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重い箱

作者: 白虎

空は快晴、雲一つ無い真っ青な空の下、彼は歩いていた。


しかし表情はそれ程明るくはないようだ。


原因は、その手に持ったこの箱だろう。


「はぁ、勘弁してくれよ…」


雅史はそう呟くと、チラっと箱に目をやった。


箱はやたら重く、ガタガタと不気味にうごいている。中に何か入っているのだろうか?


今に至るまでの経緯を説明しよう。



太陽が真上まで登った頃、雅史は散歩に出掛けた。これだけ天気が良いのだから部屋にいてはもったいないと思ったからだ。


今日は日曜日、高校も休みで最高の一日だっただろう。この箱を手にするまでは。


しばらく歩き、土手で一休みしようと寝転がった時だった。


ふと横を見ると木箱が置いてあるのに気付いた。


「あ?何だこれ?」


雅史はあまり気に止めなかった。が、最近学校で聞いた奇妙な噂を耳にしたのを思い出した。


呪いの木箱。


その箱は突然現れ、一度手に持つと呪われると言う馬鹿馬鹿しい噂だった。


しかし人間とは愚かな生き物で、たとえ信じていなくても1%でも可能性があれば確かめずにはいられなくなる。


「馬鹿らしいけどやっぱ気になっちゃうんだよなぁ〜、でも持つだけで呪われるかっつーの」


雅史は、どうせ嘘だと思いつつも箱を持ってみた。


「うわっ、何が入ってんだ?異様に重い、でも何か普通の箱だなぁ」内心少しがっかりしながら箱を元の位置に戻す。


その時だった。


ゴオオオオオオオオオ!


雅史の耳に剛音が飛び込んだ。


音の方向を見ると何かがこちらに突っ込んでくるのが見える。


「嘘っ嘘っ!何何何何!?」


すぐそこまで来ると、それが何なのかわかった。


セスナ機だ!しかも黒い煙が上がっている。


咄嗟に横に飛び、それをかわそうとするも、激痛が走りかかとを掠めたのを確認出来た。


セスナ機はそのまま墜落、破片は辺りにビュンビュン飛んでいたが、奇跡的に雅史には当たらなかった。


「うぐっ……痛う……何だっつーんだよ?何でこんなとこセスナが落ちてくんだ!?」


苦虫を噛んだような表情で雅史は呟き、顔を上げた。


そこには、あの木箱がまがまがしく立っていた。


その瞬間、雅史の頭をあの噂話が賭け巡った。


「はは、まさか……まさかそんなわけ無いよな……」


信じたくない。そう思いながらも噂の続きを思い出していた。


一度手を離すとそれは警告で済むが、もう一度手を離すと………死。


当然一度手を離し、そのまま放置しても………待っているのは死。


ただし、片手さえ触れていればそれはセーフ。


しかし、その箱を持っているとどの道死んでしまう。


「冗談じゃねえ……だれか助けてくれよ……」


どうしようもない恐怖が雅史を包み込む。


「待てよ、どうすれば助かるんだ?」


そう、この手の話には大概助かる方法があるのだが雅史はそれを聞いていなかった。


とりあえず野次馬が集まりだしたので、片手で箱を持ち、場所を変え、噂を聞いた奴に連絡をとった。


しかし、皆助かる方法は聞いていないと言うのだ。


最高だったはずの一日が最悪の一日に変わった。


雅史はふらふらと宛も無くどこかへ歩き出した。そして、今に至る。と言うわけだ。


とにかく助かる方法を考えなければならない。


「助かる……方法……」


痛む足を引きずりながら呟き、考えていた。


「そう言えば、中には何が入ってるんだ?」


この箱には蓋が無く、中の物を確認する事が出来ない。


でも、だからこそ中の物が何かわかれば助かる方法がわかるかもしれない。


「どの道持ってれば死ぬんだ、多少強引にしても関係ないさ」


そう言うと近くの仲間の家に向かった。


「あ、裕也!」


「おお、雅史か、何だその箱?何か入ってんか?」


「気になるだろ?」


「そりゃあなぁ、何だよ?勿体ぶんなよ」


「わかったわかった、でも俺も知らないんだよ、だからノコギリ貸してくれよ」


「あいよ、じゃあちょっと待っとけ」


裕也は物置まで走り、すぐに戻って来た。


「ほら、これでいいか?」


「さんきゅ、じゃあちょっと俺持ってるから切って」


「はいはい」


これで助かる方法がわかるかも知れない、頼む何でもいい、手掛かりになる物であってくれ。


そう願いながら雅史は箱が開くのを待っていた。


「おっしゃもうちょっと!」


裕也がそう言った次の瞬間、箱は開いた。


箱の上の部分が落ちる瞬間、それはスローモーションのようにゆっくりと落ちた気がした。


そして、雅史と裕也の目に飛び込んで来た物は、信じられない物だった。


「ううっ……」


「何だよこれ……何で俺の首が入ってるんだよ!!」


そう、中身は雅史の切り取られた首だった。




その日の夜、裕也の家族によって、雅史と裕也の首無し死体が発見された。


いくら警察が捜査をしても首は出て来なく、手掛かりを掴む事も出来なかった。


そして現場から、あの木箱は忽然と消えていた………。

どうだったでしょうか?自分で書いといてなんですが初めてのホラーで、あまり雰囲気が出せていなく、何となく話が浅いように思うのですが…(-。-;)アドバイスなどありましたらお願いしますm(__)m

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