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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
8.にあわナイ

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7.写真!


「うーん」


 ベットに座っている那世さんは、右手をあげました。


 立てた人差し指で、空中に円を描く動作をしてみます。


「その場でクルッと回ってみて?」


 指示に従った動きをする亜夜さんの顔が、微妙に歪みました。


(那世ちゃんは─ 何度アーさんを回らせたら── 気が済む訳?)


「うーん」


 またまた、腕組みをする那世さん。


 唸る姿を見下ろしながら、亜夜さんは思います。


(…実は、沙世ちゃんと汰世ちゃんが嫌がるのって この<しつこさ>が原因?)


----------


「こうやって、じっくり眺めるとぉ」


 何度も「その場でクルッと回ってみて?」を繰り返した後。


 那世さんは、満足そうに口を緩めました。


「僕の選択は、間違ってない気がする。この服、可愛いじゃん☆」


 体力を使わされた亜夜さんの口から、荒くなる寸前の息が漏れます。


「あ、 那世ちゃんには…に、似合うと思う……」


----------


「じゃあ亜夜っち…」


 いつの間にか那世さんは、スマホを手にしていました。


「はい。可愛いお顔して☆」


 亜夜さんが顔をしかめます。


「那世ちゃん。何をするつもり?」


「着られた状態のおべべを、写真に撮る♪」


「アーさん、自分が不本意な服を着てる姿を写真に残して欲しくないんだけど?」


----------


「アーさんが帰ってから、自分で着て──」


 亜夜さんは、指を姿見に向けました。


「それに写った、那世ちゃんの姿を撮影すればいいじゃん」


「姿見自撮り写真だと、どうやってもスマホが映り込むしぃ」


 ベットから、那世さんが立ち上がります。


「せっかく撮るなら、キチンとした写真が良き♪」


「じゃ、じゃあ…アーさんが撮影してあげよう」


「─ そのために、今から着替えるの面倒だよね?」


 自分の顔の前で、両手を合わせる那世さん。


 <お願い>のジェスチャーのまま、半歩踏み出します。


「ね、亜夜っち? おーねーがーいー」


「でも、写真に残るのは、アーさんじゃん」


「だ・い・じょ・う・ぶ。だって僕達は、見た目は同一人物だし☆」


----------


「はい。亜夜っち」


 スマホを構えた那世さんは、7回目のポーズ要求をしました。


「可愛いお顔して☆」


─ カシャ ─


 最後のシャッター音を発したスマホが、ベットに座る那世さんの右脇に置かれます。


 それを確認した亜夜さんは、体から力を抜きました。


「那世ちゃん?」


「何??」


「この服を着て、外出するつもり???」


「当然。だって、こんなに可愛い服だし」


「アーさん的には…自分がこう言う感じの服を着たと……世間に思われたくないんだけど………」


「でも、着て歩くのは僕だから♪」

 

 自分の座っている場所の左隣を、那世さんが手で叩きます。


 気付いた亜夜さんは、ベットに腰を下ろしました。


「見分けられな人には、着てるのが アーさんか那世ちゃんか判らないよね?」


「大丈夫。大概の人は『お。<五つ子の誰か>が、可愛い服着てる!」って思うだけだって」


「、、、」

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