表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
8.にあわナイ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/62

1.可愛くないですか?


「この服、どうですかぁ?」


 いつもの、地元なショッピング。


 お気にな店で、ピンときた服を試着した香夜さん。


 問いかけの声と同時に、試着室のカーテンを開けます。


「可愛くないですか♪」


 外で待っていた亜夜さん。


 よりよく見るために、半歩ほど後ろに下がります。


「うん。似合うと思う」


「姉様も着てみますか?」


 香夜さんは、さして広くもない試着室でくるりと回って見せました。


 後ろ姿を確認しながら、亜夜さんが呟きます。


「アーさんは良いかな」


「何でですかぁ」


「だって、着たらどうなるか。今の亜夜ちゃんの姿を見れば判るし?」


「まあ見た目は、そうですけどぉ」


 体を正面に向けた香夜さんは、まったく同じ容姿の双子の姉に顔をしかめてみせます。


「実際に着ないと、着心地とかは判りませんよ?」


「ほら、その服は──」


 亜夜さんは、伸ばした右手の人差し指で自分の頬を突付きました。


「…アーさんには似合わないと思うし」


----------


「ね、え、さ、ま!?」


 思わず香夜さんは、試着室から踏み出すギリギリの位置にまで踏み出だします。


「さっき、わたくしには 似合うって言ってくれましたよね?」


「うん」


「あれは、嘘ですか??」


「─ そんな訳ないじゃん」


 香夜さんが試着室から落ちないか心配になって、反射的に両腕を伸ばす亜夜さん。


 その左右の手のひらに、香夜さんが自分の両手を合わせます。


「私達、双子ですよ? それもまったく同じ容姿です!」


「知ってる。当事者だし」


「じゃあ、わたくしに似合う服は、亜夜姉様にも似合うに決まってるじゃないですか!!」


----------


「見た目だけなら、そうかもなんだけどぉ」


 亜夜さんは、自分の両腕に少し力を入れました。


 それで香夜さんに、試着室から落ちない位置まで移動するように促します。


「─ 気分的な問題?」


 腕を押された意味に気付いた香夜さんは、すこし後ろに下がりました。


「??」


「その服を着ているアーさんは、アーさん的にはありえないかなって」


「似合うのにですか!?」


「だって、アーさんのキャラに合わないし」


 小首を傾げる香夜さん。


 真似をして、亜夜さんは同じ様に首を傾げてみせました。


「ちょっと、アーさんには可愛すぎない?」


「え?!」


「まあ、香夜ちゃんのキャラには合うと思うんだけど、アーさんのキャラには合ってないよね??」


「…そ……そんなことは………」


「ほら。言いよどむ程度には、そう思ってるじゃん」


「そ、そんな事はありません!」 


 慌てた香夜さんは、またまた試着室から落ちそうな勢いで踏み出しそうになります。


 気付いた亜夜さんは、手でそれを押し留めるジェスチャーをしました。


「だからアーさんは、着たくないかな。それを着た自分を想像すると、頭にノイズが走るし☆」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