9 変わり種の勇者(『くノ一』めっけ! 基準が分りません・・・)
行間つめて書いても読みにくい。
開けすぎても・・・どうなんだろね?
「読みやすい」を鋭意模索中
ついでに加筆しました。
日が暮れて。
マーサが部屋を出て行ったのを確認すると、いつものように【ステータスボード】を開いた。
《 お?属性魔法やら、イロイロ解放されてね?》
《 自覚はないが、教会でペッカペカに光ったせいかね?》
レベルMAXにゃ程遠いが・・・
俺の『魔力密度』ってやたら高いらしいし、室内で『ファイヤ』なんてやらかしたら・・・
うん・・・やめとこ・・・
《 しかし、練習はしておきたいね~いずれダンジョンに潜らにゃあかんし・・・》
《 攻撃範囲くらいは把握しておきたい。》
《 チーム組んだは良いが “フレンドリーファイア” なんて洒落んならんし・・・》
ん~
漫画やら小説の主人公はどうしてたっけ?
無能呼ばわりされていた主人公が魔法に目覚めて・・・
屋敷裏の森みたいなトコロで練習してたんだっけ?
そこへ兄弟仲の悪いモブがやってきて魔法の練習台にされて・・・
・・・ん?
どえりゃ~魔剣がぶっ刺さってたっけ?
・・・いや?
ホームレスなセクシーオネーサマが転がってたんだっけ?
・・・そもそも森だったか? 空き地だったか??
記憶が混乱しとる・・・
ん~~~~~~~
《 ま、いっか・・・明日、父上に相談しよう。》
《 どっか『魔法ぶっぱ!』できるとこありません?」って聞こう。》
仲悪いワケじゃなし、協力してくれるだろ。
セクスィ~でホームレ~スなオネーサマが落ちてたら持ち帰ろうw
◆◆
え~~~~~
・・・などと、軽~~く考えてる日も・・・ありました・・・
結論から言おう。
《・・・カミサマバグッテマスヨ・・・》
「・・・何だ・・・この威力は・・・。」
某アニメのセリフが実父の口から聞けるとは思わなんだヨ。
「初級の水魔法でしたね。」
セバスさん。はい、そ~です。
「・・・無詠唱・・・。」
兄上、何かすみません・・・
裏庭に広がる森には御先祖様が錬金術の研究の為に施設を作り、他界された後、老朽化と共に取り壊され、放置されていた空き地があった。
学校の運動場を思わせる土地の中央には、建物があったらしい石材と朽ちた木材が積まれている場所だ。
「ここなら誰にも見られず、好きなだけ魔法が打てるだろう。」by 父上
・・・てなわけで、自らが案内を買って出てくれたんだが・・・
何故かセバスも着いてきて、それを見かけたサルカス兄も同行することになった。
《 執事、仕事しろ! 兄上、勉強はどした?勉強は!》
「今日サーマス先生は、所用があって魔法の授業はお休みになったのです。」
・・・って胸張って言われてもな~
そんなこんなで魔法実験を敢行。
安全を考え、まず初級水魔法で「ウォーターボール」を発動させてみたんだ。
が・・・
その威力が
オカシカッタ。
《 何で初級魔法で、デカい『ため池』出来んネン・・・》
《 折れた木材が、ぷっかぷっか浮いてんだが・・・》
《 思い出した・・・魔法陣の文字・・・ルーン文字だったわ・・・安直な・・・》
「グレイ!詠唱はどうした!!」
《 ですよね~》
「スミマセン兄上。知らないわけじゃないのですが、この方が早いので・・・。」
「身体は大丈夫か?魔力切れは?」
「はい。父上、問題なく・・・。」
「先日の教会での出来事の影響でしょうか。」
セバス君。たぶんそれ正解。
しばし呆然と惨状を眺めた後、父が再起動を果たした。
「・・・聞くが、他の魔法も使えるのか」
「はい。えと、火、水、木、風、土の魔法と神聖魔法・・・とかが使えるみたいです。」
《 すまん父よ。空間魔法と闇魔法は切り札になるかもしれんから伏せとくワ。》
「全属性と神聖と・・・。」
《 あ~ フォローしとくか。》
「父上。僕が異常なのは重々承知しています。役割とはいえ、とんでもない力を授かり、僕自身も困惑しています。しかしそれ以上に・・・。」
「・・・何だ・・・。」
「国の過激派の重鎮が複数の『勇者』の力を手に入れたら、何を考えるでしょうか?」
「む!!」
「僕は役目を終えたら冒険者になるつもりです。世界中を見て回り、時には魔族の残党狩りに参加しながら、まだ見ぬ世界を冒険するのが夢です。」
「世界・・・残党狩り・・・か・・・、」
「ご協力願えますか?。」
「・・・お前の希望は解った。我が家はしがない下級貴族だが、出来る限りのことはしよう。」
《 言質取ったり~》
「ありがとうございます。 兄上、いろいろ御迷惑をおかけする事になりますが、可愛い弟のワガママだと思って勘弁願えます?」
「!・・・なにが可愛い弟だ! 自分で言うな! 不愉快だ!!」
「でも可愛いデショ?」
「・・・ふん!!・・・」
《 お? 誰か走ってきた?》
男兄弟でイチャコラしてたら、気配探知が仕事したようだ。
《 セバスも気付いたか・・・》
足音はほぼないが、癖のある走法。
《 リズムを変えるのは味方に自分の存在を知らしめる合図・・・だったか・・・》
間もなく、一人のメイドが姿を現した。
《 ガチ勢の『くノ一』めっけ!!》
「旦那様、冒険者ギルドのコッカス様が面会に参られています。」
《『苦無』のメイドさんか・・・名前、なんてったっけ?》
鑑定:スズネ 18歳・・・か
レベル33・・・高いのか低いのか・・・
癖のない黒髪を後ろで束ねて・・・ポニテだっけ?
