3.告白?
(よし。)
ある朝。
目を開けた陸木は、枕に頭を付けたままで決意した。
(告白しよう。<あの子>に!)
布団を右手で跳ね除け、上半身を起こす。
ベットを降りるべく伸ばす右脚。
足の裏に床の感触を感じた瞬間、陸木は固まった。
(名前が判らない相手に…告白?)
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(五つ子の<あの子>は…)
朝食の食卓。
陸木は、母親が置いた皿に右手を伸ばした。
(─ 当然、その中の双子か三つ子の何れかのひとりだ。)
手に取ったトーストを、一口かじる。
(双子と三つ子の苗字と名前は判る。が…その中の、どの氏名が<あの子>のなのかが判らない……)
咀嚼しながら、テーブルのコーヒカップの位置を確認した。
(告白を<あの子>OKしてくれたとして── その後で「ところで君って、名前は何ていうの?」と聞くのは、余りに間抜け過ぎないか?)
口の中のトーストを飲み込みながら、その持ち手に右手を伸ばす。
(で、「この人、名前も知らない相手に告白したの?」と<あの子>に呆れられた挙げ句、「やはりお付き合い出来ません」と 一大決心した告白が無惨に終わったら、余りに無惨だよな??)
唇に近づけたカップから、陸木はコーヒーを一口すすった。
(うん。やはり告白する前に、どうにかして<あの子>の名前を確認すべきだ!)




