水色の髪の幼女
ジャバウォック達と無事別れたアルベールは1Fから潜っていた。
素材集めと…………憂さ晴らしを兼ねて。
「オリャ!!」
ピギェーー!
ゴブリンが倒れていく。
「ヒャハハハハハハハハ!雑魚ども!!」
アルベールがゴブリン狩りに精を出していると、
「ギャアァーーー!」
悲鳴が聞こえた。
(御愁傷様。いつの時代も冒険者は命がけって事だ。ハイッ!お疲れー)
バタバタバタ
左側から足音が聞こえる。
しかも大量の。
「だずけぇぇてぇぇーー」(助けて)
水色の髪をした幼い女の子が、ゴブリンに追われアルベールの方に向かってくる。
(いやいやいや、嘘でしょ!?)
バタバタバタ
ドタドタドタドタ
バタバタバタ
ドタドタドタドタ
(仕方ない…か。)
「身体強化!(フィジカルアップ)」
「オリジナル身体強化!(アジリティアップ)」
アルベールは一般的な付与術と自身が編み出したオリジナル付与術の重ね掛けを行い、愛用の黒いシンプルな鎌【首斬大鎌】を構えた。
ピギェーー
パジェェー
ゴブリンが次々に倒れていく。
(す、凄い…………)
水色の髪をした幼い幼女はさっきまで自然と溢れていた涙と鼻水を持参していたタオルで拭き取りながら驚いていた。
(フゥゥ。なんか疲れた……)
「大丈夫かい?
ゴブリンなら倒したから。」
「はい。……そ、その、ありがとうございました。」
(素材も集めたし、なんか疲れたから帰るか……)
「俺は帰るけど街まで送っていこうか?」
「はい。……お願いしてもいいですか?」
街までの帰路で彼女の情報を聞いた。
彼女の名はルーナ・エイシア。
【青空の龍】というクランに所属している10歳になったばかりの冒険者だった。
【青空の龍】は元々、【太道の虎】と並ぶ国内大手のクランだったが、看板冒険者のアルバス・サンダースが冒険中に命を落とし、それに比例する形で勢いを失くしたクラン。
クラン本部まで近づくと何やら騒がしい。
「あっルーナ!」
「ルーナが居たぞ!!」
「何処に行ってたの?ルーナ。」
ルーナと同じくらいの娘が口を開く。
「ごめんね。その…………ダンジョンに」
「1人で?」
「……うん……」
「もう、あれだけ総帥に言われたのに……」
「……ごめんなさい……」
「でも、無事で良かった。」
帰るタイミングを失うアルベール。
(うん。うん。感動の再会は邪魔しちゃいけねーよ。
でも、こういう時って気まずくね?)
そんな事を思っていると、クランの入り口が開いて茶髪の男がこちらに歩いてくる。
「ルーナ!見つかったか?」
「はい!居ました。」
「……ごめんなさい……」
茶髪の男はデューク・スターリングといい、
このクランの第1部隊のリーダー。
アルベールとはSランク合同討伐で顔を会わせている。
「アルベール。ありがとう。
君が送り届けてくれたんだろ?」
「まぁ……そんな所……
あぁ、でも……大丈夫だ。俺は年下には興味が無いから。そういう気持ちは無いから。」
(あぁ……コイツもダルい奴だ……
コイツは強いとかじゃなく堅いんだよな~
ノルンをより堅物にした感じ……
一刻もこの場を去らねば。)
「じゃあ、俺はこれで……」
「待ってくれ!総帥もお礼を言いたいだろうし、中に入ってくれ!」
「い、いや~…………」
「アルベールさん……是非上がってください。」
ルーナも上目遣いで口を開く。
「そうだよ!?お兄さん。是非。是非。」
「い、いや~」
(そうなるよな~…………マジでダルいわー!!!)