黒い瞳に細い鼻梁。
《 東洋美人ってヤツか。笑顔が見て見たいね~》
「もう来たか。早いな。すぐ参る。」
喜色満面の父は足早に歩き始めた。
我が家の『ワケありメイド団』はバラツキこそあれ、平均的に高いって推測できるけど、一般人の平均値が分からん・・・
どうなんだろ??
元暗殺者のセバスは42。
この間、チラ見したギルド長が36
町長が14くらいだったか?
まあ、レベル値が同じでも、戦闘訓練を受けた者と農民じゃ。喧嘩にもならん。
そういう意味じゃ、あくまで〖目安』でしかないが・・・
《・・・う~ん・・・町歩きたい・・・》
セバスが先頭に立ち、屋敷へと案内してくれている。
足音を立てず最後尾を歩くメイドが気になってしょうがない。
「ねえ、名前なんてったっけ?」
「私ですか?スズネと申します。」
「変わった名前だね。この国の出身?」
「そうですね。ですが私の祖父は異国で生まれたようです。」
「ふ~ん。ドコか聞いていい?」
「遠い東の海を渡った国・・・たしか東国とか・・・。」
「東国・・・かぁ・・・もしかして “クサ” の家系?」
じゃり!
《 ビンゴ!》
《 足音立てたね。動揺したかな?》
チラ見するセバスの目が恐いんだが・・・
地雷踏んだ?
「・・・ご存じで・・・。」
うは~~怖ぇ~~
「グレイ “クサ” とは何だ?」
兄上は知らないか・・・
「ん~ 一言で言えば大道芸人・・・かな?」
「ほう。お前の祖父は芸人だったのか。珍しいな。」
「恐れ入ります。」
「お二人とも急ぎましょう。お屋敷の裏庭近くとは言え、ここは視界が悪うございます。」
《 セバス君。ごもっともでございます。》
俺達はそれっきり、会話らしい会話もせず家路を急いだ。
「では旦那様の所へ参ります。」
無事にロビーに戻った俺達にセバスは一礼して応接室へと足を向けた。
「あ、待ってセバス。大道芸について教えてもらいたいんだけど、仕事終わったらスズネ借りていい?」
《 目ぇ怖いっすよ、セバスさん。》
「・・・畏まりました。私もご一緒しても?」
「興味あるの? うん、一緒に聞こう。」
「・・・物好きなヤツだな・・・。」
《 サルカス兄は興味なし・・・っと、重畳重畳。》
その日の夕食後。
父の執務室に呼ばれた。
話によると “不毛の地” と呼ばれる荒野と “魔物の森“ の境界に黒い門が出現したらしい。
奇妙なことに、その門には巨大な人物像が彫られ、その額には見たこともない文字が並んでいるという。
「行ってみるか?」
俄然興味が湧いた俺は、二つ返事で同行することにした。
日が暮れて。
動きやすい服装に着替えた俺は、ヨーデル王国の歴史書を眺めていた。
本来の目的は、初級魔導書の魔法陣から前世知識と擦り合わせしながら解読してみるつもりだったが、書庫で偶然目に入ったので、先に読んでみることにした。
魔法陣改良しないと【魔物ぶっぱ】した挙句に、討伐部位さえ残らないじゃ冒険者なんかできないしね。
分かっちゃいるけど、後回し・・・と・・・
ヨーデル王国の始まりは一人の冒険者だったらしい。
彼は北国のダンジョンで手に入れた聖剣を手に、強大な魔法で大陸を蹂躙する魔族を打ち破り、果ては魔王国に乗り込み魔王を成敗したという。
人々は冒険者を『勇者』と褒め称えた。
その後、安住の地を求めた冒険者は旅を続け、現在のヨーデル王国の王都に居を構えたとか・・・
500年前の話らしい・・・
ベタっちゃベタな物語だ。
《 もっとこう、血湧き、肉躍るような描写が出来んもんかね?》
《 歴史書にエンターテインメントを求めるのは間違ってるかね?》
《 ウッキウキするような恋愛話とか「なにがどーしてこ~なった!」って頭抱えるようなドタバタはないんかね?》
《 学生さん、喜んで見ると思うよ?》
《 よーけ売れるよ?》
んなくだらない事に思いを馳せてると
部屋に近づく気配に気付いた。
