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15/23

15 勇者の証と消滅と

15話が消えた~~~~!

下書き書いてたらお客さんがきて、慌てて対応してたら、

知らずにキレイサッパリ消してしまった・・・

泣く泣く最初から書き直したら、今度は長くなり過ぎた・・・

・・・てんで、2回に分けますw


 「・・・なんか・・・すごいですね・・・」

 「・・・そうだな・・・」


 教会本殿の前に、馬車から降り立った俺達の感想だ。

 《 豪華絢爛(ごうかけんらん)というか、毳毳(けばけば)しいというか・・・》


 王宮に比べるとシンプルで小さいものの、白を基調とした外装が威圧する。

 隣に父がいなければ、即座に(きびす)を返すところだ。


 「ようこそ、おいで下さいました。」

 神父の衣装を着た男性が声を掛けてきた。

 胡散臭(うさんくさ)い笑顔も見知らぬ地では心強い。


 俺は精一杯の笑顔で、神父に挨拶した。

 「フランネ神父。お久しぶりです。父上。ご紹介します。こちらアストラス領教会の神父に赴任されたフランネ神父様です。神父様。この方がアストラス領の領主であられるホウレイ・アストラス子爵です。」


 「お初にお目に掛かります。フランネと申します。以後お見知りおきを。」

 「こちらこそ、なかなか都合がつかず挨拶が遅れ申し訳ない。それどころか、妻や愚息達が教会に御迷惑をお掛けしたこと、心よりお詫び申し上げる。」


 貴族は人前では迂闊に頭を下げれない。

 教会を敵に回すのは自殺行為とも言えるので、可能な限り賠償金を用意するつもりでいたようだ。



 「迷惑など、とんでもない。あのような一生に一度あるかないかの奇跡に遭遇できたことは、私にとって身に余る幸運としか言えません。むしろ、アストラス領に赴任出来たことに感謝を申し上げたいくらいです。」

 「そう言っていただけると有難い。」

 「ささ、立ち話も何ですし、こちらへどうぞ。」


 フランネ神父が先導して、待合室へと案内された。

 少しほっとしたような父を追いかける。




 「こちらでお待ちください。」

 俺達が席に着き、茶と菓子が用意されると、フランネ神父が口を開いた。


 「グレイ様。“(あかし)” の準備はよろしいですか?」

 「はい。」


 《・・・としか言えねぇよな~ アテにしてますよサラフィナ様~》


「今回はグレイ様の『勇者選礼の儀』となり、大聖堂にて執り行われます。ご存じかと思いますが、グレイ様は “サラフィナ神” 様と “密約” を交わしておられるとのこと。そのため儀式そのものは “極秘” となり、この度の出席者は国王陛下と、ごく一部の上層部の方々のみとなります。」


