第1話 平民
『やめて!』
『フフw残念だったよ…まさか俺たちを裏切るなんてな』
『違うの!やめて!うちの子だけは!』
『うるさいねぇーwこうなったのも君のせいだ五つの大陸に分けられ魔王が降臨した、全部君いや君の夫のせいでもある』
『あの人は私も裏切ったのよ?責任とらせるならあいつじゃない?』
『あいつはもう俺たちの手で死んだ』
『はっ!』
『そんな怯えなくてもいいよ、まだ死んでない、監禁されてるだけだ。あいつが檻から出たらとんでもない事になるから、狂犬だよ。』
『もうならいいじゃない!この子は…私の子よ!』
『そうかよ…じゃあその子預かるよ、大切に育て上げるから』
『嫌よ!』
『あ?お前にもう拒否権は無いぞ?』
『――こんな世界なんて思いもしなかった…』
『ほら渡せ』
『…』
『早く!ミレーナ・リェウル』
『この子に世界を託すわ…』
『預かったぞ…』
『いい気味だ。足は切れていて動けない。ここに牢屋を作って鑑賞したい気分だよ』
『なかなかの悪趣味ね、ゲオ・クレシェフ』
『まぁいい、この子もあんたの夫もこのことに気づいて俺たちを倒しに来るかもな』
『もしかして、夫には私を釈放したって伝えたの?』
『そりゃそうだろw』
『あいつが暴れ始める』
『魔術を使えば…』
『魔術なんかまだ誰も使えねぇーよ、剣術さえあれば何とかなるんだよこの世界はな』
『フフw』
『何がおかしい?』
『長話ね、早く殺してちょーだい』
『ったく、俺はお前のこと嫌いじゃなかったぜ』
―現在―
「うお!やべぇー寝てた!」
寝坊しているこの少年ラドミール・リェウルは商売が盛んな大陸一小さいイドタンの住民だ
この世界には魔術を使えるものが見つかっておらず、現状魔術は存在しない。
剣を用いて決着をつけるのがこの世界の掟のようなものとなっている
ラドミールはコースチャ・ブイスト=カナネン(以後カナネン)というおじいさんの家に居候していて、カナネンに勧められた道場で剣術を習っている
「じぃちゃんやべぇー!寝坊した!」
「あらま、ほんとだ」
「今からでも間に合うかな?」
「ああ間に合う!先に行っときな、後で食事を届けに行くから」
「ありがとう!じぃちゃん!」
ラドミールは全速力で道場に向かった
「ゲホ!ゴホ…ヴ!……ゼーハーゼーハー…ヴ!……早く食事を作って渡し行かなければ」
カナネンは昔から心臓が悪く、時折咳き込むことが少々あった
そしてここは他と比べると田舎だ
そこいらにスーパーや食事が既に出来上がっていて温めれば食べることが可能になる画期的なものなど存在しない。
ここに出回るのは原材料だ
つまり自分で作り食べるのが1日だ
カナネンはこの町では貴重なイチゴジャムを使い、前日に隣町から買い用意したパンに塗りピクニックバスケットに詰めカナネンも道場に向かった
―道場―
カナネンは一足先に行っていたラドミールにピクニックバスケットを手渡しその場を去った
「ラドミール、いいじぃちゃんだな」
「へへ!そうでしょ師匠!」
「お前はそのじいちゃんの1億倍ヘタレだけどな」
「いや遅刻したの今日だけだし!」
「お前そういいながら何十回もその言い訳してるぞ」
と師匠と呼ばれるものがしゃがれた声で言った
すると多くの弟子たちはラドミールを見て大笑いした。
しかしラドミールは悪い気にはならなかった。
笑われていることが少し嬉しかったのだろう
「ヘヘッ」
―カナネンの家―
「カナネン、そろそろ家賃を払ってもらおうか」
「ゲオ・クレシェフ、ラドミールを預かるにつれ契約を結んだはずだ、クレシェフ、あんたは家賃はこちらで支払うと」
「あれれ〜?そんなこと言いましたっけ?」
「言っていたはずだ」
「まぁ口で結んだ約束なんてすぐに裏切られるもんですよ、まぁ今回は許します」
「それより別の大陸のもんがなんでこっちに口を聞いてくるんだ」
「しょうがないでしょうよー、だってこっちが預かった子ですもん」
「ミレーナの子か?」
「そうですが?」
「そうかいな」
「それぐらいですよ、特にこちらから手は出しません、ラドミールが真実を知るまでね」
「私はそれを教えていない!ラドミールに言ってみろ?この大陸全員でお前たちの大陸を叩きのめしてやる」
「だったら先に魔王倒してくれません?1番厄介なんだから」
「二度とその言葉を私の前で発するな!」
「申し訳ないです」
「ラドミールは着実に強くなっている」
「それは楽しみです。まっ怖気付いて来ないかもしれませんが」
「大陸を支配するのはこのイドタンだ」
「はいはい、夢物語も程々にしてくださいよ」
―イドタン・王城―
「よく来たな、ニミディオ大陸王補佐クレシェフ」
「はっ!」
「いい挨拶だ、どうしたんだい?」
「南国大陸チサルタを共に壊滅しましょう」
補足ですが主人公はラドミールです
作中に書くとダサいので後書きに書かさせていただきました




