4.クダラナイ事
(さてとぉ…)
まず私は、ここにいないふたりを確定する事にする。
(多分、香夜さんと佐世さんはいない筈)
なにせあのふたりは、私に対して こんな<クダラナイ事>はしない。
が、それが行われていると言う事は…
(今ここにいるのは、亜夜ちんか汰世ちゃんか那世だね)
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「まずは──」
テーブルに近づいた私は、そこに右手を置く。
その両側のベンチの一方に、ひとりで座る人物を見た。
「…そこでキョドってるのが汰世ちゃん」
指摘された人物が、私から目を逸らす。
「え、えーとぉ」
「ホント汰世ちゃんは、こう言うの苦手っ子だねぇ」
「アぁ、ナぁごめん。タぁは もぉ無理ぃ」
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(…あとは、ふたりだね)
つまり、残りは亜夜ちんか那世。
あの子を炙り出すなら、これかな。
「実は、うちのお兄ちゃんの最新な写真があるんだよねぇ」
ベンチに、ふたりで並んで座っていた一方が立ち上がる。
「え!? あのイケメンなメガネ男子のイトコさん? 見せて!?」
「はい。あなたが亜夜ちん」
「うん、アーさんがアーさん」
亜夜ちんは、私に向かって手を伸ばした。
「さすが桔葉ちゃんだって認める。だから見せて♪」
私は、制服のポケットに手を伸ばす。
「いい加減に亜夜ちんは── 那世のこう言う<クダラナイ事>への協力は止めるべき」
取り出したスマホを操作して、目的の写真を探す私。
その様子を、亜夜ちんが注視しする。
「だって那世ちゃんが、『このままだと私達5人は、桔葉に負けたままだよ!?』ってうるさいし?」
「、、、」
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「じゃあ…」
自分のスマホにお目当ての写真の転送を確認した亜夜ちんは、向かいの席にアイコンタクト。
「邪魔者は、他の場所に移動しようか?」
気付いた汰世ちゃんが頷く。
「あァ、あそこのベンチで良い?」
「良いよー」
立ち上がる亜夜ちんと汰世ちゃん。
この場から離れるべ動き出した。
「「後は、おふたりで ごゆっくり☆」」
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「…寒奈那世さん?」
場所が空いたので、私はベンチの正面席に座る。
テーブルの向こうで那世は、視線を泳がせた。
「わ、わたくし香夜ですわ」
「…あの子は、こう言う<クダラナイ事>はしない」
「じゃあ── さ、佐世です」
「……あの子も し、な、い」
腰を浮かせる私。
顔を、那世に近づける。
「で、あなたは誰?」
「な、那世です」
「だよね」
私は、右腕を動かした。
伸ばした人差し指の腹で、那世の鼻の頭を押す。
「あと、自分が誰かを『じゃあ』で決めないでくれる?」
「う。」




