第5話 降臨せし鳥神
2013年6月19日午後11時4分。東京都江東区内。東京湾に面しているこの深夜のコンテナだらけの港を命からがら全力疾走している1人の高校生がいた。彼の名は小野健太。近くにある区立潮見高等学校に通う高校2年生の少年である。彼は成績はそこそこで運動神経もそこそこ、容姿もそこそこで友達もそこそこいる平凡そのものな高校生だ。そんな彼が何故こんな遅い時間に全力疾走しているのかというと、今まで過ごしてきた平凡でありふれた日常が突然恐ろしい非日常へと変貌してしまったからである。
「ハァ…ハァ…ハァ…!」
彼はサッカー部に所属しており、今日も練習で帰りが遅くなってしまった。家に帰れば温かい食事が、家族が待っている。何気ない1日が終わろうとしていたハズだった。そんな下校途中の彼にある人物が声をかけてきた。ぱっと見、ゆったりとした女物の着物を着た華奢な女性で、腰のあたりで束ねた美しくて艶のある長髪が特徴だ。そんな彼女にいきなり抱き寄せられ、耳元で見た目と全く一致しない男の声でこう囁かれた。
『お前を殺す』
『うわああああああっ‼』
健太は逃げた。必死に逃げた。人ごみを掻き分けて必死に逃げた。健太が向かったのは自宅だった。家族なら自分の事を守ってくれる。そう信じていた。これは悪い夢なんだ、そう言い聞かせて健太は必死に走った。走る事10分、ようやく自分の家に辿り着いた健太。彼の家はマンションの406号室である。鍵を使って中に入るとそこには家族の無残な死体が転がる悍ましい場所となっていた。
『な、何だよ、これ……と、父さん!母さん!佑樹!圭太!な、なんで…なんでこんな事に‼』
小野家は両親と健太、次男で中学2年生の佑樹、三男で小学4年生の圭太の5人家族である。弟の佑樹と圭太は共に地元のサッカーチームで活躍しており、休日は3人で一緒に練習したりと仲睦まじい兄弟だった。両親とも良好な親子関係を築けており、まさに平凡な家庭で過ごして来た。そんな大切な家族が無残な死体となって健太をお出迎えする事になるとは夢にも思わなかっただろう。
『なかなかいい悲鳴だったぞ?』
『お、お前が殺ったのか…?』
『だって、生かしておいたら煩そうだもん。だから殺しちゃった。これは依頼には入ってないんだが、趣味って事で』
『……っ‼』
血の海に沈む家族の無残な死体を見て涙を流し、絶望する健太。ふと振り向くと彼女がいた。ドアを開けっ放しにしたせいか、彼女は勝手に上がり込んで来たのだ。家族を殺した理由はあまりにも自分勝手な理由だった。其の為に幼い命までも無残に奪いさったというのだろうか。その様子を彼女は軽く笑いながら話していた。もはや正気の沙汰ではない。しかも、健太に対して意外な事を言う。
『ほら、逃げないのか?』
『えっ…?』
『逃げないのかって言ってるんだ。簡単に殺しちゃ面白くないもんな。俺から全力で逃げてみろよ』
『…くっ!』
健太は急いで部屋から出て全力で逃げ出した。警察に通報するという手段や友達の家に隠れるという手段もあったが、アイツにかかれば皆殺しにされかねない。そう思うと誰にも頼らずに1人で全力で逃げる事しか出来なかった。そしてかれこれ数時間が経過し、あちこち色んな場所を走りながらこのコンテナだらけの港まで来たのだった。心臓はバクバクで健太の体力と精神は限界を迎えていた。
「ハァ…ハァ…こ、ここまで来れば…!」
「よぉ、鬼ごっこは終わりかぁ?」
「ひっ、ひいっ!」
ようやく奴を撒いたと油断した健太の前に奴が現れた。しかも、左手には長めの日本刀を持って……。自分は汗を大量に流して肩で大きく呼吸する程までに疲労しているのに対し、奴は全く顔色が変わっていないし呼吸も乱れていなかった。むしろ笑みさえ浮かべる余裕があった。健太は逃げようとするが、もはやそんな力は何処にも残っていなかった。
「どうやらもう逃げられないらしいな。じゃあ、そろそろ…」
「まっ、待って!」
「言っておくが、命乞いなら聞かないぞ?お前を殺すのが依頼だからな」
「だ、誰が僕を殺すように頼んだんだよ?」
もはや助からない。そう悟った健太は目の前の殺人鬼に駄目もとで誰が自分を殺すように依頼したのか尋ねてみる。このまま何がどうしてこうなったのかわからないまま死ぬのはゴメンだ。せめて聞ける事は聞いておこうと思ったのだろう。
「それ聞いてどうする?」
「僕はただ知りたいだけさ…!」
「まぁ、いいか。冥土の土産に教えてやる。お前を殺すように頼んだのはお前のサッカー部の先輩・蒲生悟だよ」
「が、蒲生先輩が……どうして⁉」
