4.初歩的な推理だよ☆
「とりあえず、あのベンチで落ち着いて話しましょう」
香夜さんは、<亜夜さんのそっくりさん>を先に座らせました。
「わたくしは味菜香夜、妹です」
「で、私が姉の亜夜だからアーさん☆」
<亜夜さんのそっくりさん>を挟む形で、ふたりが左右に分かれて座ります。
「で、香夜ちゃんのそっくりさんのお名前は?」
「か…寒奈汰世……」
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「双子さんって、何か珍しいよね」
汰世さんは、左右のふたりを見比べました。
「ふたりとも、全く同じ顔だし」」
「何を仰るんですか。珍しさなら、三つ子さんのあなたには敵いません」
「─ え?!」
香夜さんの方に、汰世さんの顔が向きます。
「それ…あたし……まだ言ってない………」
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「私達にそっくりな、おふたりさんを探してるんですよね?」
香夜さんは、右手の人差し指を立てて自分の唇を軽く叩きました。
ベンチの右端で、亜夜さんが香夜さんのマネをします。
「サぁとナぁ、だっけ?」
ふたりの視線を受け、汰世さんは頷きました。
「…うん」
身を乗り出した亜夜さんが、汰世さんに向かって人差し指を振ります。
「つまり汰世ちゃんは、アーさん達と言うか…自分と同じ顔のふたりを捜してる訳だよね?」
「……そう」
汰世さんの左側で、亜夜さんと同じ様に人差し指を動かす香夜さん。
「それってつまり、汰世さんは三つ子さんの おひとりと言う事では?」
「………なるほど」
双子ふたりは、振っていた人差し指を同時に汰世さんに向けました。
「「初歩的な推理だよ、汰世くん☆」」




