自己紹介してないのにいきなり始まる
少しでも多くの方に読んで頂ければ幸いです。
【第1話】
これが俺の家族。
現在日本は異世界へと繋がる亀裂が丁度俺の部屋の壁に開かれている。
いやはやどうしたものかと思い寝起きの頭を働かせ取り敢えず外へ出る為仮面を被った。
役所に相談し現場(俺の家)に連れてくと、政府が軍隊よこしてきやがったのだ、流石に近所迷惑なので引き取って頂いたが問題が発生した。
「ヒャッハー!ここが魔界かぁ!てめぇら魔族共をぶっ殺しに来てやったぜぇ⇗⇗!!!!」
切れ目からぬっとヤバい奴が出てきたという…いやマジやばいから、総理大臣のボディーガードさん達が総出で掛かっても全員ヒャッハーに喉掻っ切られて逝っちゃってるし、あーぁカーペットが汚れちまったなぁ…血って確か特殊な液体に漬けなきゃ落ちないんだったけ?
こういう時こそググる先生だな。
「君っ!呑気にスマホをいじってる場合か!早く逃げなさい!ココは大臣である私がっ」
いや無理でしょ…ボディーガード並のムキムキのオッサンならまだしも、俺より背が低いヒョロ爺にヒャッハー相手は無理ゲーだぞオイ。
バァァアンッ!
「騒々しいわね!!!!静かにしたらどうなの!!!!」
ご登場使わりまするわ俺の母、美人でも無ければブスでも無い。
ふっつー過ぎて笑えるくらいの平凡顔、まぁそんな事言ったら5回死んでまうけどな。
「かーちゃん、ノックくらいはしようぜ」
ヒャッハーも大臣もビックらこいてやがるしってあれ?俺の部屋のドア壊れてね?縦真っ二つに。
oh......
「それよりアンタ、買い物行ってきてくんない?味醂と砂糖が切れてるのよ」
「えぇ…またぁ?とーちゃんは?」
「稼いできてるわよ、馬とパチで」
まーじかぃ、ねーちゃん…は合コン行ってるしなぁ〜めんどくせェなァ!
「奥さん!それどころではないんですよ!今イカれた男が亀裂から出てきて!」
「んはい、味醂と砂糖!俺の金で買ったんだから貸ひとつだよ?」
「はいはい、ありがとね」
おわかりいただけただろうか。
いやわかんないよね、うん、だからこれから説明するよ?
我が家系は代々未知なる力を授かるのだ、1人に大体2~3の能力が備わっている、終。
え?適当?うるさい。
んま、ぶっちゃけるとね。
「超能力ファミリーズへようこそ異世界人」
ー
「ただいまぁー」
「おかえりー、合コンどうだった?」
「結構良い奴いたよー?私の事女だと思ってるから本番が楽しみだよ〜」
ねーちゃんの能力は容姿変換と性別変換の二つ、毎度男漁りして逆に犯すっていう趣味を持つ変人…いや変態。
ねーちゃんが生まれた時は無性だったらしいけど女性バージョンが多いからねーちゃんって読んでる、機嫌が悪い時と生理中以外は。
ん?容姿?んっとなー…可愛い系女子と目つき悪い系ヤンキーな、ちなみに男化するとガタイも凄くなる。
ちなみにねーちゃんは美人女優のあらゆるパーツをコピーして自分のモノにしているからそれを生かした職業がモデル、それなりにいい金額が入ってくる。
「..............」
ふと…ねーちゃんの背後に大きな影が忍び寄る。
「あれ?とーちゃんと一緒に来たの?」
父だった。
「そう、途中で会ったの」
「……………ん」
父、口数は少なく表情筋崩壊の細目…って言うか閉じてる。
子供の頃は怖いとか怒ってるのかとか考えたりした時期もあったけど、案外父は分かりやすかった。
何ていうの?雰囲気?オーラ的な?
「あらアナタお帰りなさい、今日はどのくらい稼いできたの?」
「…………………」
「1000万強?凄いじゃない」
父は一般人なのににラッキーメンだ、それに本人は喋ってすらいないのに母は手に取る様に会話が成立する。
俺はまだその域には達して居ない。
「今日の夕ご飯は人肉の肉じゃがよ」
「亀裂から出てきたんだ、確か名前は…………ヒャッハーかな?」
「それ名前じゃないwww」
そういや名前聞かずに殺したからな、ちなみに犯罪では無いよ?大臣も言ってたし正当防衛だ、そして亀裂の件は政府から丸投げされたのであった。
「犯人はお前か!弟よ!」
「つーか俺しか居ないよね?この家で殺害に適した能力持ってるの俺しかいないってわかって言ってるよね?」
「確か空間操作と精神操作と…なんだっけ」
わざとらし
「物質操作な」
「今回はどんな感じで殺したの?」
殺人鬼みたいな言い方すな。
「溺死」
「溺死好きだねぇ〜?」
汚れないし水を肺に入れるだけだしね。
「.............」
父がカバンから二通の手紙を俺に出してテーブルに置いた、いつもの仕事の依頼でしょうね。
大体想像ついてるかと思いますが(え、ついてない?)、俺の職業アサシンな訳よ、カッコよくね?