目の前の殺人鬼は意外にも健太の話にのって“冥土の土産”と称して依頼主の事をペラペラと話し始める。冥土の土産なんて言ったら普通は悪役の死亡フラグとして有名だが、とても目の前の殺人鬼が死ぬような雰囲気にはならなそうである。しかも、依頼主の事を簡単に喋ってしまう。守秘義務とかないのだろうか。殺人鬼が語った真実は健太にとって信じ難い事実だった。
「どうしてって、お前の事が気に入らなかったんだとさ。自分よりちょっとサッカーが出来るからっていつもヘラヘラしてるお前が憎たらしくてしょうがないみたいだそうだ」
「そ、そんな…そんな理由で!」
「誰かを殺したいって気持ちは案外そんな軽いもんでいいんだ。気の毒だったな」
健太を殺すように依頼したのはサッカー部の先輩にあたる蒲生悟だった。健太自身は蒲生の事をサッカー部の先輩として慕っていたのだが、向こうは健太の事を単に生意気な後輩として見ていたようだった。まさか先輩が自分の事を殺すように目の前の殺人鬼に依頼したのかと思うと悔しいし、同時に憎しみも沸々と込み上がってきた。
「……ねぇ、依頼したら誰でも殺してくれるの?」
「まぁ、それなりの報酬を払ってくれればな」
「じゃあ…......蒲生先輩を殺してよ!」
「ほぅ」
健太は決心した。家族を皆殺しにし、今まさに自分を殺そうとしている目の前の殺人鬼も憎いが、こんな事を依頼した蒲生先輩も憎い。今まで必死にサッカー部の一員として頑張ってきたのにその先輩から裏切られ、殺されそうになっている。こんな事になったのは全て蒲生先輩のせいだ。だから、復讐してやりたい。そう思って、健太は目の前の殺人鬼に蒲生先輩を殺すように依頼する。
「ねぇ、出来るの⁉」
「出来るが報酬は?」
「それは………僕の命でいいよ」
「ほぅ、わかった」
健太の依頼を殺人鬼はうっすらと笑みを浮かべてあっさり引き受ける。一応、依頼主にも関わらず殺す事に何の躊躇もないらしい。そして報酬として自分の命を差し出す事にした。どうせ殺される…大好きな家族がいない世界でたった1人寂しく生きていくよりは家族がいるであろう天国に逝ったほうがいいと思ったのだろうか。そんな健太の覚悟を聞き入れた殺人鬼は鞘から日本刀を引き抜き、片手で上段に構える。
「あっ、ああっ…!」
「じゃあ…あの世でな‼」
「がはっ…!」
小野健太、死亡。享年16。健太を日本刀で惨殺した殺人鬼は刀に滴る血を払って鞘に納め、血の海に沈む健太の死体を見下ろす。そして健太のズボンから財布をとって、中身の金を全部引き抜く。中に入っていたのは1万ちょっとしかなかったが、小遣い程度にはなるだろうと自分の財布に引き抜いた金を入れてその場を立ち去る。こうして依頼は終了、実に簡単な依頼だった。
「さてさて、帰ったら一杯やるかな」
「……………」
「安心しろ、すぐに奴も殺してやるからな」
6月23日午後1時17分、東京都千代田区・秋葉原。かつては電気街として知られていたこの街も今ではアニメ・ゲーム・漫画・フィギュア・AVなど二次元に染まった所謂“ヲタクの聖地”と化していた。そんな秋葉原のとある雑居ビルの4階の一室に小野健太を殺害した殺人鬼がリビングのソファーに横になり酔い潰れていた。どうやら昨日の夜はお楽しみだったらしい。着物や長くて美しい髪が乱れて事後みたいになっているが、単に酔い潰れただけである。しかし、そう見られても仕方ないような乱れ方をしていた。そんな一室に薄いピンク色の髪をしたポニーテールのスレンダーなメイドさんが現れた。メイドさんはソファーでぐっすり酔い潰れて眠る殺人鬼を見つけると一声かける。
「……すぅ……すぅ……」
「おはようニャン」
「ん?ああ……恵美か?」
「そう、私よ。彦斎」
「まったく、毎回毎回ちっとも萌えない“おはようニャン”で起こすなって言ってるだろ?」
メイドさんに起こされた着物姿の殺人鬼の名前は河上彦斎。男である。そう、何処からどう見ても着物を着た女性にしか見えないのだが、河上彦斎はれっきとした男性である。とはいえ、元々華奢な体型なのに加えて女顔である為に子供の頃から女の子によく間違えられていたそうな。それがいつの日か常に着物を着て女装するようになり、今に至っている。因みに女装しているとはいえ、彦斎自身は同性愛者というわけではない。あくまでも女装している男性なのである。
「早く着替えたら?」
「言われなくても着替えるさ。今日の出勤は?」
「5時から」
「まだ先なのにもうメイド服かよ…」
そんな彦斎を起こした薄いピンク色の髪をしたポニーテールのメイドさんの名前は天川恵美。この部屋で彦斎と同居しているアルバイトのメイドさんである。170cm近い長身にスレンダーな体型でパッと見、モデルでもやってそうな感じがするが、彼女はメイドカフェでアルバイトをしており、人気No.1らしい。しかし、彦斎にとってはそれが信じられなかった。何せ、いつも無表情で非常に冷淡な声で会話しているのだ。とはいえ仕事の時はちゃんと笑顔と可愛い声でご主人様を出迎えてあげているようだ。スイッチのオンオフがあまりにも極端なだけなのかもしれない。
