表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強と言われるパーティーから好きな人が追放されたので搔っ攫うことにしました  作者: バナナマヨネーズ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/13

第十話 ともだち

「待ってたのよぉ!!」


「ただいま。マーティー」


「あらっ! まあ!! もう、ラヴィちゃんったらぁ」


 ラヴィリオラにマーティーと呼ばれた人物はそう言うと、ラヴィリオラに小声で続けたのだ。

 

「彼ピかしら?」


 マーティーにそう尋ねられたラヴィリオラは、全身を真っ赤にさせて小声で答える。

 

「まだ……」


「ふ~ん」


 そんな二人のやり取りに、完全に蚊帳の外になっていたノエルは、面白くないと感じてしまう。

 不満そうな表情のノエルに、いち早く気が付いたマーティーは、朗らかに笑って手を差し出すのだ。

 

「うふふ。あたしはマーティーよ。ラヴィちゃんのお友達よ」


「ノエルです……」


 差し出された手を戸惑いつつも握ったノエルは、思いのほか強い力で引き寄せられて目を丸くさせた。

 

「大丈夫よ。あたしにはちゃんと愛する彼ピがいるから安心して。ラヴィちゃんとは、仲のいいお友達よ」


 そう言われたノエルは、無言でマーティーを見つめてから無言で頷くのだ。

 ノエルの反応にマーティーの方が、目を丸くさせていた。

 

「あら……。あなたっていい人ね?」


 そう言われたノエルは、何でもないことのように返す。

 

「そういうのって人それぞれだと思いますよ」


「もうっ! いい子なんだから!!」


 感激したようにそう叫んだマーティーは、ラヴィリオラ以外で初めての反応に感激していた。

 マーティーは、人よりも大きな体、褐色の肌、スキンヘッドで、極めつけに趣味で布面積の少ない衣服を着ていた。その外見のせいで初めて会う人には、変な視線を向けられることが多かったが、自分の主義主張を他人によって変えることには抵抗があったのだ。

 その上、恋愛対象が同性ということで、大抵の人間に白い目で見られがちだった。

 それなりの時間を共に過ごせば、その人となりが善人のそれだとわかるが、初見では難しかった。

 ノエルとしては、ラヴィリオラに惚れていなければなんてことはなかったのだ。ただそれだけの話だったのだ。

 

「ノエル。改めて紹介するよ。この人はマーティー。わたしの友達で、ギルド嬢だ。マーティー、彼はノエル・ゾーシモス令息だ。わたしのパーティー仲間だ。長期休暇を一緒に過ごすってことで連れて来た」


 ノエルはマーティーの紹介について一部おかしな部分があったが、それを受け流して改めて挨拶をしていた。

 

「俺のことはノエルでいいですよ」


 ノエルの見事なスルーっぷりに、明るく野太い笑い声をあげたマーティーは、愛嬌のあるウインク顔で答える。

 

「おっけーよ。あたしのこともマーティーでいいわ。よろしくね」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