彼女との出会い
Seen:ゼロ
-彼女との出会い-
僕はまだ知識もなにもない子供だ。12歳までは学校に通っていたんだ。
普通の子供たちと変わらない生活。
僕が自由でいられる最後の時間だろう。
何がきっかけとかはわからない。
いつの間にか側に彼女がいたんだ。
名前は"アイ"と言っていた。
彼女の特徴は顔が小さく大きなブラウンの色をした瞳、綺麗なロングヘアーがよく似合う小柄な少女、ただそれだけだった。
そして彼女はおしゃべりなんだ。
よく自分の事を話してくれる。
一般家庭で育ち家族3人で生活していると。
楽しかった事や悲しかったこと、彼女は僕になんでも話してくれた。
あの時僕はひねくれていたんだ。誰とも関わりたくなかったんだ。
誰も好きではないし興味もなかったんだ。
一人でいたい時とか誰でもあるだろう?
だから彼女の話をただずっと聞いていただけだったんだ。
でも彼女はいつも僕の側にいてくれて笑顔で話してくれる。
こんな僕を不愉快じゃなかっただろうか
不思議だったんだ。ずっと…
なぜ彼女と話すとみんな笑顔になるのだろうか。
彼女の声質や話し方。おっとりした雰囲気にどこか心地よさを感じていた。
そんな彼女を何年見ていただろうか。
僕は12歳になるとみんなの前から姿を消したんだ。
この時ほんの少しこんな僕でも寂しく思ったんだ。
君を見れないことや、外に出れないこと、そして自由がないということ。
黙っていなくなった事を君は怒るだろうか?
今でもそうだが感情や言葉で伝えるのは苦手なんだよ。
今だから言える僕の秘密の気持ちだ。