「お風呂も行って」
「わかったわかった、これから行くんだって」
「彦斎のお風呂は長いから」
「ったく、仕方ねぇだろ?」
そう言って彦斎は浴室に向かうと着ている着物を丁寧に畳み、髪を束ねていた髪留めを外してお風呂に入る。彦斎のお風呂は長い。とにかく長い。大体1時間程度は入っている。ただお風呂に入り、身体を洗うだけなら30分はかからないだろう。しかし、彦斎は丁寧に身体を洗い、ゆっくりとお風呂に浸かり、何より自分の髪を丁寧すぎるくらい丁寧に洗っていた。彦斎にとって長くて艶のある黒髪は何よりの自慢らしく、痛まないように丁寧に洗うようにしていた。やがて1時間後に彦斎はお風呂から上がり、髪をドライヤーで乾かすと用意された着替えの白を基調とした着物を着てリビングに戻る。
「上がったぞ」
「ご飯食べて」
「ご飯?夜でいいだろ、もう2時だし。それに今はそんなに腹は空いてない」
「そう」
彦斎はあまり食事をしない。食が細いとか食欲がないとかではなく、自分のスタイルを維持する為に節制しているのだ。勿論、食べる時はちゃんと食べるのだが、普段は一日一食しか食べない事が多い。そういう普段の努力の積み重ねが今の美貌に繋がっているようだ。因みに食べる事に関しては節制出来るが、飲む事に関してはあまり節制していない。ワインや酒などを飲みすぎるぐらいに嗜んでいるからだ。日本酒や外国の酒、ワインが大好きな彦斎だが、意外にもビールは嫌いらしい。しかし、食事するにしても酒やワインを飲み明かすにしても着物姿のままというのはかなり目立つ。何というかシュールというのか。
「さて、運動がてら散歩するか」
「いってらっしゃい」
「お前も仕事に遅れるなよ?」
「わかってる」
彦斎はビルから出て運動がてら散歩に出かける。秋葉原は今日もいつものように人で賑わっていた。彦斎はこの街・秋葉原を“欲望の街”として愛していた。様々な人々の欲望が他の街以上に感じられるから好きなんだそうで。この秋葉原に住み着いてから早13年が経ち、彦斎にとっては自分の庭と化していた。歩けば今日も可愛いメイド達が客引きをし、ヲタク達がアニメグッズやゲーム、フィギュアを買いに動き回っていた。
「あっ、彦斎さ~ん!ウチに来てくださいよ~!」
「また今度な~」
「彦斎さ~ん、今日は来てくれないんですか~?」
「悪いなぁ、また今度な」
歩けば必ずメイド達から声をかけられる彦斎。あんな格好で秋葉原を歩けば非常に目立ち、声をかけられるのも当然かと思いきや、実はこの秋葉原にあるメイドカフェには殆ど行っており、顔馴染みのメイドもたくさんいるからである。いつもならホイホイと足を運んでいるのだが、今日は昨日飲み過ぎてしまった為に遠慮する事にしていた。因みに彦斎自身は秋葉原に住んでいながらヲタクというわけではないのだが、アニメやゲームは好きなほうである。よくゲーセンに顔を出しては遊んでいるのだ。
「ちょっとやめて下さい!」
「ん?」
「いいじゃんいいじゃん、俺達と遊ぼうぜぇ?」
「こんなとこよりも良いところに行こうって」
ふと彦斎はいかにもチャラチャラしてる若い男達に絡まれている女の子を見かける。その女の子とはこの世に災臨せし魔神“ヴォルケニックス・グランドバアル”こと柳生但馬守宗矩の義理の娘である柳生花梨であった。今日は日曜日なので1人でこの秋葉原に遊びに来たところを運悪く彼らに絡まれてしまったようである。勿論、花梨は彼等を拒絶するのだが、男達はケラケラ笑いながら執拗に絡み続ける。その様子を彦斎は遠巻きから見つめる事にした。
「人、呼びますよ?」
「無駄無駄、どうせここにいる奴等は皆キモいオタクだろ?自分の事で頭一杯の奴らが助けるわけねぇじゃん」
「そうそう、こんなキモくてブサイクな犯罪者予備軍よりも顔がイケてる俺達と遊んだほうがいいに決まってんだよ」
若い男達はまわりの野次馬達を罵り、執拗に花梨を誘おうとする。彼らにとって幸運なのは柳生但馬守宗矩がこの秋葉原にいない事である。彼がいたら、間違いなく彼等はたちまち逃げ出すだろう。しかし、今日は1人で秋葉原に来てしまった為に頼れる人がいない。まわりにいる人々も勇気を出せずにいた。若い男達が野次馬達を罵るが、世間一般のヲタクのイメージなんてそんなものなのだろう。もしかしたら本当にヲタクの事を犯罪者予備軍だと思っている人がいるやもしれない。ヲタクの風当たりは今なお冷たかった。
「ここにいる人達の事を悪く言わないで下さい!」