「・・・セバスです。入ってもよろしいでしょうか?」
「ど~ぞ~。」
意識的に呑気な対応をする。
別に疚しい話をするワケでもないんでね。
彼らには彼らの過去がある。
ソレを否定するつもりはハナからないのサ。
「失礼します。」
静かに扉を開け、セバスとスズネが音もなく入ってきた。
《・・・プロだねぇ・・・》
「ごめんね、こんな遅くに呼び出しちゃって、疲れたでしょ?」
「いえ、仕事ですので・・・。」
「他に誰かいる?」
「坊ちゃまが良く御存じかと・・・」
《 気配察知がバレてーらww》
「流石だね~。いろいろ興味が湧いてくるけど、聞かないほうがイイよね? 用件だけ済ませた方がいい?
「そうしていただければ・・・」
「ちなみに父上は知ってて雇ってるの?」
「・・・存じております。」
「そっか。じゃあいいや。スズネ、コレ知ってる?」
俺はあらかじめ書いておいた絵を見せた。
「“熊手”と“苦無”、“分銅” “寸鉄”・・・どうしてこれを・・・」
「ごめんね。教えられないんだ。知ったら巻き込まれると思うから・・・」
《 うっそで~す!詐欺師炸裂!》
《 ご~めんね~!!》
「・・・判りました。で、我々にどうしろと?」
微妙にセバスの声が固い。
当然の反応だいな~
「僕に合う暗器の制作とサバイバル術」
「・・・さばい・・ばる?とは?」
「魔法に頼らないで生き延びる術って言った方が判りやすいかな? “草” はそういう修練法に長けてると思ったけど・・・違った?」
「・・・おっしゃる通りにございます。」
「他は縄抜けや手錠抜け、森での過ごし方なんかも知っておきたいところだけど・・・無理かな?」
”草” = ”忍者” の真の存在意義は『暗殺』ではなく、『情報』の獲得。
敵対勢力に紛れ込み、情報収集をし、確実に主君に伝えること。
その為には、あらゆる ”生存術” が必須条件であり ”暗殺術” は『情報を持ち帰る』ための手段であったはずだ。
「・・・何のためか・・・お尋ねしても?」
うん、ま。
君(元暗殺者)の言いたいことは解らないでもない。
現世の『命』は大して重くないってのが判るからね。
父上が『知りながら雇っている』のが証拠サ・・・
追っ手を撒くくらいならヤっちゃえってのがキミの考え方だろうし、『顔バレ』したら有無を言わさず・・・だったろうしね。
《 殺伐とした世界だ・・・》
しかし、これでも前世は ”医療従事者” だったんでね。
その矜持がまだ残ってんのさ。
「誰かを殺すんじゃなく、逃げのびる術を身に付けたい。ていう答えじゃダメかな?・・・」
《 甘い考えは重々承知!けど。それが俺!!》
「・・・承知いたしました。私共にお任せください、」
「よかった。よろしくね。」
グレイの部屋を退室して、
二つの影は周囲の気配を探りつつ向かい合った。
「スズネ、どう見る?」
セバスの呟く声が、スズネの緊張を誘う。
「“草” の存在を知る者は旦那様以外はいないと思ってましたが、あのようなモノを見せられると・・・。」
「グレイ坊ちゃまは『勇者』の称号のみならず光の神であられるサラフィナ神とも繋がりを持つお方だ。」
「!・・・サラフィナ神。」
「ごく一部の者しか知らぬがな。相手が神であれば我々のことも筒抜けであろう。」
「神・・・の存在を信じるので?」
「信じざるを得ない事象を何度も見てきた。今回もそうだ。」
「ただの神童ではない・・・と・・・。」
「グレイ坊ちゃまは私ではなくスズネを指名してきた。“殺し” ではなく “生存術” を・・・スズネ、頼めるか・・・」
「御意、」
翌朝。
ドビシャスの町を抜けた俺達の馬車は、広大な農地の脇道を走っていた。
今年は豊作のようだ。
遥か向こうに “魔物の森” が見える。
魔物が跳梁跋扈する森だ。
森は広大で、隣国にまで及ぶらしい。
我らがアストラス領も、辺境ではないものの森の一部に浸食されているようなものだ。
