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追放された男、最狂にて  作者: 新仁友成
第一部 第4章 再会
32/44

現在地

白龍を撃退した翌日アルベール達とサクラ達もAM10:00に冒険者ギルドに呼ばれていた。

勿論、議題は白龍の事だ。

重苦しい雰囲気の場にはギルドマスター ウォーレンを始め【青空の龍】総帥アンソニー、第1部隊リーダーのデュークが顔を揃えていた。


「お疲れの所、申し訳ない。召集に応じてもらい感謝する。ありがとう。早速だが、先日の白龍についてなんだが…」

アンソニーが口を開く。


「俺らは隠し事なんか何もねーよ!?ただでさえ世界中に配信してんだから。」

(ダルい場所にダルい奴らが勢揃い…うへ~早く帰りたいぜ~)

頭をポリポリかきながら口を開くアルベール。


「まぁ、アル。俺はお前の意見が聞きたいんだ。」

ギルドマスター ウォーレン。


「俺の意見?」


「あぁ、アンソニー総帥、デュークお願いします。」


「えぇ、先ず私達は君達が先日戦った白龍を知っている。アイツはアルバスの仇なんだよ。」


「ッ!」

その場に居たアルベール以外の人間が驚いている。

(確か…アルバスは91Fで殺られたはず…)

アルベールは冷静に話を聞いている。


「それで、どう俺達と関係するんだ?」


「俺達は91Fを周回中にアイツと遭遇してアルバスさんを見殺しにしたんだ……だが、お前らは70Fで遭遇した。今回はアルベール!お前が居たから無事だったろ!?でも、70Fの冒険者がアイツと遭遇したらどうだ?90F攻略した俺達ですら手も足も出なかったんだぞっ!逃げられず無駄に死体が増えるだけだろ?それは避けたい。だから情報を整理する。これが俺達に今出来るアルバスさんに顔向け出来る唯一の事だと思ったんだ。」

デュークが必死に熱い口調で訴える。

(なるほどね~。91Fで白龍とか…)


「これが、それだ…」

デュークはロムを机に取り出した。

「これは、俺達が帰還する時に俺が回収したものだ。」


「これは……」

「……アイツだな…」

「…」

そのロムを見たルシェラ達5人は恐怖からか?驚きからか?はたまた、違う感情からか?言葉が出て来なかった。

ロムには、白龍がしっかりと写っていた。


「アルベール!お前、赤鎧とも戦っただろ?実際に戦って赤鎧と白龍はどっちの方がヤバい?」

ギルドマスター ウォーレン。


「そんなの、白龍だろーよ。ロム観てねーのかよ!!」


「いや、3回視聴した。お前の口から聞きたかっただけだ。しかし、ギルドとしても参ったな……」


(まぁ、あんな化け物が70Fに出たとしたらSランクの基準を下げるだけじゃなく、SSSランクまで創設しないとだよな…)


「なぁ…………俺の意見を言っていいか?」


「何だ?言ってくれ!」

ウォーレン。


「これは何か確証があっての事じゃない。だけど俺が感じるにアイツは暫く表に出て来ない気がする。」


「そうか…………そうだと良いんだが…」

ウォーレン。


「これ以上は混乱を呼ぶし、確証が無いから控えるがアイツ…白龍には明確な狙いがあると感じた。そこにB級、A級冒険者は居ない。」


「S級が狙いだと?」

ウォーレン。


「いや、違うな……」


「じゃあ、何だ?」


「…さぁな………」


「お前、肝心なところでっ!!」


「肝心?肝心な事なんか何もわかっちゃいねーよ!アイツの亡骸を回収出来れば話が変わったかもしれないが……現実問題、俺達が集まった所で何がわかるんだよ?」


「まぁそうだな……」

ウォーレン。


「それに、冒険者なんて自己責任だろ?そこまでギルドが考える必要も無いと思うが…」

アルベール。



◇◇◇◇◇◇◇◇

「あっ!お醤油きらしてた…」

アルベール達はギルドを後にしみんなで買い物した後は夕飯までくつろいでいた。


「なら俺、買ってくるよ。ついでにアイスとかデザートも。」


「本当に!?なら、私はチョコミント味のアイスがいいな♪」


「わかった!」

(チョコミント!よりも、あ・な・た♥️ってな♪)


「シルフィーはどうする?」


「ウチはストロベリーフレー…」

「あるわけねぇだろ!!!!!

難しい横文字使うなよ!?」


「イチゴ味ね!?イチゴ味でいいのね!?適当に買ってくるから食べたい物を食べればいいか。」


(ふぅー)


◇◇◇◇◇◇◇◇

(誰かにつけられてるな…)


買い物に行く道中での事。


(この魔力操作、中々の手練れだな…)


◇◇◇◇◇◇◇◇

「やぁ、久しぶりだね!」

買い物をしているとリュウ率いる【深海の明星】の遭遇した。


「どうも~」

(ま~た、ダルいの来たー!!!撤退。撤退。撤退っ!!)


