ジャバウォック・ミストガン
ダンジョンに向かう道中、会いたくない奴が前方に見えた。
ジャバウォック・ミストガン
【太道の虎】の看板冒険者。
(ヤベッーー。なんか今日はそういう日なんかな?
よし、目をつけられる前に後退。後退。)
「よぉ!アルベール!」
前から大きな声と共にジャバウォックが勢い良く走って来た。
キッ!キター!
筋肉ムキムキの大柄な紫色のドレッドヘアーの男が、ニャニャしながらアルベールを追う為全速力で向かってくる。
(ウワーー! 何だよ!俺が何したんだよ!
コイツはヤバい。コイツはヤバい。
あのイケメン金髪貴族、略してイケキゾと同じだー
コイツらは勘という匂いというか、
他のSランク冒険者とは違う。
イケてるドレッド、略してイケドレだーー)
イャァーーー!
(あっ……鼻水出てきた。)
イャァーーー!
捕まった。
アルベールもSランク。身体能力が決して低いわけではない。だがイケドレの身体能力が化け物なだけ。
「何で、逃げるんだよ!?」
「アンタが迫ってくるからだろうが!!」
「あぁ? どういう意味だ?」
「鏡見ろ!鏡。」
「で。何の用だよ?
追放された件か?なら事実だ。」
「そうか、ならウチに入れよ。」
「こりゃまた、突然。」
「お前にすれば突然だが、俺は前からお前を引き抜きたいと思ってたんだ。」
「断る。」
「なぜだ?黄金を除けばウチが92F攻略で進んでるぞ?」
「ソロになった今、別に深層の攻略は考えてないの。」
「お前、冒険者止める気か?」
「フンッ!!冒険者だろうが錬金術師だろうが魔導具師だろうが、俺は俺だ。」
「そうかい……」
そこから、アルベールとジャバウォック達【太道の虎】第1部隊とダンジョンまで同行したが、何気ない会話で終わった。
と言うより、
ジャバウォックは悟った。
(今のコイツはどれだけの大金を積もうが、良い条件を提示しようがウチには入らない。)
静かに見守りながら時折、様子を伺うのが1番。
ジャバウォックの直感はそう感じた。