「はぁ?だってロリコンとかヲタクなんてキモいだけじゃん。そんなんだから彼女も出来ねぇし、童貞のままだし、引きこもりになったり、犯罪者になったりすんだよ。こいつ等は害虫なんだよ。生きてちゃいけねぇ奴等なんだよ。普通の人は皆そう思ってるぜ?」
「お前もそうなりたいわけ?嫌だろ?だったら俺達と一緒に遊ぼうぜ!なぁ‼」
「は、離して!」
「オイ、やめてやれよ」
とうとう我慢できなくなったのか、遂に彦斎がこのいざこざに首を突っ込み出した。最初は適当に成り行きを見守ってやるつもりだったが、だんだん腹がたってきてしょうがなくなり首を突っ込む事にした。彦斎を知る人々は彦斎が出てくるのを見て安堵する。今までにも何度かこうやってトラブルに首を突っ込み、無理やり解決させて来た事があったらしい。流石に公衆の面前で殺したりはしないが、荒っぽい事はやるつもりだ。
「はぁ?何だお前、女装してんのか?キモッ!」
「キモいのはそっちだろ。たいしてイケてない面してんのにわざわざ2人がかりで女の子をナンパかぁ?そっちの方がロリコンだろうが」
「うっせぇな、ホモ野郎」
「オイオイ、武器持ちかよ」
若者は護身用のナイフをポケットから取り出して彦斎に向ける。どうやら彼等はヲタク狩りと称してヲタク達をこのナイフで脅して金を巻き上げていたようである。勿論、立派な犯罪である。とはいえ、目の前にいる彦斎は恐喝どころかとんでもない殺人鬼である。ナイフを向けられただけでは動じない。それどころかナイフを向けた男にゆっくりと近づく。
「オ、オイ!止まれよ!刺すぞ!」
「刺せるもんなら刺してみろ」
「う、うわああああっ‼」
「………‼」
彦斎の挑発に乗ってしまった男は彦斎の腹ににナイフを刺そうとするが、なんと彦斎はすんでのところでナイフを素手で握りしめて受け止める。当然刃物を素手で握ったので握った左手から血が流れる。周囲から悲鳴が上がり、花梨は呆然となり、刺した本人もパニックになる。しかし、刺された彦斎は全く意に介さない。痛くないのだろうか?
「あ、あぁ……」
「オイオイ、刺した奴が何パニクってんだよ」
「う、動くな!」
刺した相手に笑みさえ浮かべる余裕を見せる彦斎に対し、もう1人の男がなんと花梨を人質にとってナイフを向ける。どんどん事態が最悪の方向に向かって行くが、彦斎は制止を無視して男に近づく。肌白い左手からの出血は全く止まらず、地面にポタポタと血が滴り落ちる。本当に痛くないのだろうか、周囲の心配をよそに彦斎は黙々と近づく。
「これ以上近づくな!」
「これ以上罪を重ねる方がよっぽどマズイだろ」
「あ、あの…」
「心配すんな、すぐに片付けてやる」
彦斎は自分のせいで怪我をさせてしまった事で申し訳なさそうにする花梨を安心させると自分を刺して呆然としたままの男からナイフを奪い取る。勿論、自分の血がこびりついたナイフである。そのナイフを右手にダーツの矢を持つようにして持つと彦斎は花梨を人質にとる男にナイフの刃先を向ける。その時の彦斎の目は狂気孕んだ鋭い目だった。
「いいか⁉これ以上動いたら…!」
「あっ、動いちゃった♫」
「ギャアアアアッ!」
ほんの一瞬の出来事だった。なんと彦斎は迷う事なくすかさず男に向けてナイフを投げたのだ。ナイフは男の右腕を掠めて後ろの壁に突き刺さる。男がナイフが掠った痛みに悶絶した隙をついて彦斎は花梨を助けたのだった。一瞬にして最善の解決策を考えた上にすぐに実行する…なかなか出来る事ではないが、この男はさも当たり前のようにそれを成し遂げてしまったのだ。
「大丈夫か?」
「は、はい!ありがとうございます…」
「礼ならいらんぞ」
「オイ、そこで何してる!」
「あ、葵たん‼」
するとそこに人混みを掻き分けて警視庁一暇な部署・超常犯罪捜査課の課長・神楽坂葵が駆けつける。どうやら、たまたま近くを通りかかったところでこの騒ぎを聞きつけ、駆けつけてみたようだ。葵は駆けつけるなりすかさず警察手帳を提示して自分が警察である事を明かす。警察が来たので逃げようとする男達だが葵がそれを逃がすハズがなかった。
「警察だ!」
「マ、マジかよ⁉逃げろっ!」
「コラッ、逃げるな!」
「ぐわああっ!」
「お前もだ!」
「あがあっ‼」
花梨を人質にとっていた男はナイフが掠った痛みに耐えながらも真っ先に逃げるが、葵は本家に勝るとも劣らないライダーキックで男を蹴って沈黙させる。もう1人の彦斎を刺した男は弱腰だったが、葵は背負い投げで男を地面に叩きつけて沈黙させる。充分すぎるぐらいに痛めつけた葵は2人に手錠をはめると近くの警察に応援を要請する。2人が捕まると周囲の人々は歓声を上げた。
「とりあえず、恐喝未遂と傷害の現行犯で逮捕だ」
「く、クソッ‼」
「こちら、警視庁超常犯罪捜査課の神楽坂だ。現行犯逮捕したから至急応援を頼む」