「お前も買い物か?」

リュウの幼馴染のリックが声をかけてきた。


「まぁ、そんな感じ…」


「こんな所で会うなんて奇遇だね。」

リュウ。


「確かに奇遇だな。天下のお貴族様が我々の様な、ど底辺平民が利用する場所になんか居るわけ無いですからね?♪」

皮肉を言うアルベール。


「ハハハ。その、ど底辺平民の暮らしを自ら進んで理解しより良い暮らしが出来ないかと調査も兼ねてるんだよ。正に、貴族の鏡だろ?」

皮肉を煽りで返すリュウ。


「で、何かわかったのか?調査結果は?」


「お鍋にもおでんにも白滝は必須だね。」


「あっそ。んで俺に用があったんじゃないの?そっちのアンタの従者が後をつけてきたみたいだけど?」アルベールはリュウの従者アーシャを見ながら言った。


「ッ…」

驚くアーシャ。


「ハハハ。これまた1本。ね、言っただろ?アルベールは凄いって。俺の目に狂いは無いんだよ。いや、ごめん、ごめん。今度の土曜日に【太道の虎】のレインが主催するSランク冒険者の食事会があるんだけど君達も来ないか?」


「行かない。」


「なぜ?」


「俺とシルフィードはSランクだけどルシェラさんはまだだし、そもそも呼ばれてないから。」


「なら、俺が捩じ込んどくよ(笑)」


「いやいや当日行って、お前呼んでねーよ!の雰囲気になるのが目に見えてるだろ!?」


「アル元気?アル行く?」

リサがアルベールとリュウの会話に割り込んで口を開く。


「行かない。」


「いや行く。絶対行く。」

(この娘は無口と言うか、感情が無いと言うか…難しい娘なんだよな~)


「だから、呼ばれてないから。」


「今、呼んだ。だから、行く。」

(しつこいな…)


「何でそんなに来てほしいの?」


「来て欲しいから。私も知ってた。アルが強い事。」

(しょうがないか…)

「まぁ、どうしても嫌なら仕方ないけど特別ゲストって事でさ、それに俺だってジャバウォックが来るのに行くわけだから、当日は家まで迎えに行くよ。それで俺達と一緒に。でどうかな?」

リュウが畳み掛ける様に口を開く。


「じゃあ、帰ったら相談するよ。それで良い?」


コクン 頷くリサ。


◇◇◇◇◇◇◇◇

「リサ珍しいな、お前があんなに執着するなんて」

兄のリックがリサに問いただす。


「執着なんかしてない。でも、アルは強い。私やりも遥かに。だから深海の明星に誘う。」


「だね。今日の件で3人もわかったと思うけどアルはSランク冒険者の中でも頭2つ3つ抜けてる。下手したらそれ以上かもしれないがな…」

リュウ。


「たぶん、それ以上だよ。」

リサ。

sideノルン

アルベールを追放した【黄金の輝き】は連携面の見直しとアルベール抜きの自分達の実力を図る目的で70Fから攻略を開始した。


◇◇◇◇◇◇◇◇

86Fフロアボス 緑牛


「ファイア・ストーム!!」

自称天才系女子のネルが見かけだけ凄い魔法を放つ。



「私の世界では私が息をするだけで白く、蒼くなるの。」

「氷雪域・展開!」(ひょうせついき・てんかい)

辺り一面に雪が降り、ティラが歩いた所が氷が出来る。氷属性の魔力因子を増やすティラのオリジナル魔法。


「咲き誇れ!【雪月花】」

氷雪域・展開により積もった雪で出来た花が生まれる。

これも氷属性の魔力因子を増やすティラのオリジナル魔法。


「アイス・ブリザード!!」


「アイス・ストーム!!」


「アイス・ジャベリン!!」


次々と大技を繰り出すティラ。


「やった?」

ネル。


「まだだ!」

ノルン。


「ハアァァァァァァ!」

「アイス・ストーム!!」

「アイス・ジャベリン!!」

ティラが続けて魔法を放つ。


(クッ…火力が足りないな…)

「我が心っ!我が刃となれ!!」

「聖騎士!」(ロイヤル・パラディン)

ノルンの体を金色の魔力が包む。


「罪亡き罰が暴君の諸行ならば」


「愛ある罪は聖者の愚行か?」


「悪を切り裂き道標となれ」


「お前の罪を数えろ!!」


「ウオォォォ!!」

(行くぞぉぉ!)


「聖なる十字!」(ホーリー・クロス)

緑牛の足元から光輝く金色の魔力が集まり十字になり緑牛を襲う。


ロムのコメント

・やっぱり華はあるよな!!

・追放されたアルベールの方が強いwww

・華は認めるけどアルベールも華あるよ?

・勇者パーティーが85Fってwww

・アルベール観てコイツら観るとマジで面白い


アルベールが居なくなっても彼等はSランク冒険者。85F緑牛を攻略した。

だが、アルベールが居た時と比べて何十倍もの時間を掛けて……


(問題は火力不足か……)

(このまま、90F以上を目指しても無駄死にするだけだな。)

ノルンは再始動した【黄金の輝き】を冷静に分析していた。

(…アル……)


◇◇◇◇◇◇◇◇

「いやいや、ご苦労様。今回も無事で何よりだよ。」


「ありがとうございます。」


ノルンは本部兼屋敷でスポンサーの貴族を対応していた。


「それで、焦らすわけじゃないんだが、私はやっぱり君達が勇者パーティーであって欲しいんだよ。94F攻略を待ってるよ。」


「えぇ。」


わかってはいた。

スポンサーや視聴者が自分達に何を望んでいるのかを。

でも、同時に今の自分達ではその期待に応えられない事も知っていた。

スポンサー、視聴者からの重圧で1人苦しむノルン。


夜、ベランダに出て心地の良い夜風に当たりながらノルンは色々と考える。


(94Fか……)


(…無理だな……)


(このまま、行ったら犬死にするだけだな…)


◇◇◇◇◇◇◇◇

朝起きたノルンは朝刊に目を向けた。

そこには、

【白龍撃退!!死神アルベール!!】

の見出しが書かれていた。


(70Fで…白龍……が…)


(アルはやっぱり凄いな…)


静寂の部屋の中、新聞をめくる音だけがする部屋でノルンは深く考えていた。



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