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双子と三つ子の五つ子な日々♪  作者: 紀之介
2.ガールズ・ミーツ・ガールズ

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12/16

7.同志!


「このショッピングセンターって、屋上に庭園があるんですね」


 通路横の案内板の前で、香夜さんが立ち止まります。


 その背後で、佐世さんが呟きます。


「そこって、ベンチとかありますかね?」


「…どうでしょう」


 少し離れた場所に、しゃがみ込む那世さん。


「さすがの僕も── 少し疲れたぁ」


 真似して、亜夜さんがその横にしゃがみます。


「アーさんも、それに同意」


 汰世さんは、後ろから佐世さんに抱き付きました。


「…タぁも座りたい」


 惨状な背後に、香夜さんが振り返ります。


「じゃあ皆さん、屋上に行きましょう」


----------


「三つ子さんって…」


 屋上庭園のベンチ。


 香夜さんの口が、隣に座る佐世さんの右耳に近づきます。


「─ 本当は目、お悪くないですよね?」


「この眼鏡の事です??」


「はい」


 佐世さんは右の人差し指を、自分の眼鏡のフレームに当てました。


「それを言ったら、双子さんだって伊達眼鏡ですよね???」


 少し離れた場所を見る香夜さん。


 そこでは、疲れてる割には元気良く、亜夜さんが汰世さんにじゃれていました。


「弥月学院の制服は── 姉様が眼鏡を掛けると、より破壊力が高くなるんです」


 佐世さんの顔が、香夜さんに近づきます。


「解ります」


「…!」


「私もそう思って、汰世さんと那世さんに眼鏡を掛けさせてますから♪」


 立ち上がって向き合ったふたりは、お互いをハグしあいました。


「お会いできて嬉しいです!」


「 同志!!」


----------


「あのふたり…何をしてるんだか……」


 那世さんが、亜夜さんをくすぐる手を止めます。


 それに気が付いて、同じ方向を見る亜夜さん。


「どうも感極まって、抱き合ってる感じだけど」


「何を── 意気投合したんだろうねぇ」


 自分の右頬を亜夜さんが掻きます。


「佐世ちゃん、大丈夫かなぁ。うちの香夜ちゃん、ちょっと変だから」


 すかさずその真似をして、那世さんも自分の頬を掻きました。


「うちの佐世っちも、少しおかしいよ?」


「─ そうなの??」


 亜夜さんと那世さんが、顔を見合わせます。


「そのふたりが意気投合って──」


「…僕、怖いんだけど」


----------


「ホントは僕── 目なんか悪くないんだよ?」


 那世さんは、眼鏡を外して亜夜さんの前に差し出しました。


「でも佐世っちが『制服の破壊力が上がるんです!』とか言う理由で、掛けろってうるさいの」


 亜夜さんも、那世さんと同じ様に眼鏡を外して見せます。


「アーさんも同じ様な事を香夜ちゃんに言われて、この伊達眼鏡を掛けてる」


 すこし離れたベンチに座って、ふたりのじゃれ合いから逃げていた汰世さん。


 それが終わった感じなので、自分も眼鏡を外しながら会話に加わります。


「はい! タぁも、サぁに言われたから仕方なく眼鏡を掛けてる人!!」


----------


「大体…」


 亜夜さんは、顔を寄せる様にふたりに手招きしました。


「─ 制服の破壊力って、何?」


 手招きに応じて、亜夜さんに顔を近づける那世さん。


「あのふたりにしか解らない、何か」


 汰世さんも、ふたりに顔を近づけました


「タぁ、眼鏡ってあんまり好きじゃない」


「そんなの、アーさんだって。だって面倒くさいし?」


「うん。僕も、出来れば掛けたくないかも」


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