表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された男、最狂にて  作者: 新仁友成
第一部 第2章 滝登り
11/44

居場所

アルベールはPM21:00宿のベッドに仰向けになり自作の呪具を天井に掲げ視点を呪具に集中させていた。



(ふぅー。……今日も疲れたな。

追放されて、しばらくは頭が真っ白で、目の前の事を考えるのに精一杯だった。)


(1日寝て起きて、なんとか吹っ切れ……ないな。心が晴れたわけでもない。)


(街を歩けば、喋った事も無い人達に笑われ蔑まれ…………全員が敵に見えたな……)




(別に慣れてるから、平気だ。うん。慣れてる。慣れてる。)


(………………いや、今は1人だ……強がる必要は無いよ……な……?自分の心に素直になってもいいよな…………)





仰向けになっているあるがの右目から一滴の涙が落ちる。





(また、1人か…………)





アルベールは今日の出来事を思い出していた。

国内トップクラスの冒険者達が自分を高く評価し勧誘してくれた事。





(嬉しかったな…………でもあんな断り方しちゃったら、もう誘ってくれないよな……)




今度は左目から一滴の涙が落ちる。






アルベールは嬉しかった。

結果的に勧誘は全て断ったがアルベールは嬉しかったのだ。













冒険者がロムを使用し配信を行うこの時代、アルベールも勇者パーティーたして抜群の知名度を誇っていた。

だが、華のあるノルンやティラと違いアルベールは常に大量のアンチを抱えていた。


ディフェンダーなのに軽装且つドクロを体のあちこちに装飾。

熱狂的な冒険者ファンの中ではディフェンダーの個とをタンクと呼ぶ。

彼は派手タンク略して派手タンと揶揄されていた。

戦闘が地味だから服を派手にして自己主張しているのだと。



たが、アルベールの戦闘が地味なのは親友であるノルンの存在が大きい。

アルベールは常に彼の御輿を担ぎ上げ、彼が放つ魔法が魔物に触れる瞬間、オリジナル付与魔法で瞬間火力を上げ彼に花を持たせていた。


無論、そんなアルベールをノルンは幾度も「そんな汚れ役をやる必要は無いんだ!!」と異議を唱えていた。


たが、アルベールは

「大丈夫。俺は俺だ。」とその度に言い返していた。

アルベールの御輿効果と元々の顔立ちの良さもありノルン、ティラは国内トップクラスの知名度誇り、貴族から大商会と幅広くスポンサーが集まった。




アルベールは鈍感ではない。

だから【黄金の輝き】の女性陣全員がノルンに気があると察するとそれを邪魔はしなかった。


この時のアルベールは女性陣からどんなに蔑まれてもノルン・レイト・イェガーという冒険者になる前からの無二の親友であり、兄弟分が居た。








が、今は居ない…………


【黄金の輝き】時代は少ししか痛くなかった心の傷も支えがなくなり一気に押し寄せてくる。








泣きたくて泣いたんじゃない……

自然と溢れていた。







ノルンやティラと肩を並べる冒険者達の勧誘。

その冒険者達が自分の事を評価してくれていた事。

居場所を感じた。








でも、断った…………



人が怖いのか……

パーティーが怖いのか……

今回の追放劇の繰り返しが怖いのか……


わからない。



でも、今は1人で居たかった。

今だけは1人で居たかった。


人の気持ちは10通り以上。

自分の想いを全て言語化できる人間的なんてほぼ居ない。というか居ない。

何かに蓋をして目を逸らした物を本当の気持ちの様に話す。あるいはその逆か。





アルベールも1人の人間。

喜怒哀楽が無茶苦茶になって情緒不安定になっていた。


(でも…………悪くないかな……1人も…………)


ニコッと微笑み

寂しさ、悲しさ、不安、怒り、憂鬱などに素直になり自分という居場所をあげ、深い眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