5.心配…
「でも…ボク君はさぁ……」
亜夜さんは伸ばした右手の人差し指を、男の子に向けました。
「アーさんの達<五つ子>の容姿が── 好みなんだよね?」
「目移りの心配?」
男の子が、両膝に手を置く姿勢から体を起こします。
「大丈夫。多分それはあり得ないから」
「なんで、そう言い切れる訳?」
「だって、同じ容姿なんでしょ??」
左手の人差し指を伸ばした男の子は、亜夜さんに向けて差し返しました。
「なら、あっちの方が可愛いとか綺麗だとかいうのは、理屈としてありえないよね?」
「まあ…理屈としては、そうかもだけど」
「そうなると決め手がキャラになる訳だし。 他の4人が、君ほどに面白い人だとは思えない」
「えーとぉ。それは、褒めてるのかな? 貶してるのかな??」
「当然、褒めてます☆」
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「でもボク君…アーさん私達を、ちゃんと見分けられる?」
亜夜さんは、伸ばしていた人差し指に続いて中指を伸ばしました。
「うちの<五つ子>、本当にそっくりなんだからね?? それこそ、当の<五つ子>どうしでも、間違えそうになるぐらいに!」
<チョキ>が亜夜さんの手に出来たのに気付いた男の子は、上げていた左手を握って<グー>にします。
「まあ、会話を始めれば、嫌でも判るとは思うけど」
「…嫌でも?」
男の子が左手で作った<グー>に対抗して、亜夜さんは右手を<パー>の形にしました。
「そんなにアーさんが、特異なキャラだって言いたいのかな? ボク君は??」
結果的に<じゃんけん>の負けた男の子。
それを認めるべく、手を上げて降参のジェスチャーをします。
「─ だって、事実じゃん」




