少しずつ少しずつ。
「毎度、ありがとうございます!!」
「へ~い。また、来ます。」
ガチャ
アルベールは自分専用のロムを求め、街に繰り出していた。
(折角だから、何処かで昼飯を食べるか!)
(ハンバーガーかラーメンだな~。)
アルクンー
タタタッタタッタタ
後ろから私服姿のルシェラが走ってくる。
「おぉー!ルッシェラさ~ん!お久しぶりです!!」
「うん。久し振り。」
「何してたの?」
「ロム買って、これから飯食べようとしてた所です。」
「それなら、一緒にどう?」
(少しずつ少しずつ。)
(落ち着け私、落ち着け私)
「一緒にですか?別に大丈夫ですよ!
何にしますか?」
「…」
「ルシェラ……さ、ん?」
「あ、あの……そそそれでね……」
「アル……君がもし、良かったら、私の手料理をご馳走しようかな~なんて……」
「…………」
「駄目……かな?」
上目遣いで聞いてくるルシェラ。
(言葉が……出てこないよ……お願いっ!!)
「えっと……嬉しいんですけど、何でまた急に?」
「最近、アル君頑張ってるから……
私も何か出来る事無いかなって」
(押し込め!押し込め!行け行け私ー!!)
「それに、私のアビリティ、知ってるでしょ?
それで、少しでも応援になるかな~って……」
「迷惑じゃ?……」
「全然全然。迷惑なんかじゃないよ!!」
(イケる!イケる! 落城寸前だー!!)
「じゃあ、食べます。ヘヘヘヘッ。
ルシェラさんの手料理、楽しみだな~」
オムライス、ハンバーグ、サラダが並んだ。
(ウマー!!!!! サラダはパリパリ!!
オムライスもハンバーグも最高!!)
(毎日でも、食べたいな♪♪)
夢中で食べていると、ルシェラさんがこっちを見ており目が合う。
目を逸らされる。
「ルシェラさん!!」
「ちょー美味しいです!!」
「本当に?」
「嘘じゃない?」
コクン
ムシャムシャ
「はいっ!本当においひいです。」
ムシャムシャ
「あ、……髪の毛…………」
「あ、ごめんね。ごめんね。」
「全然全然大丈夫で~す。」
(綺麗な髪色だよな~
でも、なんか……縮れてる…………)
アルベールは髪の毛を一点に集中させ動かなくなっていた。
「その…………何か変かな?……」
「あっ!違う違う。
純粋に綺麗だと思ってボッーとしてただけ……」
「深い意味は無いよ!!」
「そう…」
「最近どう?」
「最近ですか?……まぁボチボチですかね?」
「無理してない?」
「無理……ですか?」
「無理は…………しちゃ…いけないんですかね?」
「人間どっかで、踏ん張らないといけない時って来ると思うんですよ。」
「無理をしてでも。」
「……」
無言のルシェラ。
「たぶん、俺は今がそう。まったく1回も望んだ事は無いのに難が去れば次の難。」
「それに今は、昔より自分の弱さを受け入れて泣けるようになったんです。」
「強がって虚勢を張って何処かに自分の心を置き去りにしていた昔よりも、今は心が側に居る感じがして…………」
「少しずつ少しずつ。」
「……」
無言のルシェラ。
「それに、俺は男ですから、多少の無理はしないと。ハハハハハハ」
「あっ!なんかすいません。」
「ううん。」
「そっか。大きくなったね。アル君。」
(空気が重いな…………)
(話題を変えよう。)
「あの、ルシェラさん!工房とかに伝とかってありますか?」
「工房?」
「はい、武器を新調したいのと、【青空の龍】のクロムに武器を作る約束をしたので……」
ギロッ
「クロム?」
一瞬、険しい顔をするルシェラ。
「あぁ、一緒に冒険した女の子 よ・ね?」
「うん。」
「1人、幼馴染で鍛治士の娘がいるわ。
でも、鍛治場を貸して欲しいって事よね……?」
「はい。」
「まぁ、紹介は出来るけどアル君の望み通りに行くかわからないよ?」




