報道とそれぞれの想い
アルベールがまだ爆睡中、朝刊で93F攻略、勇者パーティー【黄金の輝き】ディフェンダー【アレクサンダー・アーノルド・アルベール】追放!!の見出し。
国内で最も勢いのある【黄金の輝き】のスクープでは人々の感心を引き付けるには充分。
冒険者ギルドのマスター ウォーテルは
「チッ!!」
(やっぱり、こういう形で報道されるか……)
受付嬢 ルシェラ
(酷い……確かに事実かもしれないけど……
アル君…………)
◇◇◇◇◇◇◇◇
国内大手クラン【太道の虎】第3部隊所属ソフィアはクラン内の住居スペースにある自分の部屋から朝のコーヒーを飲みながら朝刊に目を通した。
直ぐ様、隣部屋の第3部隊リーダーを勤めるレインの部屋を訪れていた。
ドンッドンッ!ドンッドンッ!!
「レインッ!レインッ!起きてるか!!」
「あぁ起きてる。
どうしたこんな早くから?」
ガチャ
部屋の扉を開けながらレインが対応する。
「これっ!!」
「ん?
これ……事実か?」
「し、真意はわからない。
でも昨日、図書館でアルに会ったんだ!
でも、その……いつものアルじゃなかったんだ!
何か元気が無いというか、少し思い詰めた感じがして!」
穏やかな性格をしているソフィアからは想像できない捲し立てる様な早口で説明されたレイン。
「そ、そうなのか……」
「彼を第3部隊に勧誘しよう!!
私達は88Fから前に進めてない。彼ならその起爆剤になれるはず!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
同じクラン【太道の虎】第1部隊に所属しているジャバウォック・ミストガンは大柄な体格に紫色のドレッドヘアーをしており、新聞とは真逆な存在ではあるが朝刊を読み、ニャと口角が上がる。
「おいっ!カルロスこれ観たか?」
「起きたばっかだよ。はぁ……
で、何が書いてあんだよ?」
「アルベールが追放だとよ?」
「アルベール??あぁ、お前のお気に入りのディフェンダーか?」
「あぁ、そのアルベールだ」
「それがどうしたよ?」
「勧誘する。だが、先ずは事実確認。
その後にウチに入れる。」
「俺とポジションが被るだろ!」
「お前、俺の話信じてないだろ?
アイツはお前みたいな純粋なディフェンダーじゃねぇ~。
かと言って俺やあの貴族のボンボンとも違う。
ククク……だが、【黄金の輝き】の心臓と脳みはは間違いなくアイツだぜ!?」
◇◇◇◇◇◇◇◇
ジャバウォック・ミストガンが貴族のボンボンと揶揄する【深海の明星】を率いるリュウ・ダルク・レグナールも朝刊に目を通していた。
フフフフッフフ
「リュウ様どうされました?」
リュウの従者の1人マドカが声を掛ける。
「マドカ、これを観ろ。」
そこに2人目の従者、アーシャが来た。
「リュウ様、紅茶を入れました。」
「アルベール、これが事実なら彼を勧誘する。」
従者2人は少し不服そうな顔をした後、
「「ハッ 畏まりました。」」
返事をした。
「お前達の気持ちはわかるが、何度も言うが、彼の能力は本物だ。」
そこに、パーティーメンバーのリックとリサの兄妹が部屋を訪れた。
「リュウ!俺は別に構わないが本当なのかよ?
別ににリュウを疑ってるわけじゃないんだが、コイツがそんな実力者には見えねぇよ……」
「あぁ、間違いない。リサは気づいてるよ。」
コクッ リサが無言で頷く。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【青空の龍】第1部隊に所属している22歳の剣士、クロム・レストレンジは歓喜していた。
「おぉぉ、これはチャンスだわー!!
私とアルベール様を繋ぐ奇跡にして軌跡。」
その後、クロムはいつもの8倍もの朝飯前を食べた。




