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怖い話

作者: 大村 仁

一筋縄ではいかない怖い話。

こんなにひねくれている私だもの。

どんな話か、読んでみてのお楽しみ。

くるくる回る風車。うまく回ると楽しい。見ていると、素敵な気持ちになる。

だけど、すぐに空回りする。もう一回、もう一回といいながら、何度も回してみる。だけどうまくいかない。

人生のようだ。

突然、私の後ろから風が吹いた。風車が回った。けれども「カラカラ」と、変な音がした。友人から聞いた怖い話を思い出した。

今から始まるよ。後ろから声がした。


「何をもぐもぐしているの?」

「聞こえない。」

誰かのお母さんが、食事中に話している。子どもに注意しているのかと思っていた。後ろを振り向くと、マスクをして話していた。レストランの中では、大きな声で話さないと聞こえない。今は、不安になる。この話を聞いていると、寒気がする。

今は、外での食事は、気軽に会話も楽しめないのかと思った。


外を歩いていると、暑くなってきた。冷たいものが飲みたくなって、コンビニへ入っていった。退職した私の父と同じように見える年齢の男性が、制服を着て、働いていた。年のせいか、暑さのせいか、わからない。何だかボーッとしている。他の店員よりもテンポが遅れているような気がした。

 レジに並んでいた。私が、もう少し早く、結婚していたら、こんな息子がいてもおかしくない。コンピューターの画面を見ているのかもしれない。色白で、猫背の若い男性が前に並んでいた。

「こちらです。」

私の息子に見える男性は、コンビニの店員の声に従って、レジの前へ行った。

私の父と同じ年齢に見える男性が、

「なにかようかい。ここのか、とおか。」


時間が止まっている。

(注訳:何か用かい、九日、十日、というのですが、暑さのせいか、

何か用かい、という言葉をなにか妖怪に置き換えたようです。)


「はぁ。」

私の息子倉荷に見える男性は、けげんな顔をして、

「あたためて下さい。」

持ってきた弁当を指差した。

私の父と同じ年齢に見える男性は、あわてて、レンジの目盛りを合わせていた。

私の息子くらいに見える男性は、たぶん、ギャグが分かっていない。

いくら私でもこのギャグを突然、聞いたら、わからない。かたまってしまうだろう。

古すぎる。

「おどろき、もものき、さんしょのき」

この言葉に似たテレビ番組があったことを思い出した。

私の息子に見える男性の年代には、通じない。

恐ろしい体験をしてしまった。


私は、無事にレジを済ませて、ルンルン気分でコンビニを出た。飲み物のついでにアイスも買っちゃった。早く、会社に行って、食べよう。早歩きして、汗をかいたけれど、大丈夫。アイスがあるから。

会社についた私は、ニコニコしながら、アイスを開けた。アイスがない。私の顔は曇っていた。知らない間に、ジュースへと変わっていたアイスは机の上に流れていった。短い間だから大丈夫だと思っていたのに。日本の夏の暑さは、怖い。

机をふくのに時間がかかって、結局、残業しないといけなくなった。

ぞぞっつ。

背中にエアコンの冷気があったった。


まあ、とにかく、今日は、このくらいの恐怖で済んだ。世界中で起こったことと比べれば、

平和な一日だった。

明日は、怖いことが起こりませんように。

私は、両手を合わせて祈った。


似ているような状況に陥ったとしても

この物語はフィクションです。

くだらない。と思った方は一言お願いいたします。

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