「あ、葵た~ん!」
「おお、花梨じゃないか!大丈夫か?」
助かった花梨はすぐに葵に抱きついた。葵もまさか花梨が事件に関わっているとは思わなかったので驚く。端から見れば年の離れた姉妹に見えるだろうか。とにかく花梨が無事で良かったと葵は思った。もし花梨の身に何かあれば間違いなく魔神様が黙っていないだろう。何とか事件は解決し、葵が要請した応援の警察官も駆けつけ、男達はパトカーに乗せられようとしていた。
「良かったな、私に逮捕されて」
「チッ…」
「これから署でワックワクのドッキドキでエクストリームなお仕置きが待ってるからな。自分のしでかした罪に絶望しながら取り調べを受けるがいい」
「葵たん、かっこいいよ!」
「だろ?私様はいつもカッコいいんだ!」
花梨に褒められて思わず鼻の下を伸ばす葵。普段こうやって人から褒められる事がないので、つい嬉しくなったのだろう。葵も普段からもっと真面目に謙虚に職務にあたればもっと評価されて褒められるだろうに、そう出来ないのが葵クオリティである。花梨は怪我をした彦斎に近づき、助けてくれたお礼として改めて頭を下げる。
「ありがとうございました。あと、ごめんなさい!花梨のせいで怪我を…」
「ん?あぁ、気にすんなよ。こんなのは大した事はない」
「でも…」
「後で花梨と一緒に署まで来てもらおうか?色々と事情聴取しないといけないからな」
そう、花梨はともかく彦斎も事件に関わってしまった上に怪我までしてしまった。しかも男にナイフを投げて怪我を負わせている。これに関しては花梨を助ける為にやったので不問にされるだろうが、彦斎としては警察に関わるのはとにかく面倒くさいと思っていた。殺人鬼がこんな事で警察に関わるのはよろしくないと思った彦斎は事情聴取を避けようとする。
「俺は別にいいだろうが。話ならその子に聞けばいいだろ?1番の被害者なんだからな」
「だが、お前は怪我を負わされて…」
「自分でやった」
「はぁ?」
「林檎の皮剥きでしくじって切っちまった。で、さっき治りかけた傷が開いて血が出た…そういう事にしとけ。じゃあな~♫」
とにかく適当な理由で怪我について説明すると彦斎はキザっぽくその場を立ち去ってしまう。取り残されて途方に暮れる花梨と葵はやむなく2人で近くの警察署に当たる万世橋警察署に行く事にした。こうして秋葉原の小さな事件は解決する事となった。
「仕方ないな、私達だけで行くか」
「えっ、いいの?」
「アイツがあんな事を言い出すんだ。しょうがないだろ?とにかく、花梨の事情聴取をしないといけないからな。まぁ、すぐに済ませてやるから」
「う、うん…」
6月24日午後5時42分、東京都江東区・区立潮見高等学校前。事件から一夜明けた今日、河上彦斎と天川恵美は自身が殺害した小野健太の最期の依頼を果たすべく潮見高校前に来ていた。算段としては恵美がターゲットの蒲生悟を人気のない倉庫まで誘導し、彦斎が悟を殺害する。既に人気のない倉庫は確保し、後は手はず通りにやれば依頼は解決である。彦斎と恵美は物陰から悟が校門から出て来るのを待っていた。
「さてと、早く片付けようか…」
「意外。どうして死人なんかの依頼を?」
「頼まれれば殺るだけさ」
「そう」
何処までも冷淡な恵美は彦斎の話を聞いても特に興味を示す事なかった。本当に冷淡というか酷薄というか人間味がないというかある意味、彦斎よりも怖い人物である。因みに何故恵美が彦斎について来ているのかというと実はかつて恵美も殺人鬼だったからである。かつて恵美は“切り裂き姫”の異名をとった凄腕の暗殺者だったが、現在は怪我をきっかけに一線を退き、主に彦斎のサポートにまわっている。とはいえ、今でもその腕前は全く衰えていないようだが。
「おっ、出て来たぞ」
「行ってくる」
待つ事3時間、ようやくターゲットの蒲生悟が校門から出て来た。今日はサッカー部の練習と自主練の為にこんな夜遅くまで学校に居残っていたようである。早速、恵美が悟を誘い出す為に彼の下に近づく。今日の恵美の格好はメイド服ではなく、フリフリのお姫様風なドレスで化粧もバッチリしてある。対する彦斎は相変わらずの着物姿。街で歩いていたら目立ってしょうがない2人である。
「ちょっといいかしら?」
「あん?何だよ」
「私ね、君を一目見た時から好きになっちゃってね。だから、今から私と遊ばない?悪いようにはしないから♫」
「お、おう、いいけど」
「アイツ、メイドよりも役者になったほうがよくないか?」
恵美は仕事以外では絶対に発しない可愛い声で悟を誘惑し、目的ポイントへの誘導を開始する。そのやり取りを物陰から聞いていた彦斎は恵美を役者だと評価する。確かにここまで表情や声を変えられるならメイドなんかよりも役者になった方がいいんじゃないかと思わざるを得ない。何というか才能の無駄遣いというのか。ともかくターゲットの誘導に成功したので彦斎も目的地へ先回りする事にした。
