5.みおくり。
「えーとぉ」
汰世さんは、ショッピングセンタの通路をワチャワチャ歩く前の4人に声を掛けました。
「ちょっと良い?」
声の方向に振り向く4人。
そこで初めて、いつの間にか汰世さんが、自分達から離れ気味で歩いてた事に気が付きます。
「「「「?」」」」
「もうタぁ、別行動をとっても良い?」
「「「「?!」」」
「だって…周りの人のチラ見が気になるし……」
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「─ 何、言ってるの?」
那世さんは、小首を傾げました。
「そんなの、いつものことじゃん」
隣の亜夜さんが、真似をして自分も小首を傾げます。
「うん。全く同じ容姿の女の子が5人がワチャワチャしてれば、アーさんだってチラ見する」
並んで小首を傾げるふたりに、汰世さんは唇を尖らせました。
「でも、今日のは何かいつものと違う感じなの!」
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「えーとぉ、姉様?」
右手を伸ばす香夜さん。
その人差し指を背後から、小首を傾げる亜夜さんの右頬に当てます。
「でも、そうかもですよ??」
「???」
「だって、今のわたくし達って 特殊な集団ですし」
「─ もしかして、5人中4人がお揃いの服なのに ひとりだけそうじゃな違和感?」
「はい」
「所謂、<悪目立ち>ってやつかぁ」
「ですねぇ」
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「じゃあ、たァはこっちに行くね」
手を振って、汰世さんを見送る4人。
横目で那世さんが、右隣の紗世さんを見ます。
「…」
「何ですか?」
「……さっき、僕の様子を伺ってたよね??」
「はい」
「………なんで???」
「また汰世さんに、意地悪を言うようなら止めようと思ってました」
「…………は?!」
手を振り止めた亜夜さんは、その右手を隣の那世さんの肩に置きました。
「だって僕ちゃん、『別行動なんかな絶対に駄目!』とかゴネかねないじゃん」
香夜さんがいそいそと、自分の右腕を亜夜さんの左腕に絡めます。
「はい。わたくしも それを心配してました」
3人の顔を順番に確認した後、那世さんは頬を膨らませました。
「亜夜っちと香夜っちと佐世っちは一体、僕の事をどんな人間だと思ってる訳?」
「汰世ちゃんに対しては…」
「─ いじめっ子?」
「── ですよね??」
自分に集まる6つの視線の圧で、那世さんの頬が萎まります。
「─── 猛省します。ごめんなさい」
--- End of the Episode ---