《・・・逆か・・・》
森の境界ギリギリまで人間が侵蝕したってか・・・
そう考えると・・・なかなかどうして人族も逞しいな・・・
奥に行けば行くほど魔物は凶悪になり、その中心には強大なドラゴンが住むとの噂だ。
不思議なことに、魔物は滅多な事では森から出ることがないらしい。
出てきても『はくれゴブリン』程度で、巡回中の兵士や農家の腕自慢が瞬殺するとか・・・恐ろしい・・・
そんな中、冒険者は日々の糧を得る為に素材を求め、魔物との死闘を演じることで強大な生態系を維持する手助けをしている一面もある。
俺は他の冒険者たちと供に装備を整え、森の奥深くで魔物と戦う自分を想像してみた。
《・・・うん。ダメだな。》
美味しく頂かれる未来しか見えん・・・
頭を振り、向かいに座る父を見る。
ダンジョンに思いを馳せているのだろうか。
難しい顔をしてはいるが、口元が僅かに綻んでいる。
その隣にはセバスが控えている。
なぜだ?
執事とは?
んで。
俺の隣にはスズネさん・・・
《 オマエハドウシテココニイル・・・》
今朝、いきなり人事異動が通達されたらしい。
マーサの腰痛が悪化し、急遽スズネが俺の傍付きメイドに抜擢された。
《・・・ご都合主義の極み・・・》
「宜しくお願いいたします。」
しれっと挨拶ぶちかますメイドが恐ろしい。
《 オマエライッタイナニヲシタ・・・》
考えても仕方ない。
そういうものだと諦めよう。
マーサよ安らかに・・・南無・・・
「スズネ、“あやとり” できる?」
俺はポケットから毛糸を取り出して見せた。
母がハンカチに刺繍をするために商人を呼んだところ、毛糸束を見つけたので『おねだり』をぶちかまし、前世を想い出しながらマリア姉と遊んだことがあった。
「“あやとり” ですか?小さい頃にやってましたね。」
「こうやって・・・ここに指入れて・・・んで、こう。四段梯子~。」
「まあ!器用ですね。どこでお習いに?」
「へへー ヒミツ~。やってみて?」
「気になりますね。では失礼して・・・」
ひょいひょいと指を絡める。
《 流石、慣れてるね~》
「橋ができました。」
「ほ~流石!・・・じゃあ、ココのクロスを取って、こうして・・・川~。」
「すごい!ではこの内側をクロスさせて・・・」
延々と続く “あやとり”
この遊びは時間を忘れるから、馬車移動のような “ヒマつぶし” にちょうどいい。
指先の訓練にもなるし・・・
「そろそろつく頃か・・・。」
不思議そうに “あやとり” を眺めていた父が、口を開いた。
《 何も聞いてこないのね・・・》
昨夜のセバスとのやり取りの報告を受けたんかね?
『そういうものだ』と思うことにしたか?
ソレを『諦め』というのだヨ? 父よ。
日はお昼を少し過ぎたころか?
規則正しい生活のおかげで、俺の腹時計が正午を訴えている。
「・・・騒がしいですな・・・。」
セバスが窓を開けて、進行方向を覗いた。
「!・・・魔族!」
「なにぃ! 馬車を止めよ!!」
飛び降りた父とセバスが抜剣して駆け出した。
《 文字通り、すっ飛んでったね~ 》
「スズネ。僕達も降りるよ。」
「!・・・危のうございます!馬車の中に隠れていてくださいまし!!」
「相手が本物の魔族ならどこにいても同じだよ?」
遮るスズネの脇を掻い潜り、ひょいと馬車を飛び降りた。
《 お? “体術スキル” 目覚めてるね~》
《 レベル上げ頑張ろ♪》
父の後を追って駆け出す。
《 身体軽りぃ~♪》
スズネはグレイの後を追いながら目を瞠った。
《 身体が・・・光ってる?》
つい先ほどまでキャッキャと “あやとり” に興じていた幼子が、魔族を前にして突き進んでいる。
昨夜。上司であるセバスの言葉素思い出していた。
「・・・サラフィナ神の『勇者』・・・」
♪ 君の瞳は、ピカ〇カに光って~ ♪
いえ、光ってるのは身体です。しかも3歳児www




