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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
3.ね、え、さ、ま?!

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18/31

5.…実はですねぇ


「前から気になっていたんだけどぉ」


 強く何回かストローを吸っても、中身が出てこない感じの那世姉様。


 もう空なのか確認するように、カップを蓋の部分を凝視します。


「何で香夜っちは…」


 当然ですが、容器全体が透明でないカップをいくら睨んでも、中身は見えません。


 那世姉様は、手に持っているカップを大きく数回振りました。


「─ 僕ら全員を<姉様呼び>なの?」


 汰世姉様がそれに気が付き、真似しようと決意したようです。


 先に飲み終え、テーブルに放置していた自分のカップに手を伸ばしました。


「うん。それはタぁも思ってた」


----------


「まあ、佐世っちは三つ子の長女だから姉様かもだけど」


 振っても、満足する手応えがなかったらしい那世姉様。


 口惜しそうに、目前からカップを降ろします。


「汰世っちは次女だから、香夜っちと同格だし」


 那世姉様は最初、カップを自分の前に置こうとしました。


「僕なんか、三女の末っ子だよ?」


 が、既に中身が空な事を思い出したのかテーブルの脇に追いやります。


「そもそも、誕生日的には香夜っちの方が年上だし??」


 ふたりの視線を受ける、わたくし。


 カップから伸びるストローから、口を離します。


「戸籍上の年齢なんか、気にしたら駄目ですよ?」


 持っていたカップを、わたくしはテーブルに降ろしました。


「だってぇ…」


 空いた右手の人差し指を、自分の顔に向けます。


「ほら。わたくしの精神年齢って、姉様方よりも下じゃないですか☆」」


----------


「そんな事、ないと思うけど」


 腕を組む那世姉様。


 当然の様に、汰世姉様がその真似をします。


「うん。しっかりものなカぁは、タぁたち五つ子の長女か次女だよね」


「そう言う基準なら── 汰世っちが1番年下?」


 軽く、表情を歪める汰世姉様。


 わたくしの「また涙目になったらどうしよう!?」の心配を裏切って、あっさりと那世姉様の言葉を肯定します。


「…かも」


----------


「実はですねぇ…」


 目の前のテーブルに置いた、カップから伸びるストローを指で弄ぶわたくし。


 頭の奥にあるものを、言語化します。


「わたくしって、亜夜姉様を亜夜姉様って呼んでますよね?」


 「「うん」」


 頷いたふたりに、わたくしは言葉を続けました。


「だから条件反射と言うか── 同じ顔の皆さんも、同じ様に<姉様呼び>しないと落ち着かないんです」


 汰世姉様と那世姉様が声を合わせます。


「「…パブロフってるんだね」」


 すかさずわたくしは、左右の手を握った形で胸の高さまで上げました。


 手の甲が見える様に角度を付けて、犬の前足を真似ます。


「ワン☆」



--- End of the Episode ---

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