

実際団体戦の時には詰みまで指してたし。




何はともあれ、ベスト32進出。

そして隣を見ると、戸田くんが勝っていた。


ということは、

三回戦

涼川トニー(ロケット大)VS戸田くん(ミラクル大)が実現。


戦型は、僕から仕掛けた角交換振り飛車。


角交換した時に、

戸田くんの、むすっとした顔が目につく。


怒らせちゃったかなぁ。

でも、そういう顔も可愛いなぁ、戸田くんは。


とかとか思いながら、将棋を指す。



そして、負けました。


対局内容は、分かりません(笑)


将棋指しとしてどうかとは思うけど、

戸田くんの可愛さにやられて将棋どころではなかった(^_^;)



一応、感想戦もやるが、

そんなことよりも戸田くんと普通の話がしたくて、

機会をうかがっていた。

戸田くんと一緒に来てた大学の人も、

一回戦で負けたためか、もういないしね。



幸運なことに、三回戦でまだ終わっていない対局も多く、

ベスト16以上の再抽選もまだ行われない状況だった。



感想戦が終わった時に、

戸田くんに話しかけてみる。


トニー「せっかくだから、これを機にラインの連絡先交換しませんか?

    お互い1年生だし、

    いろいろ話せることとかあればと思って。」


我ながら、唐突な話し方だなと思ったけど、

こんな可愛い子を目にしたら、

悠長なことは言ってられない。



そしたら、

戸田くんは怪訝な顔をする。


やっぱり、ダメだったかなーと冷や汗が流れる中、


戸田くん「いいですよ。でも今、彼氏は作ろうと思ってないから。

     とりあえず連絡先交換するだけでね。」



との言葉を聞き、驚く。


トニー「え、戸田くんもコッチ系なの?

    というか、よく自分から言えるね。」


戸田くん「そりゃあ一回戦の君の観戦といい、

     さっきの対局といい、

     純粋に将棋を指す&観戦の人には、

     見えないような、

     それこそ心ときめいている顔してたから気づくっしょ。」


トニー「気づかれてたのか。

    注意しないと。」



戸田くん「注意しても無理だよ。

     ぼくは自分で言うのもなんだけど、

     可愛い顔してるじゃん。

     そして、ゲイの人からのそういう視線は、

     今まで何回も浴びてるから、

     そういう気持ちの人のことは把握できちゃうんだよね。」


    「それで、さっきの話だけど、連絡先交換はするけど、

     即恋愛とかはないからね。

     ゲイ系って気になる人がいたら、

     即、求愛行動に結びつけちゃう人が困ってきたことが多いから、

     それは釘をさしとく。」



そう釘をさされたけど、

戸田くんと連絡先交換できたし、

戸田くんがこっち系だということも分かったから、

凄く嬉しくなってた。



トニー「ということは、戸田くん、今、彼氏はいないの?」


そう聞くと、戸田くんが、むすっとした表情になる。


戸田くん「いないよ。だからって今は彼氏募集してないんだから。

     勘違いしないどいてね!!!!」


そうだったと思いながらも、

そのむすっとした表情も可愛いなーと、再び思う。


戸田くん「そういえば、涼川くんは、そういう人いるの?」


そこで、ふと考えた。

夜倉先輩は彼氏なんだろうか?

ラブホに行ったり路上でキスしたりしてるけど、

そういえば告白とかしてないで、

流れでここまできちゃってるな。



トニー「うーん。彼氏かというと微妙。

    正式な告白ってのはしてないから。

    ただ、時々会っていろいろしてるから、

    セフレ以上だとは思うけど。」


戸田くん「呆れた。

     君みたいなのがいるから、

     ゲイはみんなそういう目で見られちゃって、

     僕たちは苦しいんだよ。

     僕はただ純粋に、

     好きな人と幸せな家庭を築きたいだけなのに。」


トニー「僕だって、そうだよ。

    今の人とは、好きだからいろいろやってるだけだよ。」


戸田くん「どうだか。だって告白してないで、

     流れで一緒に寝てるわけでしょ?

     言ってみれば、君は発情期の猫状態だよ。」


戸田くんとの会話は嬉しかったが、

何も初対面でそこまで言わなくてもと思った。


しかし、図星であるため、

「ぐぬぬ・・・。」と呻くことしかできなかった。



そんな姿を見て、


戸田くん「ごめんね。言い過ぎて。

     昔、嫌な思い出があってさ。

     好きっていう本能で

     好きな人と肉体関係を持つのは

     僕も分かるんだけど、

     ゲイ系の人はそういうのが早すぎてね。

     だから、キツイこと言っちゃったけど、

     忘れてもらっていいよ。」


トニー「いやいや、そんなことないさ。

    確かに、戸田くんに言われて、

    僕はやりたい盛りの発情期の猫だったかもしれないしって

    自己確認できたし。

    なかなかハッキリと言ってくれる人がいないから、

    戸田くんに言ってもらえて嬉しいよ。」


戸田くん「まーた、そうやってアピールするんだから、

     これだからゲイ系は油断できないんだよなぁ。」



そんな会話をしながら、

ベスト16進出者は

くじを引くことになり、


戸田くんの2日目の相手は、オーケー大の人。


戸田くん「この相手の人。

     自分と同じ県で高校生ナンバーワンだったんだよな。

     どうせ来週は1局目で終わるだろうから、

     今日、涼川君に負けておけばよかったよ(笑)」


トニー「そんなこと言わずに、頑張ってみようよ。」




そして最寄駅まで一緒に歩く。


トニー「来週も頑張ってね!!

    後、秋の団体戦で一緒に戦えることを楽しみにしてるよ!!

    それと、ちょくちょく連絡とりたいな。

    戸田くんのことも、もっと知りたいし。」


戸田くん「恋愛は、なしだけどね。

     でも僕も、涼川くんと知り合えてよかった。

     これから、いろいろ話していこうね♪」



そして大会では負けたが、

幸せな気持ちで家路に着いた。     

作者の願望シリーズ、キター(笑)


こんな風に他大学のゲイ系の将棋部員と知り合いたかったんですよ。


自分自身、そこまでオープンにできていなかったんですけど、

統計的に考えれば、

カントー地区にあれだけ人数がいれば、

少なくとも10人はいるよね!?

とかそんな妄想をね、脚色して文章化で。



そんなノリです。

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