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そのタイトルを禁句にします。  作者: 葉方萌生
第一章 『キラノベ』に現れる不可解なコメント

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◾️はじめに

 その企画を思いついたのは、今年、2024年の7月のことだった。


 進学塾『英生会(えいせいかい)大阪校』で私が働き出したのは、今年4月。大学を卒業したての初々しい新卒社員——ではなく、中途採用で転職してきた新入社員である。


 それも、塾講師ではなく事務スタッフ、もっと言えば経営企画のような仕事を行う部署に配置された。講師になることは考えていなかったので、理想通りといえばそう。事務的な仕事はお客様からの問い合わせ対応がほとんどだ。あとは、パソコンが得意なので、先生たちが授業で使う資料なんかを作成している。




 さて、先に述べた「企画」についてだが、当塾英生会では毎年8月に「夏季合宿」という名の勉強合宿を行うとのことで、その際余興として行うレクリエーションとして、何かしらの企画を立てる必要があるようだ。と言っても、私は英生会に入社して一年目なので、予備知識はゼロ。去年の話を聞くと、先生たちによる漫才や、有志で参加する生徒によるバンドの演奏などを毎年やっているみたいだ。




「今年は期待の新人、雪村(ゆきむら)さんに企画を頼もうかな。何か思いつくもんある?」




 英生会大阪校の塾長である青木(あおき)先生が、白い歯を見せて笑いながら言った。


 突然、企画立案を頼むと言われて面食らう私。それでも、期待されているからには何か捻り出さなければ、という一心で、たった今頭に閃いたことを口にした。




「ホラー企画なんかどうでしょう? 肝試しとか、百物語とか」




 そこまで深くは考えていなかった。ただ、何も案を出さないよりは何か一つでもアイデアを出した方が良いだろう——そんな、会社員として当然の心持ちだったと思う。




「ホラーか」




 青木先生はそっとひとこと呟いた。「イマイチだな」と言われるか、「ええやん」と言われれるか。どちらに転ぶだろうか、とドキドキしながら返事を待っていたのだが。




「……」




 青木先生は突如、無表情になり何も言葉を発しなくなってしまったのだ。私たちの話を聞いていた周りの先生たちも、能面のような顔になった後、みんな、黙りこくっていた。




「すみません、見当違いでしたかね」




 咄嗟にそう取り繕うも、誰も何もフォローなどしてくれない。


 何か意見があるなら、はっきりと指摘してくれたらいいのに……。


 私はその時、議論も何も生まれない職場に、不満を抱いた。正直、がっかりしたのも事実だ。職場において、もっと活発な話し合いが行われるべきだと思っていたから。


 その日私は、煮え切らない気分のまま、午後5時に仕事を終えた。


 まさか、この時の私の発言があんな事態に繋がるなんて、この時は思いもせず。




 今から話すことは、私、葉方萌生こと雪村萌香(もえか)(仮名)が実際に体験したことだ。どうか、私と一緒に真相を探ってくれないだろうか。一人で抱え込むのにはそろそろ限界が来そうだから。


 どうかよろしくお願いします。






#拡散希望


#真実を教えてください

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