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6.名前…
「じゃあ、こうしよう」
<じゃんけん>の勝利に満足した亜夜さん。
それを誇るべく、自分の腰に両手を当てて胸を張って見せました。
「合言葉を決める」
「…は?!」
「お互い、デートでの入れ替わり対策があった方が安心でしょ?」
「……なんか君、面白がってない??」
「うん☆」
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「例えばぁ──」
亜夜さんが自分の頬を、右手の人差し指で突き始めます。
「毎回、般若心経でも唱えてみる?」
「会う度にボクは、お経を唱える訳??」
「まあ、合言葉には長すぎるかぁ」
「…それは問題だけど、問題はそこじゃないからね???」
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「…そう言う諸々は、追々考えるとして」
腕を組んだ男の子は、背中をベンチの背もたれに付けました。
「もっと、大きな問題があるよね?」
「??」
「ボク、君の名前を教えてもらってないんだけど?」
「確かに言ってないか。アーさんも、ボク君の名前を聞いてないし」
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「アーさんは味菜亜夜。高校生」
亜夜さんが男の子のマネをして、背中をベンチの背もたれに付けて腕を組みます。
「で、ボク君のお名前は?」
「佐志周世。因みに大学生」
「え゛。ボク君は年上なの?!」
「…まあね」




