4.ごにんで?
「あ☆」
何故か、エスカレーター方向が気になった香夜さん。
自分のいる階に上がってきた、見知った顔に手を振りました。
「姉様♪」
手を振り返しながら、4人に合流しようしていた汰世さんの足が止まります。
「…ねえ」
「「「「なーにー」」」」
「……どうして、4人はお揃いなの?」
「「「「「何で、ひとりだけ違う服なの??」」」」
「………ほえ?!」
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「汰世ちゃーん」
亜夜さんは、自分の両手を腰に当てました。
「ここは空気を読んで、同じ服を着ないとだよ?」
その隣に並ぶ那世さん。
真似をして、同じ様な姿勢で構えます。
「そうだよ。汰世っち」
「だってタぁは、その服持ってないし」
「でもそれは、言い訳にならない」
「え?!」
「なんと佐世っちは、同じ服をついさっき買いました☆」
「…うそぉ」
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「サぁ?」
汰世さんの視線が、紗世さんに移動します。
「ホントに!?」
「まあ── ついさっき買ったと言うのは、嘘ではないですね」
那世さんは、得意げに胸を張りました。
「ほら」
その背中を香夜さんが、右手の人差し指で突付きます。
「えーとぉ、那世姉様」
「何?」
「もう、この辺でお止めになった方が宜しいのでは??」
「???」
「このままだと── 大惨事になりますよ????」
指摘されてた那世さんは、汰世さんが涙目寸前な事に気が付きました。
「ごめん。僕が調子に乗りすぎました!」
「。。。」
「だから汰世っち、ここで号泣するのは止めて!?」
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「…ならぁ」
両側から腕を絡められた汰世さん、左の香夜さんの顔を見ます。
「意図した<お揃い>は、アぁとカぁだけじゃん」
「はい」
右側で腕を絡めていた紗世さんは、軽く頷きました。
「ですね。私も那世さんも、この服を着ていたのは たまたまですから」
3人の後を歩いていた那世さんが、右の人差し指で汰世さんの背中を突付きます。
「どうせなら、この奇跡な偶然なお揃いを拡大しない?」
「タぁにもサぁみたいに、いま直ぐ同じ服を買えって言ってる?」
「制服以外での、5人のお揃いって貴重じゃん!」
「ナぁがお金を出してくれるなら、買ってもいいけど?? だってタぁ、デート貧乏だし♪」
「…ノロケ? それとも自慢??」
「今のナぁは、タぁからのこれぐらいの反撃は 甘受すべき♪♪」
「……う゛」




