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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
8.にあわナイ

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6.お気持ちな問題


「まあ、今回は<埋め合わせ>だから あれだとしても…」


 準備された服を着終わった亜夜さんは、姿見の前に立ちました。


「別にアーさんにこんな事させなくても寒奈家には、那世ちゃんのそっくりさんが ふたりもいるじゃん」


 ベットに腰掛けていた那世さんが、唇を尖らせます。


「沙世っちと汰世っちには頼みたくない」


 全身の様子を確認していた鏡から、亜夜さんは目を離しました。


「…何で?」


「だって、あのふたりの『なんで、こんな服買ったの?』オーラを見たくないし」


----------


 ふと何を思い付いた亜夜さんの視線が、室内を彷徨います。


「あれ、クローゼットだよね?」


 頷く那世さん。


 何歩かで部屋を横切った亜世さんは、指を扉の取っ手に向けました。


 目が合った那世さんが、ひと呼吸おいて頷きます。


「じゃあ、開けちゃうね☆」


----------


「こっちが、お揃い服のゾーン?」


 背後に近づく気配を感じながら、亜世さんは呟きました。


「じゃあこっちが、自分ひとり用の服達だね」


 右隣で頷く那世さん。


 亜世さんは、その顔を横目で見ます。


「この2つ、随分イメージが違う服だねぇ」


「─ お揃いで用だと、僕の意見はあまり聞いてもらえない」


「まあ、そうかもだね」


 那世さんは、頬を膨らませました。


「── 僕のセンスが悪いって、言いたいのかな?」


----------


「そうじゃなくてぇ」


 亜世さんの右手の人差し指が、自分が着ている服に向けられます。


「例えばこの服なら、那世ちゃんには似合うかもだけど、アーさんには似合わない感じな服だって事」


「…僕と亜夜っち、同じ容姿じゃん」


 答えを待つ那世さん。


 言葉を探していた亜夜さんは、頭を軽く左に傾けました。 


「まあ── <お気持ちな問題>かもね」


----------


「例えばぁ」


 亜夜さんの右手の人差し指が、自分の鼻の頭を突付き始めます。


「うちの香夜ちゃんの選ぶ服、那世ちゃんはどう思う?」


 左隣の動きが目に入ったた那世さん。


 自分も真似をすべく、鼻の頭に右手の人差し指の先を当てました。


「可愛いとは思うけど、着たくないかな」


「何で?」


「…香夜っちには似合うと思うけど、僕には可愛すぎる」


「そう言う事☆」


「……なるほど」

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