8.各個撃破♪
「今日アーさんたちは、目出度くも後天的な五つ子になった訳だから── 」
亜夜さんが、右手の人差し指を立てて自分の唇を軽く叩きます。
「…そのメリットを活かそうか?」
真似ていた亜夜さんは、自分の唇を叩く指を止めました。
「??」
やはり真似していた汰世さん。
唇を叩くのを止た指を、亜夜さんの方に向けます。
「あ。『民主主義だから、多数派でタぁ達の<正論>を聞けー!』って言うんだ」
「正解☆」
「確かに、<破壊力って何?>派が3人になったもんね」
「そう♪」
那世さんは、右の人差し指の腹を自分の鼻先に当てました。
「でも僕たちは── 2対1で勝ててないよ?」
----------
「だから…」
鼻先を、当てていた指で軽く突付き始める那世さん。
「─ 3対2でも、勝てる気がしない」
那世さんを真似て、指を自分の鼻に当ていた亜夜さん。
さっそく、その動作も真似ます。
「じゃあ、各個撃破しよう♪」
「え?!」
「まずは、佐世ちゃん攻略だね☆」
----------
「長女な佐世ちゃんは── 」
亜夜さんは、自分の鼻の先を突付いていた指を止めました。
「同じ三つ子の妹なふたりだから、上手くあしらえてると思うんだよねぇ」
やはりふたりの真似をして、自分の鼻の先を指で突付いていた汰世さん。
その指を、亜夜さんに向けます。
「…よそ様の双子なアぁに<正論>を言われたら、タぁ達が相手の時みたいには押し切れない?」
「た・ぶ・ん♪」
続いて那世さんも、自分の指を亜夜さんに向けました。
「香夜っちも同じ理屈で、他家の三つ子な僕と汰世っちの<正論>は無下にはできない??」
「佐世ちゃんを撃破した後で香夜ちゃんに当たれば、<破壊力>派と<破壊力って何?>派の戦力比は4対1だし☆」
----------
「でも──」
汰世さんは、自分の頬を右の人差し指で突付き始めました。
「…全く眼鏡を掛けてあげないのは、カぁとサぁが可哀想かも」
那世さんも、汰世さんを真似て自分の頬を指で突付き始めます。
「うーん」
ふたりの真似をして自分の頬を突付いていた亜夜さんは、指を止めました。
「じゃあ。『入学式までは付き合うけど、普通の学生生活では伊達眼鏡なんかしないからね!?』と言うのはどう?」
自分の頬を突付いていた、汰世さんと那世さんの指も止まります。
「─ それぐらいの妥協は」
「── 仕方ないかぁ」
----------
「…佐世姉様」
「……香夜さん」
各個撃破された香夜さんと佐世さん。
ハグし合ってお互いを慰めます。
亜夜さんと汰世さんと那世さんは、ハイタッチで勝利を祝いました。
「「「やったね☆」」」」
--- End of the Episode ---




