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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
5.<おねぃさま>な<おねぃさん>

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24/62

1.アタシを忘れちゃった?


「ひさしぶり♪」


 いつもの待ち合わせ場所の駅前のからくり時計の前。


 そこに立っていた佐世さんは、見知らぬ女性に声を掛けられました。


「─ 何で、無反応?」


 相手は、如何にもな<おねぃさん>。


 残念ながら、佐世さんの知り合いではありません。


「で、あなたは亜夜ちゃん? それとも香夜ちゃん??」


 <おねぃさん>が口にした名前。


 それは、容姿が佐世さんにそっくりな双子の名前です。


(この人、私を あのふたりのどちらかと勘違いしてる?)


----------


「ぬ?」


 <おねぃさん>は、両手を腰に当てました。


「何で無言?? まさか、アタシを忘れちゃったとか???」


 不機嫌そうに唇を歪めます。


「そんな、事ありえないよね!?」


 早く、自分が双子のどちらかではない事を説明したい佐世さん


 しかし、その隙が見つかりません。


 視線を上げた<おねぃさん>が、天に呟きます。


「そりゃ最近のアタシは…確かに仕事が多忙だった……」


 次第に弱くなる<おねぃさん>の声。


 今こそ声を発するタイミングと思い、佐世さんは口を開きかけました。


 その機会は、<おねぃさん>の言葉に潰されます。


「だから双子ちゃんとのお茶会はご無沙汰かもだけど、今年の正月には、お年玉だってあげたじゃん!」


----------


「あ、あのぉ」


 <おねぃさん>は、明らかに言い訳を待つモード。


 その機会を捉えた佐世さんが、やっと第一声を発します。


「ご、ごめんなさい。私…亜夜さんでも香夜さんでもありません」


 何回かパクパクと口を動かした<おねぃさん>は、右手の人差し指で自分の鼻の頭を掻きました。


「ぬ。何かアタシ── いつの間にか、双子ちゃんに他人のフリをされる程に嫌われちゃってるじゃん」


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