 《 うん。思ったより大事(おおごと)になってた。(も一度)アテにしてますよ~ サラフィナ様~》


「じき国王陛下が御到着されると思います。準備が整うまで、この部屋でお休みください。何かご質問は?」


 「ありません。」

 「・・・問題ない。」

 「・・・では、ごゆっくりどうぞ。」


 神父はそう言い残し、静かに部屋を出て行った。


 ぐるりと室内を見渡す。

 余計な家財はなく、シンプルな部屋だ。

 清潔感がハンパない。

 水差し一つとっても、これでもかと磨き上げられているようだ。



 《・・・ヒマなのかね?》




 「落ち着いてるな。」

 父がボソリと呟く。


 「見かけだけですよ。心の臓がバクバクしてます。」

 「・・・そうか・・・俺もだ・・・」

 互いの顔を見て、ふふと笑った。


 《 ああいいなぁ・・・こういうの・・・》


 親子だと思う瞬間だ。

 つくづく親に恵まれているなと実感した。



 しばらく後

 フランネ神父が静かに部屋に訪れた。

 「失礼します。国王陛下が御到着されました。大聖堂へご案内します。」


 《 案内役もするのか・・・人手がないワケでもあるまいに・・・もしかして、この神父、それなりに発言力のある立場なんかね?》


 大理石が敷き詰められた廊下を歩き、やがて重厚さを感じさせる大きな門の前で立ち止まった。


 「ここが大聖堂となります。国王陛下や貴族様方は二階ベランダの貴賓席から御観覧になられます。くれぐれも失礼のないように・・・」

 「解った・・・案内感謝する。」

 「ありがとうございます。」

 「いえ、“サラフィナ神” 様の御加護をお祈りしております。」


 扉がゆっくりと開いた。





 大聖堂の中は光が溢れ・・・というか・・・目がチカチカした。

 豪華絢爛(ごうかけんらん)・・・違うな・・・

 成金趣味という言葉が、ピタリと当てはまるような場所だ。


 極彩色(ごくさいしょく)豊か過ぎるステンドグラスが天上のいたるところに貼られており、せっかくの陽の光に無理矢理 “色付け” をしていた。。

 アホみたいな巨大なシャンデリアが “キラキラ” を通り越して “ギラギラ” と乱反射して目が痛い。


 《 ナニ? あの悪趣味な巨大な壺・・・木でも植えるのか?》

 《 壁の意味不明な絵画が不気味なんだが?》

 《 祭壇横に控えてる少女?ゆったりとした(きら)びやかな衣装に・・・目隠し?》

 《・・・趣味かな?》



 ・・・帰りたい・・・



 父は、やや目を細め歩き出した。

 胸を張り、堂々とした歩みだ。

 俺も後に続いた。


 身廊(しんろう)の端を歩き、国王陛下の前で立ち止まり、(ひざまづ)いて “臣下の礼” 。

 俺もそれに倣った。


 《 隣に座っているのは王妃(おうひ)様か?・・・なんかホッとしてない?》

 《 裏切ったりせんよ?》


 ゆっくり立ち上がり、祭壇の前で再び(ひざまづ)く。



 《・・・ってか? コレ教皇か?》

 《『“オーク”じゃない人 その2』が(つえ)を片手に突っ立ってんだが? 白い金糸で(いろど)られた祭服が窮屈そうだなw》

 《 祭壇のど真ん中に陣取ってるんだが?》

 《 果てしなく邪魔なんだが?》


 「ホウレイ・アストラス子爵と、その子グレイで相違ないか?」


 《 酒やけか? 飲み過ぎなんだよ!》


 「・・・相違ございません。」

 答える父の声が固い。


 《 いや、アンタ誰!? せめて名乗りなさいよ?》

 《『“オーク” じゃない人』は、逆立ちしても『“オーク” じゃない人』なんだよ! 運動しろよ!》

 《 “2号” って読んじゃうよ?》


 《・・・あ・・・》

 《 サラフィナさま爆笑してる?》

 《 “2号” 決定だな。》


 「これより『勇者選礼の儀』を執り行う。なお、今回の儀礼はグレイ・アストラス本人が『勇者』であることを告白し、その “(あかし)” を見せるという。次いで光の神であられる “サラフィナ神” との “密約” も取り交わしたということから、国王陛下と協議し『極秘』扱いになる。今後、この儀礼に関する全ての出来事に関しては口を閉ざすことを命じる。」


 《 だからぁ! 酒やけ声で命令すな!!》

 《 アンタドコノ何様よ!?》


 「んん!・・・その前にお願いがあります。」

 俺は(たま)らず声を出した。


 《 もういいや・・・サラフィナ様~ アトヨロw》


 「・・・なんだ・・・」

 “2号” が不快気に俺を見下ろした。


 《 コッチミンナ!》


 「祭壇にお祈りを捧げたいと思います。よろしいですか?」


 《 美形三歳児の笑顔付きだぜ!》

 《 特別サービスだヨン!》


 「・・・フン・・・まぁ良い・・・手早く済ませろ。」

 “2号” が一鳴きすると不承不承(ふしょうぶしょう)ながら祭壇の脇に退いた、


 もとより!