「オイオイ、何処まで行くんだよ?」
「2人っきりになれる場所があるのよ♫そこで一緒に遊びましょ?ねっ♫」
恵美に連れられて港まで来る悟。恵美に釣られる形でここまで来たが、目的地に辿り着けずに少しイライラしていた。蒲生悟は学校ではチャラチャラしたプレイボーイとして知られており、少しでも気に入らない奴がいれば陰でイジメをしている素行不良な生徒であった。少なくともサッカーの実力はあるようだが、レギュラーの地位を得る為に先輩後輩構わず蹴落とす野心の強い人物なので、部活での評判はあまり良くなかった。こんな奴がサッカー部で真面目に頑張って来た小野健太を疎ましく思った挙句に彦斎に殺害を依頼したのだ。
「ここよ。ここにしましょ♫」
「確かにここなら2人っきりになれるな」
「2人っきりじゃないんだな~それが」
「誰だっ⁉」
「よう」
「あ、アンタは…あの時の!」
恵美に連れられて倉庫まで来た悟の前に待ち構えていた彦斎が現れる。この2人は初対面ではなく健太殺害の依頼をする際に顔を合わせているのだ。どうしてそんな奴がこんな所にいるのかわからない悟に対し、まずは健太殺害の成功を報告する。と言ってもあれから時間は経ってるし、健太が死亡した事に関してはニュースで報じられている。学校でも臨時集会が開かれ、葬式にも悟は顔を出している。
「報告が結構遅れちまったが、小野健太とその家族は始末したぞ」
「なんだ、その報告か。ありがとな、アイツが死んでせいせいしたぜ。葬式の時もアイツの死に顔を見たら笑いそうになっちまった!ハハハハッ!」
「そっかぁ、じゃあ次はお前の番だ」
「はっ?」
「お前を殺してやるって言ったんだ」
「く、くそっ!」
彦斎は何時の間にか日本刀を手にし、ゆっくりと鞘から刀を抜いて切っ先を悟に向ける。何の事か全くわからない悟は逃げ出そうとするが、張り付いた笑顔の恵美に腕を掴まれて逃げられなくなってしまう。しかも、意外と強い力で悟の腕を掴んでいる為、逃げようにも逃げられない。蒲生悟、最期の時が近づこうとしていたのだが…
「は、離せよ!テメェ‼」
「逃がさない。お前はここで死ぬ」
「そういう事だ、じゃあな!」
「ハハッ」
「ん?」
「ハハハッ、ハハハハハハハッ‼」
突然、これから殺されようとしている悟が狂ったように笑いだした。これにはさすがの彦斎と恵美もわけがわからずに顔を見合わせる。自分が死ぬとわかって狂ってしまったのか?それだけではないような気もするが、彦斎と恵美は悟を警戒する。
「どうした?これから死ぬんだぜ?」
「はっ、俺は死なねえよ。むしろ逆だ、俺がお前達をこの場で裁きを下してやるんだよ!」
「何を、うっ…!」
「まさか姉ちゃんがアイツとグルだったなんてな。俺、アンタみたいな女がタイプだったんだけど残念だぜ。オラアッ!」
「えっ、きゃああっ‼」
何と悟は自分の腕を掴んでいた恵美の手を強引に引き剥がすと逆に恵美の腕を掴んで、圧倒的な怪力で恵美を放り投げてしまう。放り投げられた恵美はそのまま倉庫内に無造作に置かれたドラム缶の束に突っ込んでしまう。幸い軽い怪我で済んだようだがダメージが大きくすぐに起き上がれない。
「うぅ…」
「なっ?……そうかそうか、そんなに早死にしたいか?だったら、さっさとお前の両親と同じ所に逝かせてやる」
「ほう、俺の親まで殺しちまったのかよ。さすが最狂の殺人鬼だな。俺にはもうそんな親は必要ねぇ。でもな、そんな親殺しのアンタに俺が天使の裁きを下してやるぜ」
「天使……だと?何言っちゃってんの?」
何と彦斎は依頼に邪魔だと判断した悟の両親も皆殺しにしたのだ。普通だったら狂っているのは間違いなく彦斎の方であろう。しかし、親を殺されたというのに悟は全く動揺していない。両親とは仲が悪かったようだが、それだけでは説明出来ないぐらいに落ち着いていた。そして、急に天使の裁きとかわけのわからない事まで口にし始める。普通だったら厨二病と疑うのだが、この場合はそうではなかった。
「見せてやるぜ、生まれ変わった俺の姿を!」
「はぁ?」
いきなり天使とかなんとか言い出し始めた悟に呆れる彦斎。そんな彦斎をよそに悟の身体が緑の光に包まれ、恐ろしい化け物へと変貌した。全身が緑に変色し、サッカー部らしく足にはスパイク、手にはグローブが装着され、背中からは小さいながらも緑色の天使の羽を生やした怪物“カオシューター”がそこにはいた。天使の羽を生やしてはいるが、外見はどう見ても怪人。とても天使には見えない。
