3.お揃い。
「─ 問題ありです」
亜夜さんに向かって香夜さんは、右手の人差し指を伸ばしました。
「── このワンピースは、何だと思います?」
香夜さんの指先が、亜夜さんの鼻先に触れます。
「これは昨晩…今日のふたりのお出かけにふさわしい服として、厳選した服なんですよ?」
「うん。小一時間、悩んだよね」
「なのにどうして── わたくしだけワンピースなんですか??」
唇を尖らせる香夜さん。
「亜夜姉様が制服だと、<お揃い>のお出かけじゃ なくなりますよね!?」
「…どうして香夜ちゃんは……<お揃い>に拘るかな」
「それは、わたくし達が双子だからです!」
「・・・」
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「少しだけ、待っててください── 」
香夜さんは、ドアに向かって歩き出しました。
「…わたくし、直ぐに制服に着替えてきます」
追いついた亜夜さんが、香夜さんの左腕を引っ張ります。
「なんでー 香夜ちゃんのワンピース姿、可愛いのにぃ」
「でも、わたくしがこれだと…お揃いじゃなくなりますから……」
立ち止まっても自分の方を向かない双子の妹の背中を、亜夜さんは右手の人差しで突付きました。
「実はぁ、アーさんが制服を着てるのを見てぇ、香夜ちゃんも着たくなっちゃった?」
「…」
「でしょ??」
「……それもあります」
「そっかぁ。わかったぁ。じゃあ待ってる☆」