 日本神道では境内の正面は “神の通り道” として参拝客(さんぱいきゃく)などは端を歩くことが推奨されていた。神主も儀式を(ささげ)げ終えれば速やかに正面を開ける。これは仏教も同じ。そしてそれは今世の教会も同様で、祭壇正面は “神の御威光” が数多の民に降り注ぐようにと儀礼の時以外は正面に立たぬように経典にも記されている。



 《のっけから祭壇中央で待ち構えているなんざぁ、ありえねぇ!っつの!! 罰当(ばちあ)たりめ!!》


 《 あ~~~いかんイカン!》

 《 心が乱れる~》

 《 “2号”のことなんざホットケ!》

 《 アイツは森に帰った・・・それでいこう!》

 《 今は集中・・・集中・・・》





 教皇がシビれを切らす頃、それは起きた。


 祭壇横から白い光がふよふよと現れたのだ。


 それは見る間に大きく輝き、極彩色(ごくさいしょく)に彩られた陽の光を()ね返すほどの、光り輝く扉となった。

 全ての観客がどよめく中、その扉に一筋の亀裂が入り、両側へと開いた。


 扉の中は虹色に輝き、中を覗き見ることはできない。

 目を奪われる美しさの中、一人の人物がゆっくりと歩み出た。




 《・・・って、ソリアン様じゃん! “(あかし)” ってソユコト?・・・な~るねぇ・・・》


 純白の衣装に身を包み、黄金色(こがねいろ)の盾と剣を携えたソリアン様がご降臨っと・・・


 《 余所(よそ)行きの衣装かね? いいね~ 絵になるね~》


 降り立ったソリアン様が、ゆっくりと周囲を睥睨(へいげい)する。



 《 ん? 怒ってらっしゃる?》

 《 でもイイ♪》

 《 別嬪(べっぴん)さんは怒ってても別嬪(べっぴん)さんだ。》



 俺の思考を呼んだのか、少し顔を赤らめたソリアン様が俺を見た。


 「お・・・おお!なんという奇跡!天使様がご降臨あそばされた!天使様!私はこの教会の教皇を務めるブラフェアス・オクリヌスという者!ぜひ天使様の御尊名(ごそんめい)を拝し(たてまつ)りたく・・・」


 《 “2号” うるせ~!涙と鼻水でぐっちゃぐちゃじゃね~か!!》

 《 森に帰ったんじゃなかったんかよ!!!》


 「グレイ・・・『勇者』の子よ・・・」

 「あ・・・はい・・・」


 《あ~ 使者モードなんですね・・・遠いところお疲れ様です・・・》


 「其方は選ばれた・・・」


 「天使様!ぜひこのブラフェアス・オクリヌスめにもお言葉を!貴方様のお言葉が全ての民草の励みになり、来るべき魔族共との決戦を勝利へと導きましょうぞ!天使様の御言葉は・・・」


 《 やめ~!》

 《 “2号”ヤメロ~》

 《 すんげ~ 怒ってんの解らんのかいな!》

 《 ソリアン様~あんなでも、とりあえずエラ~イ人なんで・・・抑えて・・・抑えて・・・》






 「ぃやっかましい!!」

 ドゴン!と床が揺れた。


 《あ、キれた・・・》


 《 “2号” 尻もちついてダイジョブ? 漏らしてない?》

 《 あっちゃ~!》

 《 床に亀裂が~》

 《 (つぼ)割れとるやん・・・》

 《 シャンデリア大丈夫かい?落ちたらシャレんならんよ?がんばれ~~~~》


 「教皇とか言ったな。貴様は教会での立場を利用し、民が汗水を流しながら稼いだ金銭を横領(おうりょう)するだけでは飽き足らず、見目の良い者達をかどわかし、(はずかし)め、飽きれば殺し、その亡骸を魔物が跋扈(ばっこ)する森の奥へと投げ捨てること()()()!さらにはサラフィナ様の教えが書き綴られた “原初の経典(きょうてん)” を地下深くに封印し、都合の良い所だけを抜き出し、曲解させ、その教え歩広めること()()()!!貴様とその周囲の者達の行く先は『無間地獄(むげんじごく)』と知れ!!」


