6.分裂!?
「─ やっとみつけた」
上りのエスカレータから降りるや否や、目指す人物に向かって早足で歩き出す那世さん。
その後に、佐世さんが続きます。
「── 汰世さん。迷子になる才能がある人は、ひとりでウロウロしないでください」
ふたりに気付いて、目指す人物の前に立つ2つの背中が振り返りました。
同じ制服姿で、同じ顔で同じ眼鏡を掛けた自分達と同じ容姿な3人が、那世さんと佐世さんに向き合います。
「え゛、汰世っち?!」
「ど、…どうして、3人に分裂してるんですか!?」」
驚きで足が止まるふたり。
それに気がついた汰世さんは、自分の方から駆け寄ります。
「サぁ、ナぁ」
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「アーさんは、双子の姉で味菜亜夜」」
「わたくしは、妹の香夜です」
「私は寒奈佐世。三つ子の長女です」
「タぁさんは、次女で汰世」
「で、僕が三女の那世」
双子と三つ子が、互いに自己紹介した後。
腕組みした那世さんが、双子ふたりに挟まれて立つ汰世さんの顔を見比べます。
「しかし双子さん。ホント汰世っちとそっくりだね」
真似して腕を組む亜夜さん。
その視線は、自分の妹の顔から佐世さんと那世さんの顔に移動しました。
「それを言うなら、佐世ちゃんも那世ちゃんも、香夜ちゃんにそっくりだから☆」
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「三つ子さんは…」
手すりに手をおいた香夜さんは、ショッピングセンターの吹き抜けに設置されたからくり時計を見下ろしました。
「─ この後、どうされます?」
香夜さんの左右から、汰世さんと佐世さんが同じ様に時計を眺めます。
「別れ難いですわねぇ」
「でもぉ…このセンターも、見て回りたいしぃ……」
3人の後ろで、亜夜さんは呟きました。
「5人で回ればいいじゃん♪」
亜夜さんに、那世さんが軽くグータッチします。
「それ、名案♫」
時間になり、時報代わりに始まる からくり時計のギミックショー。
それが終わったタイミングで、背後でじゃれ始めたふたりに向かって3人が振り返ります。
「「「さんせー☆」」」




