1.似合ってない?
「亜夜姉様、おまたせしました」
ふたりでショッピングセンターにお出かけする日の午後。
身支度を整え終えた双子の妹、香夜さんは居間のドアを開けました。
(私の方が…先でしたか……)
ソワソワを抑えるように、ソファーに腰を下ろします。
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「おまたせぇ」
声とともに、再度開くドア。
香夜さんの目は、居間に入ってきた亜夜さんの顔から その服装に移動します。
「ね、姉様?」
「ん??」
「な、何で その姿なんですか!?」
ソファーから腰を浮かす香夜さん。
その動きに、亜夜さんは声を震わせました。
「え?! この制服、アーさんに似合ってない?」
亜夜さんの顔に、泣き出す数歩手前な表情が浮かびます。
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「そんな訳、ないじゃないですか!」
急いで駆け寄りった香夜さんは、亜夜さん両手を握りました。
「姉様が着て、一番可愛い制服の高校を選んだんですよ?」
「…」
「だから、その学校の制服が、亜夜姉様に似合わない訳がありません!」
「─ ほんとに?」
うつむいていた亜夜さんが顔を上げます。
「本当です!」
断言する香夜さん。
破顔した亜夜さんは、双子の妹に抱きつきました。
「だよね☆」