 《 うわ~エゲつないな “2号” さん。》

 《 ()()()()()()()()()()()()()()()だけでも大変だろう②に・・》

 《 そりゃ怒られるワケだ・・・》


 「!・・・う、嘘だ!冤罪(えんざい)だ!・・・」


 《 やめなはれ “2号” はん・・・もう手遅れやで・・・》


 教皇は顔を真っ赤にして立ち上がると、ソリアン様を指さした。


 「そ!そうだ!・・これは()()()()だ!こんな奴がて・・・」


 酒やけの言葉が途切れた。

 ・・・姿もない。きれいさっぱりと・・・


 《 テレポーテーション?》

 《 どっか “飛ばし”た?》


 「どんなクズでも、直接殺す訳にもイカンからな・・・」

 ソリアン様は、そう呟くとふわりと貴賓席と同じ高さまで浮いた。


 「国王よ・・・」

 ソリアン様の静かな声が、大聖堂の全ての耳朶を打つ。

 「ここに・・・」

 「教会はこの有様(ありさま)だ。即刻解体したいところだが、“原初の経典(きょうてん)” がここにあるのも確か。調査し、しかるべき所に戻し、正しく使われることを望む。」

 「・・・御意」


 「グレイよ・・・」

 ソリアン様の穏やかな目が、俺を見た。

 「はい。」

 「()()()()()()()()()・・・忘れるな。」


 《 ソリアン様ぁ、かぁっこいい~♪》


 今度こそ顔を赤らめたソリアン様が踵を返し、消え去った。


 《 いいね~》

 《 ウブだね~》

 《 サラフィナ様ニッコニコだね~》





 その日。国王の勅命により教会は即日封鎖。

 その活動も厳しく制限された。





 数日後

 俺と父は屋敷に帰ることなく、王宮の別邸にてVIP待遇で寝泊まりしていた。


 「父上・・・」

 「何だ。」

 「これは ”軟禁” というのでは?」

 「滅多なことを口にするもんじゃない、」

 「すみません・・・」


 『上げ(ぜん)()(ぜん)』の生活に不満はないが、毎日のようにどこぞの部署の官僚やら長官が聞き取り調査にくる。

 俺は三歳児ということもあって、短い時間で済むが、父は朝早くから別室に連れ出され夕方まで調書を取られているようだ。

 ぐったりした表情で帰ってくる父に申し訳なく思う。


 「父上。大丈夫ですか?」

 「問題ない。拷問を受けているわけではないからな。だが、同じ質問を何度も繰り返されると・・・どうもな・・・」


 《・・・なんか・・・スミマセン・・・ハイ・・・》


 父の気力も萎えそうなので。ちょっとコッチからアプローチを掛けてみることにした。

 トイレに立つフリをして、廊下に出る。

 呼んでもないのに、侍女が着いてくる。


 《 そういう仕様なんかね?》

 《 まあ、いいや・・・》


 「ところで僕たちはいつまでココに居ればいいんでしょうか?」

 「・・・申し訳ありません。お答えしかねます。」


 《さいですか・・・》


 「では、サルムンド・ドアトリス侯爵閣下と面談を申し出ることは出来ますか?」

 「サルムンド侯爵・・・縁者の方ですか?」

 「僕の母であるミレイ・アストラスはサルムンド侯爵閣下の親戚筋に当たります。せっかく王都まで来たので、是非ご挨拶をと思っていたのですか・・・」


 「ミレイ・・・ミレイ様!・・・学園の!」

 侍女は驚いて口を隠しだ。

 「畏まりました! 至急お伝え致します!」

 そういうと、俺を置いて慌てて去っていった。


 《 効果覿面(てきめん)?・・・ってか、俺の監視は?》

 《 母上、学園でナニしてたんかいね?》




 しばしポツネンと(たたず)んだ俺は、仕方なく部屋に戻ることにした。





続きは翌日で~

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