6.探しているのは?
(名前は2つに絞れた!)
放課後。
<あの子>へ告白すべく陸木は、中庭の<五つ子のたまり場>に向かった。
(つまり、確率は1/2だ。こうなったら── 当たって砕けよう!)
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「佐世さんって、どの人?」
尋ねた陸木に、ベンチに並んで座っていたふたりが手を上げる。
「「はーい」」
「なんで、ふたり?」
「こっちは、亜夜っち。本物は僕でーす」
「<僕っ娘>の君は、那世さんだよね?」
「へ?!」
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自分を騙そうとしたふたりの、テーブルを挟んだ反対側。
陸木の視線は、そちらの3人に移動した。
「で…誰が佐世さん?」
「わ、私ですが?」
立ち上がった女の子に陸木は、右手を上げて謝罪のジェスチャーをした。
「ごめん、僕が用事があるのは君じゃないみたいだ」
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「まずは──」
亜夜が立ち上がる。
「…ここに座ろうか?」
促された那世も、腰を浮かす。
「アーさん達は、検察席に移るね☆」
ふたりは連れ立って、今まで自分たちが居た反対側、3人が座るベンチの後ろに移動した。
空いたベンチに陸木が腰を下ろす。
「実は僕、何故か 君たちの中のひとりだけは見分けが付く。で、それで その子が好きになったんだ」
その言葉に、目を見開く<五つ子>。
5人それぞれが、お互いの顔を確認し合う。
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「だけど──」
場が落ち着いたのを見計らって、陸木は話を再開した。
「…5人のうちの どの名前の子なのかが 判らなかった。で、なんとか名前を確認しようとした結果、候補は佐世と汰世までは絞れたんだ」
腰を浮かした佐世が、テーブルに身を乗り出す。
「私が名前を呼ばれたのは、その確認作業ですか?」
陸木は頭を下げた。
「ごめん」
謝られた佐世は、表情に困りながら口を開く。
「じゃあ…本当に、あなたが探していた人は……」
「3人の真ん中。君の左隣に座ってる子」
陸木の言葉を合図に、一点に集る5人の視線。
その対象が自分だと気が付いた汰世の口から、奇声が漏れる。
「…ほえぇ」




