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「わたしがレイヤで」
「ワタシがレイナ」
『よろしくね、ブレイ』
「…特に言うことがないのよねぇ、レイナ?」
「そうなのよねぇ、レイヤ」
『だって、お姉ちゃん達が全部言っちゃうんだもん!』
「わたしたちより先に生まれてるんだから、わたしたちが教えてあげられることを取っちゃったらダメなのに!」
「ワタシたちより先に教えてるんだから、後のワタシたちのことを考えてくれなきゃいけないのに!」
『考えなしにやっちゃうんだもん!』
「セリア姉様はあんなだし」
「シルヴィ姉様はアレク兄様に似ているブレイに暴走気味だから良いとしても」
『なんでグレイ父様までやっちゃうのかしら!』
「グレイ父様のストラーっていう名前の話とか」
「アレク兄様たちの話とか」
『グレイ父様がエッチだって話とか!』
「……」
「……」
『…プ、アハハハハハ』
「なんでグレイ父様は自分でエッチだって言っちゃったのかしらね?」
「言わなければブレイも聞かなかったと思うのにね?」
「わたしたちの父様は頭を使うお仕事をしているという割にはおっちょこちょいなところが多いわよね」
「ワタシたちの父様はお話の中ではかっこいいのに、家ではおバカさんなのよね」
『ミレイア母様はグレイ父様のどこに惹かれたのかしらねぇ?』
「わたしはアレク兄様の方がマシだと思うわ」
「ワタシはシロの方がマシだと思うわ」
「……レイナは年下のあんなに頼りない子が好きなのね? 変わっているわ」
「…あら、そういうレイヤはあんなエッチでおバカな年上が好きなのね? 変なの」
『……』
「レイナ、あなたにはアレク兄様の素敵なところをちゃんと教えてあげる必要がありそうね?」
「レイヤ、あなたの方こそシロの可愛いところをしっかりと教えてあげる必要がありそうね?」
『…そんなの言われなくても十分にわかっているわ!』
「…なんてね」
「ワタシたちは別にシロもアレク兄様もあくまで家族でしかないのよね」
『シルヴィ姉様と違ってね』
「シルヴィ姉様はちょっとおかしいわよね」
「そうね、なんであんなにアレク兄様のことが好きなのかしらね」
「きっと、昔誘拐された時に心が壊れてしまったのね」
「アレク兄様が誘拐犯に洗脳させたのね」
『ああ、何てかわいそうなシルヴィ姉様!』
「そういえばグレイ父様はなんでわたしを次に選んだのかしらね?」
「ワタシたちは一緒に決まっているのにね?」
「朝起きてから夜眠るまで」
「生まれてから死ぬまで」
「結婚相手とかは知らないけれど」
「結婚するかも知らないけれど」
『わたし(ワタシ)たちはいつでも一緒よ!』
「…もちろんイタズラをする時もね?」
「…楽しみは共有するべきよね?」
『2人でなら楽しさも2倍だものね!』
「…もう話すことがないわね」
「グレイ父様たちのせいでないわね」
「次は誰の番かしらね?」
「アレク兄様もソル兄様もルイク兄様もおバカさんだもんね」
「マリーとマークとシロはまだ早いわよね」
「となると、あとはミレイア母様とデリーくらいかしらね」
「…デリーはダメね」
「…探しても見つからないもんね」
『ということはミレイア母様ね!』
「じゃあ次はミレイア母様に渡すわね」
「母様の話は聞かなきゃダメよ?」
『だってミレイア母様の話なんだから!』
「わたしたちからの話はこれで終わりよ」
「ワタシたちが今教えてあげられることはこれで全部よ」
『あなたの優しくて可愛いお姉様たちより』