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図書館からワンダーランド!?



不思議の国のアリスが大好きな女子大生・伊須間ありすがいろいろとネジが狂った不思議の国にトリップし、この世界の創作者が主催したというアリス探しゲームに巻き込まれて……!?

帽子屋のアリスと名乗る女装男子とともに生き残りサバイバル!




ー不思議の国のアリスの世界が昔から好きだったし、アリスの世界にいきたいと願っていた。



それは母が私にいった言葉がきっかけである。

『ありすの名前はね、お母さんが大好きな不思議の国のアリスからとったのよ』

にこにことして笑う少女趣味の母のことさらお気に入りの絵本。

それが不思議の国のアリスの世界だった。

母が好きだった絵本の世界は趣味が似ている私も好きにならないわけがなく……

気がついたら私もアリスの世界にどっぷりだった。

常に不思議の国のアリスの本を持ち歩き、私服高なのをいいことに、服装も絵本のアリスをイメージして青のエプロンドレスに真っ赤なリボンをつけていた。

影で『伊須間の国のありす』なんていうあだ名めいたものまでつけられていたほど、私はアリスの世界にどっぷりだった。

アリスの世界にどっぷりでなりきって見せても、私がアリスになれるわけではない。

いつも通り図書館でアリスを読み終わり、私はため息をついた。


「あーあ、アリスの世界にいきたいなぁ」


現実ではあり得ない言葉を呟いて本を閉じる。

さて、アリスタイムは終了だ。

家に帰って平凡な伊須間ありすに戻らなければならない。

帰り支度をしている私の手をふと誰かが掴んだ。

とっさのことに驚き、振り返るとそこには……


「探したよ、僕らのアリス。さあ、不思議の国に帰ろうよ」


白のロップイヤーの耳をつけた高校生くらいの白髪・赤目の男の子がいた。

格好はアリスの白ウサギが擬人化したらような衣装を着ていた。

図書館でコスプレの上にこの台詞……これはもしかしなくても……!


「えっと……罰ゲームですか?大変ですね」

「罰ゲーム?何をいってるんだい?アリス。僕は君を導く白ウサギだよ?忘れたのかい?」


忘れたのかい?じゃねえよ!

こんな図書館でコスプレするような人と私は知り合いにもった記憶はないわ!!!

てか、アリスはな、白ウサギが導くんじゃなくて、白ウサギを追いかけるんだよ!!

どうせ白ウサギのコスプレをするのなら、アリスを復習しろ!


……なんて、思いをグッと飲み込んで私はできる限り笑顔を浮かべる。


「えっと、人間違いでは?」

「アリス!そんなこと言わないで!僕だよ?君のカルチェ・レプロットだよ!」


おお、コスプレの完成度が高いと思いきや、名前からして外人さんですか?

人間違いでなければ、どっきりかな?

どこかに隠しカメラでもあるのかな?

そう思い、回りを見渡してみるが、そんなものはどこにも見つからない。

いつもの人が少ない田舎の図書館だ。

……ってことはガチの人間違い?


「ああ、可哀想なアリス……きっと不思議の国に戻ったら記憶を取り戻すよね?」


戸惑う私にお構い無くにカルチェさんは私の手を掴み、どんどんと図書館の奥にいく。

この先は立ち入り禁止スペースのはずだ。

この人、どこに私を連れていくつもりなんだろうか?


「えっと、カルチェさん?どちらに向かうのですか?」

「どちらって?僕らの不思議の国に戻るんだよ?ほうら、目をつぶって!3・2・1で不思議の国に戻るからね」

「え?なにいって……」

「3・2・1!」


カルチェさんがそう唱えた瞬間、図書館の床は無くなり、私はカルチェさんと穴に落ちる。

え?穴?

アリスの世界のウサギ穴の再現までやっちゃってるの?この人!?

図書館の床の修理費ヤバイんじゃない?

そんなことも思いながらも、とりあえず口に出るのは……


「きゃあああああああ!!」


悲鳴である。

そりゃあ、いきなり落ちるんだもの。

悲鳴以外何をあげろと?

思わず目をつぶる。

すると、落ちる感覚がなくなり、いつの間にか草むらの上に私は座っていた。

あれ?夢だったのかな?

辺りを見渡すとどきついピンクの猫が一匹。

おお、チェシャ猫のカラーリングだ。

染料で染めてるのかな?

飼い主はなかなかクレイジーなことで。

チェシャ猫カラーのその猫を見ていると、猫は欠伸をした。

よくみるとこの猫、オッドアイだ。

綺麗だな……


「おやおや、また白ウサギのやつが『アリス代理』を連れてきたか。お嬢さんも可哀想にね」


どきついピンクの猫からめっちゃイケボが流れてきてびびる。

なんだと!?

