4.─ どうしよう
「香夜ちゃん…」
電話の直後。
亜夜さんは、ノックの反応もまたず双子の妹の部屋のドアを開けました。
「─ どうしよう」
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「今…ふみちゃんからアーさんに電話があってねぇ……」
事情を説明し始める亜夜さん。
ベットに座る、香夜さんの隣に腰を下ろします。
「─ で、折り返し電話したんだけど」
「『電源が入っていないか…』って言われたんですね?」
「── そう」
香夜さんは栞を挟んだ読みかけの本を、自分の膝の上の置きました。
「文夏お姉様、自分に用がない時はスマホの電源を切っちゃいますからねぇ」
「携帯電話の意味、ないじゃん」
「プライベートタイムに、仕事の連絡を一切受けない意思表示らしいですが」
亜夜さんは右手の人差し指で、自分の頬を突付きます。
「固定電話も…ずっと留守電のままだし……」
「イタ電対策らしいですよ?」
「留守電にして、ベルが鳴らない設定かぁ」
「そう、おっしゃってました」
「メールは、いつ見るのか判らないしぃ」
頬を突くのを止めた亜夜さんは、同じ指で自分の唇の右端を摘みました。
「…連絡、取りようがないじゃん」
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「うーん」
右手の人差し指で、自分の下唇の端を摘んだままの亜夜さん。
言葉に合わせて、唇を指で引っ張り始めます。
「ど、う、し、よ、う」
香夜さんは、天井に向けていた視線を亜夜さんに移動しました。
「姉様?」
「な、に??」
「こう言うのはどうでしょう???」
下唇を引っ張る亜夜さんの手を、香夜さんが止めます。
「お茶会に、代理を立てるんです♪」




