優柔不断は己が罪

かつて支配していた広大な大地。
それを取り戻すため魔族は、ある一つの生命を生み出し、人間の国に送り込んだ。

その生命は、人間に溶け込めるよう努力し、混じって生活する内に、自己というものを成長させていく。

だが、それが彼の邪魔をする。
自身に与えられた任務をこなすことに、抵抗を覚えてしまったのだ。

育ての親である人間の国を滅ぼし、生みの親である魔族に繁栄をもたらす。
彼はそのきっかけを、自身の手に委ねられ、大いに悩む。