こんなことあっていいの?


「ね、猫がしゃべった!?」

「猫はしゃべるものだと相場が決まっているだろう。お嬢さん、お名前は?」

「いや、普通の猫はしゃべらないでしょう?」


ここまで流暢に日本語をしゃべる猫がいてたまるか!

そうか、きっとマイクが猫の首輪に仕込まれていて、そこからこのイケボを

が流れる某人をモニターするテレビの動物企画みたいな仕掛けに違いない!

それなら納得いく。

うんうん、落ち着け!私


「あのねえ、俺は君に名前を聞いたのだけど?耳は聞こえてたかい?」

「え?あ、はい。私の名前は伊須間ありすです」

「ああ!だから君を九十九人目の『アリス代理』としてカルチェのやつが連れてきたわけだ」

「アリス代理?」

「ああ、その事はあとで嫌ってほどに他の人から説明を聞くだろうから、俺からは説明しないよ。俺はミャオ。九代目のチェシャ猫をやってるものさ」

「チェシャ猫って世襲制なの?」

「そうとも!」


なんだ?このめちゃくちゃのアリスの世界のどっきりは?

脚本作った人に文句いってやるんだからね!!


「えっと、ミャオさん」

「なにかな?」

「これはどっきりなんですよね?私は次にどちらにいけばいいんです?」

「そりゃあもちろん。帽子屋の家さ!彼にいろいろ教わるといい」

「帽子屋さんに?」

「ああ!彼はこの国を二番目によく知る人物だからね。きっと君の役にたつさ」

「なるほど、帽子屋さんのおうちはどちら?」

「この道をまっすぐさ!どんなバカでも迷わない!迷ったらこのミャオの名を呼びたまえ!」


チェシャ猫もどきはそういって、目を離した隙にどこかにいった。

本当に手がこんだどっきりだな、これ……


「いろいろ順序が飛んだけど、チェシャ猫もどきから帽子屋の家を教えてもらうなんて……アリスの世界みたい」


とりあえず猫がいったようにまっすぐまっすぐ歩くと一軒の家にたどり着く。

ここが帽子屋の家なのだろうか?

笑い声が庭から聞こえてくるので、庭に回って見るとそこには絵本でみたかのようなティーパーティが繰り広げられていた。


「あの、こんにちは。少しいいかしら?」

「おや、お客さんかな?」


女性にしては低めの声にエプロンドレスとミニハット。

肩につく髪と青い瞳。

整った異国風の顔もあいまって、アリスの格好をした私より『アリス』の名が似合う人だった。


「チェシャ猫の紹介できたんですけど……ここが帽子屋さんのおうちであってますか?」

「あってるけどミャオの紹介か……まあ、座りなよ」

「はい」


いわれるがままに席に座ると、紅茶を注がれる。

あの、私……紅茶よりコーヒー派なのですが……


「ミャオに何て言われてきたの?」

「帽子屋の家にいってこの世界のことを聞けと……」

「なるほどね。またやっかい事を押し付けて来やがって……」

「あの、それで帽子屋さんはどちらに?」


私の記憶が間違いではなければ、帽子屋は気が狂っているはずだ。

チェシャ猫は帽子屋に話を聞けといったが、果たしてちゃんと話が通じるかどうか……


「……君のお探しの帽子屋は僕だよ」

「え?あなたはどうみても女性ですよね?」

「ちょっと『お姉さま』との制約があってね。僕は女装しなきゃいけないんだ」

「は、はあ……」


あの、こっちの方向で狂ってるって新解釈ですね!?

本当にこのどっきりの脚本書いた人あとで覚えとけよ!


「そうだ!自己紹介がまだだったね。僕はアリス……帽子屋のアリスだよ」

「は?あなた、男なのにアリスなんですか?」

「帽子屋でアリスの一人二役だからね!」

「それは少々無茶がありすぎなのでは?」


本当になんなんだこれ?

こんな無茶な設定あっていいの?


「それはそうと君の名前は?」

「私はありす。伊須間ありすといいます」


私が名乗るとアリスと名乗った男性は急に真顔になった。

なんだ?これ

なんなの?これ

めっちゃ怖いんですけど?!


「……アリス?君が?僕がアリスなんだ!同じ名前なんて許さない!」


そういって彼は拳銃を持ち出した。

え、ちょ……どういうこと?


「アリス探しゲームルール、『主要人物の名を騙るものは殺されるべき』……残念だったね。君の人生はここで終了だよ」


そういって彼は笑顔で私に拳銃を発砲した。





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