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第1章 第2話 魔族大戦開幕!

混血種(ハーフ)って色々大変だよな。人の部分より魔族の部分が強くて抑えるのも一苦労だ」

「やめっ、ぁっ、あっ」


「にもかかわらずメリットなんてたいしてない。まぁ火吹けたり他人にとりついたりはできるけど日常生活に使い道なんてないしな。サキュバスもできることと言えば他人の夢に入ったり魅了の力が使えるくらいか。アスモデウスの場合普通に魔力が強くて闇のエネルギーを操ったりもできるけど、やっぱり使い道は限られる」

「ほんとに……だめ……っ、やっ、あぁっ」


「俺ってほんとは結構おしゃべりなんだよ。でもテンション上がると魔族の力が強くなってどうにもな……。まぁアスモデウスは代々色欲を司る割に奥手だからそこまで心配はしてないけど、下手に暴走したら学校中自主規制(ピーーー)だらけだ。だからここは楽でいいな。夢の中なら、何をしても問題ない。お前以外はな」

「もう……げんかい……っ、ん……くぅぅぅ……っ」



 俺が生み出した闇の触手に弱点の尻尾を絡み取られ悶える蓮湯さん。現実では決してできないが、夢の中ならアスモデウスの本能に従える。おかげで蓮湯さんは自主規制(ピーーー)自主規制(ピーーー)して自主規制(ピーーー)だ。自主規制(ピーーー)が過ぎると言ってもいいだろう。



「はぁ……っ、はぁ……っ」



 ベッドの上でうつ伏せに倒れ痙攣していた蓮湯さんが顔を上げる。敵意に満ちた瞳だ。今にも襲い掛かってきそうな空気を感じる。まぁ目以外は蕩けていてまったく怖くないが……尻尾の先端が光った!?



魅了(チャーム)っ!」

「っ」



 光を感じた瞬間、それは光線になって俺の身体へと迫ってきた。すんでのところで闇のエネルギーを盾にすることで防げたが、盾を解いて視界に映った蓮湯さんの顔は笑っていた。



「防いだ……防ぎましたね……?」

「今の食らったらお前の虜になるだろ。弱点を弄られててよく放てたもんだ」


「くふふ……。語るに落ちましたね、せんぱっ、あっ。それってつまり、いくら私の上位互換と言えども食らえばタダじゃすまな……っ、ってことですよ……んんっ」

「まぁ……そうだな」



 いくら大魔王の血を引いているとはいえ、半分は人間。むしろ魔族の力が強い分、蓮湯さんよりも魔力耐性は低いだろう。自分自身の力を抑えるのに精一杯で、他に気を回している余裕はないからだ。



「今日のところは負けを認めてあげます……。ですが覚えておいてください……! 必ず私があなたを魅了して! わからせてやります……! いくら大魔王とはいえ所詮は陰キャ! とってもかわいいわたしに勝てるはずがないと!」



 顔を真っ赤にして涎を垂れ流す蓮湯さんがそれでも強気に宣戦布告すると、彼女の身体が徐々に薄くなっていく。撤退するつもりか。まぁそれでもいいが……。



「今日は負けたんだろ? だったら罰は与えないとな」

「っ!?」



 消えゆく彼女の下腹部に、ピンク色の紋章が刻まれる。これは契約。勝者が敗者へと刻み込む絶対の証だ。



「とりあえず今夜だけ。お前の他人の夢に入り込む能力は封印させてもらう。つまり今夜は男から精力を奪うことはできない」

「ちょっ……!? そんなことされたら……サキュバスの力が暴走して頭がおかしく……!」


「だからだろ。宣戦布告してきた相手に情けなんてかけるかよ」

「そんな……そんなぁ……っ」



 さっきの強気はどこへやら。すっかり涙目になった蓮湯さんだが、撤退は撤回できない。



「これで勝ったと思わないでくださいねっ! 絶対に! 絶対にわからせてやるんだからーっ!」



 辛うじて発した負け惜しみを最後に蓮湯さんの身体が完全に消えてなくなる。どうやら面倒な奴に絡まれることになったようだが……。



「少しは楽しめそうだな」



 俺の身体に半分潜む色欲の大魔王の血が騒いでいた。

今回でプロローグは終了になります。今作は苦手なファンタジー要素を付け足すことにより、その部分に触れたくないあまりシリアス方面に向かわないギミックを搭載しております。なので私の過去作品にありがちなとってもとっても暗くなる展開はまずないでしょう。安心してお楽しみください。


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