「ハッハッハッ!見たか、これが俺の生まれ変わった姿だ!人間なんていう脆弱な存在から俺は天使に進化したんだ!ハッハッハッ!」
「フハハハッ…」
「あ?」
「アハハハハハッ、フハハハハハハッ‼」
カオシューターが高々と自分の凄さを自慢する中、今度は彦斎が急に狂ったように笑い出す。奇しくも先程悟が笑ったのと同じように彦斎も笑い出したのだ。今度は一体何がおかしかったのだろうか?彦斎のそばにようやく立ち上がれた恵美が近寄る。恵美は特に笑いもせずに淡々とカオシューターを能面みたいな冷めた表情で見つめる。
「何だよ、何がおかしい⁉」
「だってそうだろ?お前みたいな天使がいてたまるか。お前なんか天使じゃない、そこらにいる怪人と一緒だ」
「ふん、脆弱な人間が偉そうに何を言う」
目の前に怪人がいるにも関わらず、彦斎は全く動揺していない。肝っ玉が据わっているにしてもここまで落ち着いているのは異常である。彦斎はカオシューターを天使ではなく怪人だと断じると刀を鞘にしまう。諦めたのかと思いきやそうではない。彼は戦う気なのである、この天使もどきの怪物と。
「まぁ、俺もお前と同じただの人間じゃないって事だ。ふんっ!」
「な、なんだと⁉」
次の瞬間、彦斎の瞳が水色に変色すると居合の構えから勢いよく刀を引き抜いて一閃するとその勢いでその場で一回転して刀を鞘に納める。すると一閃した空間から白銀の鎧がバラバラの状態で出現し、瞬時に彦斎の身体に装着される。その鎧は鳥をモチーフとした壮麗な物で白銀を基調にアクセントとして水色と金色が入っており、背中には美しい翼が、頭部には黄色い四本角が生えて耳は翼状に変化している。こちらの方がカオシューターよりも天使に見える。変身している人物は天使とは程遠い死神ではあるが。この姿を殺翔鳥神・天零と言う。
「降臨!」
「な、何だよ…何なんだよ!」
「知るかよ、そんな事」
「まぁいい、この俺が罪深いお前に天使の裁きを下してやるぜ!はああっ!」
「ふんっ!」
「ぐあっ!」
河上彦斎こと殺翔鳥神・天零は自分で考えて来た変身後の決めゼリフを言ってカオシューターと対峙する。鎧を纏って変身するパターンは魔神ヴォルケニックス・グランドバアルこと柳生但馬守宗矩とほぼ一緒だが、彦斎自身はあくまでも普通の人間である。そんな彦斎が何故鎧を纏って変身出来るようになったのか、それはさておき、カオシューターは勢いよく天零に襲いかかるが、天零は左手で攻撃を軽くいなしてしまう。
「クソッ!オラッ!オラッ!」
「ふんっ、はあっ」
「避けんな!ハアアアッ!」
「てやっ!」
イラつくカオシューターは両足の先端から緑色の光の爪を出現させて、サッカーで鍛えたドリブルを活かした攻撃で天零を攻め立てるが天零は両腕を腰の後ろに組んでホイホイに避け続ける。業を煮やしたカオシューターは両手を合わせて緑色の太いビームを繰り出す。対する天零は背中の美しい純白の翼を広げて倉庫の天井ギリギリまで飛翔し、ビームを回避して地面に華麗に着地する。
「く、くそっ!来いっ!」
「くっ!」
「オイオイ、天使なのに人質取るのかぁ?」
「お前に裁きを下す為には何だってやるさ!オイ、一歩でも動けばこいつの命はないぞ!」
何とカオシューターは卑怯にも恵美を人質に取って天零と対峙する。天零のツッコミ通り、天使なのに人質を取るのは変な話だが、カオシューターからすればそうでもしなければこの鳥神には勝てそうになかった。まだ自分は一度もダメージを負っていないが、そんな気がしてならなかった。一方の天零は恵美が人質を取られてもさほど動揺していない。
「彦斎、殺って」
「オーライ、言われなくても」
「オ、オイ!正気か⁉人質がいるんだぞ?」
「だからどうした?」
天零は翼を広げて腰に差した日本刀チックの聖剣・翔蘭の柄に手をかけ、腰を低く落として居合の構えを取る。まさか人質ごと自分を斬るつもりなのか、そうカオシューターは思っていた。事実、人質の事を『だからどうした』とバッサリ言っている。しかし、奴は普通の人間。人質の事を惜しまないハズはない。カオシューターは彼が攻撃出来ないと踏んでいた。
「へっ、でも人質がいたらお前も絶対攻撃出来ないだろ?そうだ…ろ…?」
「いてもいなくても同じだ」
「バ、バカな…」
しかし、カオシューターの読みは外れた。気づけば自分は斬られていたのだ。しかも、人質に取っていたハズの恵美の姿がなかった。ふとカオシューターが後ろを振り向くと天零と恵美の姿があった。何と天零は誰の目にも止まらない程のスピードでカオシューターに急接近し、恵美を捕らえていた左腕を切断して腹を深々と切り裂いていた。まさに刹那である。かのクロックアップ並、いやそのものかもしれない。もう勝負は付いてしまった。
「さ、最期に教えろ……誰がこの俺の事を…殺せ…って…」
