8.わたくしだって…
「佐世ちゃーん」
翌日の放課後の学校の中庭。
所要で、少し来るのが遅れた亜夜さん。
若干の小走りで、<いつものあそこ>に駆け寄ります。
「昨日、ふーちゃんから電話があってね」
ベンチの背後に回り込んで、佐世さんの背後に立つ亜夜さん。
その両手を、目の前の肩に置きます。
「それが、佐世ちゃん宛だったの」
「?」
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「次回の──」
亜夜さんは、佐世さんの肩を揉み始めました。
「お茶会の、お誘いなんだけどね」
「早速のお誘い。嬉しいです」
手を止めた亜夜さん。
佐世さんの顔を、右側から覗き込みます。
「気を使って…無理してたりしてない?」
「まさかぁ」
自分の様子を伺う亜夜さんに、佐世さんは目を向けました。
「だってこの前のお茶会、本当に楽しかったですし♪」
「そっかぁ。なら、良いんだけどね☆」
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下校を促す放送が、校内に流れる時間。
<いつものあそこ>でワチャワチャしていた5人も、帰り支度を始めます。
正面のベンチ席から立ち上がる佐世さんを目で追いながら、亜夜さんはぼそっと呟きました。
「ふーちゃん、余っ程気に入ったんだね」
隣で、まさに腰を浮かそうとしていた香夜さんの動作が止まります。
「…佐世姉様が、ですか」
「うん。だって、早速の2回目のお誘いだよ?」
「……」
「もうアーさん達、<おねぃさまのお茶会>には呼ばれないかもだねぇ」
「………」
「うん、香夜ちゃん。そんな目でアーさんを見ないで? 冗談に決まってるじゃん!?」
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─ その日の帰宅後 ─
「…スマホの電源が入ってて、良かったです」
「おお。香夜ちゃん!」
「文夏お姉様?」
「<おねぃさま>は嬉しい。 直に電話を貰うの、何か久しぶり」
「もう、わたくしは いらない子ですか??」
「ぬ!?」
「この前はたまたま、どうしても外せない先の約束が会っただけですから!」
「も、もしかして── 次のお茶会に佐世ちゃんを誘った件かな?」
「わたくしだって、お姉様とお茶したいです!!」
「じゃあ…香夜ちゃんも一緒に……」
「それは、駄目です。」
「─ ぬ?」
「だって、<ふたりきり>を楽しみにしている佐世姉様に悪いですし!」
「──」
「あと…わたくしも、文夏お姉様と<ふたりきり>が良いなーって」
「可愛い事を言ってくれるなぁ、香夜ちゃんは♡ なら次回は、是非ともそうする♪」
「はい。約束ですよ☆」