ニート?ンなわけねーよ!仕事の依頼は月に一度有るか無いかだが今月は依頼二通。
その以来の値段も高額、以前に騙されちゃって金を渡さなかった上に俺を殺そうとした連中も居たけど…幸い組を根絶やしにしたからか、今はタダ働きの依頼は無くなった。
「つーかさ、とーちゃんは何処から依頼されんの?謎なんだけど」
「.................」
「実家から?あそっか、とーちゃん極道の家系だったもんね…色んなところに繋がってるか」
「.................ん」
インターホンが鳴り、一番玄関に近かった父が出向いた。
帰って来た父は大きな箱を2つ持ち床に置いた、宛先は政府のヒャッハーに殺されたボディーガード達からだった。
「お母さん…また人を生き返させたの?大問題になるって言ってるのに〜」
「仕方ないじゃなーい、食料は1つで十分よ」
かーちゃんの能力は人食記憶、生物蘇生、霊魂採取。
実はこの霊魂採取、使うと自動的に生物蘇生が発動してしまい対象を蘇らせるがゾンビ状態、かーちゃんの命令しか聞かずやけに強い
生物蘇生のみを使う場合は何不自由は無い。
この中で一番怖い能力を持っているのはかーちゃんだ、なので怒らせるのは絶対避けなければならない。
拷問されて死んでもまた生き返るからな。
「アナタは豚肉でイイわよね、人肉食べれないでしょ?」
「んっ……!」
父は激しく頭を縦に振った、人肉はなかなか美味いのに勿体無い。
(暗殺業で死体をいつも持ち帰っている)
「かーちゃん記憶見せてくんない?亀裂の中の情報が欲しい」
「え、なにそれ?私も!」
「はいはい、手を出して」
かーちゃんは人の肉を食べることでその人の死ぬまでの記憶を見ることが出来、更に手を繋ぐことで他の対象にも見せることが出来る、ただし1回限りである。
(現に母は今さっき人肉じゃがを味見した)
「アナタは留守番ね、耐えられないと思うから…すぐ戻ってくるわ」
普通の一般人には脳への負担が大き過ぎてショートしてしまう可能性がある。
「……………気を付けて…」
「ええ、気を付けるわ」
やめてくれよ…そーゆーのは外でやれ。
「よし…行くわよ」
手に意識を集中し目を瞑る、頭に流れてくるのはヒャッハーの1番忘れられない記憶。
映し出されたのは血にまみれた地面に一体の怪物、コイツは俺のゲーム内に必ず出てくるドラゴンじゃねーの?見た目からするとドロドロとした赤い液体が体から出て来てるからブラッディドラゴンって所かな。
おっと…もう時間か、記憶が見れるのは長くて数分だが今回は数秒だった…が、貴重な情報が得られた、今度亀裂の中に入ってみようか。
「駄目よ」
「…まだ何も言ってない」
「アンタの考える事なんて分かりきってるのよ、亀裂の中に行くなら家族で行くわよ」
「本当!?やったー!」
「えぇー…まぁ、俺料理出来ないし…口下手だし…アンラッキーメンだし…はぁ〜自分で言って悲しくなってきた」
向こうへ行く時に料理出来ないと生きてけないし、多少の交渉術も必要になるだろうし…運が無いと入ってすぐ死んでるだろうし。
あれ?俺の存在理由…
「そんな事よりも食べる時は仮面を外しなさい、約束したでしょう?」
あそだった。
「忘れてた」
俺は仮面を外す、この仮面を付けるのには二つの理由がある。
1つ、暗殺業で顔が割れることは死ぬ事を表す
2つ目は意外な理由。
「ねぇお母さん、コレ本当に私の弟なの?」
「何度もDNA鑑定したけど…本当よ」
超絶不細工と言う訳では無い、その逆だ。
俺は世にいう超絶美男子と言うやつだ、そのせいでろくな事がない。
2歳、誘拐されそうになり犯人を殺害未遂。
6歳、ストーカされてその人の四肢を切断。
9歳、学校教師に犯されそうになり殺した。
そこから学校をやめて10歳から暗殺業をはじめ仮面をつけるようになった、うちの家系は容姿が似ないこともしばしばあるからしょうがない事なのかもしれないが。
そこはもうとっくの昔に諦めた…
「もう聞き飽きたよ、いただきマース」
うん、やっぱ人肉美味い。
誤字脱字があれば遠慮なく申し立てて下さい、潔く自分の愚かさを受け入れ感謝を捧げます。