「アンタが俺に殺せって頼んだ小野健太だよ。死に際に頼まれてな、だからこれはアイツなりの復讐なんだ」
「な、何だよ…それ…」
「じゃあな、エセ天使」
「クソオオオオオオオオッ‼」
カオシューターは無様に地面に倒れてそのまま派手に爆発、蒲生悟としてのカオシューターとしての人生を終える。こうして殺した小野健太からの依頼は完遂した。実はこの近くで彦斎は健太を殺害したのだった。戦いが終わると天零は鎧を解除して元の河上彦斎の姿に戻る。彦斎は燃え盛るカオシューターの遺体を冷たい視線で見下すと恵美と共に倉庫を出る。
「お見事」
「あんな雑魚斬ったって嬉しくねぇよ」
「そう」
そんな2人は小野健太の殺害現場に向かう。そこにはクラスメイト達が手向けた花が置かれていた。彦斎はしゃがみ込むと墓前の報告といった感じで健太に依頼完了の報告をする。よくよく考えれば自分が殺した相手の依頼を受けて完遂し、それを自分が殺した現場で報告するのだからおかしな事である。そういう妙に律儀なところが他の暗殺者達と一線を画しているところだろう。
「よう、アンタの仇は取ったぜ。…って、俺が殺したんだもんな、普通は俺が仇だな」
「その通り」
「まぁ、アンタはちゃんと成仏しときな。そうだ、間違っても俺を呪い殺そうなんて考えるんじゃねぇぞ?折角皆殺しにしたんだ、天国で家族仲良く暮らせ、じゃあな」
「終わった?」
「あぁ、行くぞ」
「うん」
健太への報告を済ませた彦斎は恵美と共にその場を去り、秋葉原へと帰って行く。これからも彦斎は依頼を受けてはターゲットを次々に殺害していく、そんな毎日を送って行くのだ。手にした異形の力はあくまでも自分の為に、そして殺人の為に振るわれて行く。しかし、この後、河上彦斎は人生で最大のライバルと出会う事になる。それは後の話で語られるだろう。
こんばんわ、エンジェビルですo(^▽^)o
いよいよ第5話です(^^)第5話は皆さんお待ちかねだったかはわかりませんが、不死鳥シリーズ屈指の人気キャラ・河上彦斎が帰って来ましたよ!私も早く書きたくてたまらなかったんですよねo(^▽^)o
しかし、その反面宗矩が全く登場しない話にもなってしまいましたねf^_^;)申し訳程度に花梨と葵たんを出してはいますが、最初は今までのレギュラーキャラを一切出さずにやろうかと思っていましたf^_^;)多分、やろうと思ったらやれたと思います。ただ、それだと寂しい気がしたので…f^_^;)
変身したら瞬殺なのは宗矩と一緒ですね(^-^)/ただ、彦斎はあくまでも普通の人間なので、あの力が一体何なのかという話になるかと思います。それはこれから明かされて行くんだと思って下さいo(^▽^)o
○河上彦斎/殺翔鳥神・天零(ICV:三木眞一郎)
今回の主人公です(^^)過去作と比べてもほとんど変化はないようにしていますが、住んでる場所が秋葉原になってますね(^^)しかし、彦斎って殺人鬼で女装に着物って属性が色々おかしいのにそれらが絶妙にマッチしてる稀有なキャラですよねf^_^;)しかも、かつては仮面ライダー電王なわけで…今回はまともな変身になってるかと思います(^^)
○天川恵美(ICV:高垣彩陽)
彦斎サイドのヒロインです(^^)実は今回復活するにあたり、だいぶ設定が変わっているキャラだと思いますf^_^;)例としては変身しなくなったり、殺人鬼としては一線を引いてメイドになったり、彦斎とは恋仲ではなくなったりしてます。しかも、かなり冷淡というか酷薄な人物にしてますf^_^;)新しい恵美もどうかよろしくお願いしますm(_ _)m
○小野健太(ICV:代永翼)
今回の元凶の1人ですね。出番は序盤のみでしたが、ある意味では今回は基本的に彼に振り回される形になるんでしょうか?イメージキャストの代永さんは女っぽい声の持ち主で知られてまして、彦斎が女装している事から決めました(^^)
○蒲生悟/カオシューター(ICV:諏訪部順一)
今回の元凶の1人にして敵です。元はと言えば、彼が彦斎に依頼しなければこんな事にはならなかったんだと思いますf^_^;)イメージキャストの諏訪部さんは何かこういう悪そうな先輩をやらせるとハマるんじゃないと個人的に思って(^^)そういえば、三木さんとは兄貴分で緑色のガンダムのパイロットという共通点がありますね(^O^)/
現在、天ノ蛇虎先生の『DARK-BONDS ~闇絆の証~』にて我が魔神再臨とのコラボ回が投稿されています(^^)残念ながらというか当然というか彦斎はいませんが、宗矩達が活躍しているので是非読んで見て下さいな(^O^)/
次回はそんな彦斎と宗矩が激突します(^^)お楽しみに(^O^)/
ではではm(_ _)m