4.着てもらいます
「ここが、僕の部屋☆」
那世さんは、右手でドアを開けました。
脇に退きながら、空いている左手で入室を促します。
「どうぞ♪」
部屋に入る亜夜さん。
好奇心で視線が、室内のあちこちに移動します。
「で、汰世ちゃんは── アーさんに何をさせるつもりなの?」
後から入室した那世さんは、後手でドアを締めました。
「ベットの上見て」
「…新しい服?」
「今から亜夜っちには、その服を着てもらいます」
「……これを、アーさんに着せてどうするの??」
「その姿を、じっくり鑑賞── と言うか、確認させてもらう」
「………は?!」
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「聞いても良い?」
亜世さんが、那世さんの方に振り返ります。
「それに── 何の意味があるの?」
「その服が、僕に似合うかどうかの確認??」
「えーとぉ…那世ちゃん……」
右手の人差し指を伸ばす亜世さん
その先を、ドアの横に置かれているものに向けました。
「─ そこにあるのは、何?」
特に見る素振りも見せず、那世さんが答えます。
「姿見」
「自分で着て、それの前に立って確認すれば良くないかな??」
「でも、この子は信用できないし」
「は?!」
「試着してみた時には、いい感じの服だったの! でも、この子に映すと、何かが違う!?」
那世さんが、唇を尖らせます。
「だって店の鏡では、物凄く似合って見えたんだよ?」
「まあ…だから買ったんだろうけど……」
「と言うことは、<この姿見の鏡像>だけが悪い可能性が、あると思わない!?」
「………」




