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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
2.ガールズ・ミーツ・ガールズ

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6/18

1.お花を摘みに。


「…このお花って、今の季節のだっけ?」


 訪れたショッピングセンター。


 足を踏み入れた入口の先で目にあったのは、広い通路でした。


 そこの花壇を見て、亜夜さんが呟きます。


「……室内だと咲くのかな??」


 通路の真ん中を、花壇はずっと奥まで長く続いていました。


 香夜さんは、手前から奥まで一通り眺めます。


「亜夜姉様、これは造花な気がします」


「そうなの?」


「ディスプレイのコンセプトが、『四季のお花が一堂に!』みたいな感じなのかもですね」


 少し先の花壇に、香夜さんは人差し指を向けました。


「ほら、あそこを見てください」


「なるほど。いくら室内でも、流石に春に夏ひまわりは咲かないか☆」


----------


「か、香夜ちゃん!」


 ショッピングセンターの3階通路。


 亜夜さんがいきなり立ち止まります。


「アーさんは、お花を摘みに行きたい!!」


 数歩先で歩みを止める香夜さん。


「亜夜姉様。 先ほども言いましたが、1階の花壇のお花は多分造花ですよ?」


「…香夜ちゃん」


「あと、勝手に取るのは倫理的にどうかと思います」


「……香夜ちゃん??」


 振り返った香夜さんは、双子の姉に近づきました。


「はい、冗談です」


「………香夜ちゃん!?」


「確かに美味しかったですが、亜夜姉様。フードコートで、あんな大容量なジュース2杯は飲み過ぎです」


 香夜さんは右の人差し指を、少し先に見える通路脇のベンチの方に伸ばします。


「わたくしは、あそこで待ってますから」


----------


「…ねえ」


 ベンチの向かう香夜さんの左腕を、亜夜さんは後ろから引きました。


「ところでアーさんは、どっちに行けば良いの!」


 香夜さんの目が、通路上の案内を捜します。 


「トイレは── この通路の奥にあるみたいですね」


「わかった!!」


 自分の行くべき方向を把握し、若干の小走でそちらに向かう亜夜さん。


 その背中を香夜さんは、軽く手を振って見送りました。

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