リーゼ・シャルロッテ
「で、話って何だ?」
アルベール。
「アルベール。君の育成能力を見込んでウチに所属している若手を育てて貰えないか?」
レイン。
(はいっ!出たっ!だる~い案件。)
「いやいや、レインさん。僕にそんな能力は無いですよ~。もう、全く~冗談が上手いですわね~」
アルベール。
「この通りだ。」
再び頭を下げるレイン。
「アル君…」
ルシェラ。
「話だけでも聞いてあげれば?」
シルフィード。
「ちなみに、その新人は男か?」
「いや、女だ?」
「なら、俺は構わない。」
「私達も女の子じゃないと…ね……」
ルシェラ。
「詳しい話をしたいのだが明日10:00にウチの本部に来て貰えないだろうか?」
4人はアイコンタクトを行い、頷いた。
「わかった。」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「お初にお目にかかります。【太道の虎】の総帥マーゼルと言います。」
眼鏡をかけた細身の40代くらいの男性が口を開いた。
「どうも、【桃色の獅子】です。で、早速だがいくらですか?」
「それなんだがね…お金は前払いで500万。後、彼女がもし君達のクランに加入したいのであればFA(0円)で送り出す準備がある。もし、彼女がココに残るのなら別途で3億。どうだろうか?」
「15億だ。」
「15億!!」
レインが驚く。
「…」
黙る総帥マーゼル
「前金はそれで良い。だが、俺達と冒険するという事はSランク以上になるのは当たり前。Sランクの中でもトップクラスになるわけだから育成後に彼女が【太道の虎】に残る場合は15億だ。」
「……」
黙る総帥マーゼルとレイン。
「それが無理なら、無しだな。」
「…受けよう。」
総帥マーゼル。
「そもそもなんで、こんな話になってるんだ?」
「彼女は……リーゼは期待の新人だったんだ。だが、自信を失くしてしまってな、自ら代5部隊を脱退してしまったんだ。」
「先に言っとくが俺は強制は好きじゃないから彼女と対面して彼女が乗り気じゃないならこの話は無しだぞ?」
「あぁそれで構わない。」
レイン。
「今、私達はクランの利益よりも、彼女を優先したいんだ。彼女の将来を。このまま私達と共に居ても彼女は何も変わらない気がしてね…だから頼むよ。」
総帥マーゼル
◇◇◇◇◇◇◇◇
「初めましてであります。リーゼ・シャルロッテと申すであります。」
(語尾が特徴的だな~)
「どうも…それで君を俺達のクランに一時的に加入されると言う話が出てるんだが…」
「はい…一応は聞いてるであります。」
「率直にどう?嫌なら嫌で無しでいいよ?」
「……はい。私でよければ……ですが、私はその…冒険者として期待に応えられるかわからないであります。」
「ん~。先ず、何でそんなに自信が無いんだ?話は軽くだけど聞いてるよ。第5部隊で前衛アタッカーだったんだろ?」
「私は【器用貧乏】というアビリティを持って生まれたであります。だから、前衛アタッカーもパーティー事情によりコンバートされたと言うか…でも、結局は本物の剣士、魔術師には敵わないであります。」
(なるほどな…どこも器用にこなせるがエース級と比べると霞むって事か……)
「ある程度はわかった。それで君は?どうしたいんだ?」
「…行ってみたいであります。」
「なら、決定だな。」
「よろしくね♪」
「よろしく。」
「よろしく♥️」
「よろしくであります。」
「じゃあ、屋敷の部屋が余ってるから荷物をまとめて貰えるか?」
「はい。であります!!」
「ありがとう、アルベール。」
レイン。
「ありがとう。感謝します。」
総帥マーゼル。
(それにしても、器用貧乏か……中々、良いアビリティだな。)
◇◇◇◇◇◇◇◇
「リーゼは前衛と後衛のどちらが良い?」
「何処でも!お役に立てるなら何処でも大丈夫であります!!」
リーゼ。
「アル君、リーゼちゃんは剣士じゃないの?」
ルシェラ。
「それは、パーティー事情でしょ?たぶん、この娘は前衛、後衛何処でも出来るよ。しかも高スペックで。」
アルベール。
「なら、ウチは前衛が3人居るから後衛って事か?」
シルフィード。
「うん。後、単純に後衛アタッカーが足りてなかったから、やっと埋まったって感じがするし。…」
「お役に立てる様に頑張るであります!!」
「で、リーゼは何処まで行けるんだ?」
「72Fまでは攻略したであります。」
「じゃあ試運転で50Fから行こうか!?」
「「うん。」」
「はい♥️」
「はい。であります!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️アル君♥️!」
「潰すぜぇー!!!!!!!」
「アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️アル様♥️」
変わらない3人に
「ファイア・ジャベリン!!であります!」
リーゼが後衛アタッカーをメインとして加わった。
(やっぱり、この娘はどのポジションも器用にこなせる。良い拾い物をしたかもな…)
「アルさんの強化魔法は凄いであります!!」
「ありがとうな。シャーレも前衛から後衛でいきなり役割を果たせるなんて凄いと思うよ。」
「うん。うん。シャーレちゃんは凄いよ!!」
「ウチあんな凄い魔法撃てないもん!」
「凄いですわ~」
「ありがとうございますであります。」
「取り敢えず、俺達はリーゼを94F攻略まで連れていく。当面の目標はこれでいいかな?」
「「うん。」」
「はい♥️アル様♥️」
「頑張るであります!!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「なぁシャーレ少しずつで良いんだけど、後衛アタッカーとしてオリジナル魔法を作成しないか?」
「したいのは山々でありますが、私に出来ますでしょうか?」
「シャーレなら、問題無いよ。」
そこから、ダンジョンでは後衛アタッカーとして活動しながら屋敷内ではアルベールと共に魔導具、呪具の制作に時間を費やした。
何日も何日も屋敷とダンジョンを繰り返す日々。
◇◇◇◇◇◇◇◇
83F攻略中
「鳴き続けろ!であります!!」
「【閻魔帳・八咫烏】であります!!」
(えんまちょう・やたがらす)
多数の魔法陣から烏が出現し鳴き始めた。
カァー カァー カァー
カァー カァー カァー
「えっ!?力が漲る。もしかしてシャーレちゃん!!これって強化魔法!?」
ルシェラが驚く。
「はい。であります。」
「おぉ!凄いなシャーレ!!」
「凄いですわ~♥️」
「でも、まだまだアルさんみたいに1匹に対しての重ね掛けが出来ないから倍率事態は低いであります。」
俯くシャーレ。
「いやいや、この短時間で出来ただけでも凄いと思うよ。それに、俺の強化魔法と併用できる限りのだけで凄いけどね(笑)」
「そうだよ。そうだよ。アル君の重ね掛けとシャーレちゃんの八咫烏の倍率が乗るんだよね?」
ルシェラ。
「うん。」
アルベール。
「そりゃぁ凄いな!!」
シルフィード。
「凄いですわ~♥️」
リーゼは【器用貧乏】のお陰かそれともアルベール達のお陰か、それとも両方か実力をしっかりと身に付け冒険者としての自信を取り戻していった。




