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海神  作者: 葉月 優奈
一話:封鎖された空
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007

(SUNAKAWA‘S EYES)

私は、何気なく女子トイレに来ていた。

だが、女子トイレに行くと一人の老婆が倒れていた。

その老婆はさっきまで、私のバーに来ていた客。

客は、カップルと言い合っていた老婆だ。

そんな私が、客からの通報を受けていた。


私は、それをぼんやりとみていた。

痴話げんかだけど、私は止めたりしない。

あくまでプライベートのことだけど、老婆はどうやらカップルに反対しているようだった。


「でも、こんなことになるなんて…」

女子トイレに、うつぶせの格好で倒れていた。

顔を突っ込んでいて、首を抑えていた。


苦しそうな青白い顔で、老婆が倒れていた。

私は、助けを求めるために一人の男性に声をかけた。


「わかりました。女子トイレですね」

警備員の印南が、すぐに私についていった。

女子トイレには、すでに二人の女性が見ていた。


背の高い女と、背の低い女。

二人とも、客でいた会社員の女性。

薄い水色のスーツを着ていた。

私が通報を聞いた客だ。


(何かが、起きている)

私は、この展望室で働いていた。

それゆえに、マニュアルも存在してエレベーター封鎖のアナウンスもあった。


だけど、私が見た女子トイレの光景は異例だ。

それと倒れている老婆とは、どんな関係があるのだろうか。


わからないことが、とにかく多い。

あの館内放送もそうだ。

そして、不自然に倒れていた老婆。


だけど、老婆をほかの人に見せれば何か動くかもしれない。

私は警備員の印南を引き連れて、女子トイレに入っていく。


「失礼しまーす」

遠慮気味に、印南が入っていく。

そして、トイレには発見者の二人がいた。


「あなたが第一発見者?」

「はい、私です」トイレの中には、二人の女性がいた。


どちらもスーツを着ていて、見た目はOLだ。

丸顔の若い女性と、凛とした顔の女性。

丸顔の女性の方が、背は高い。

女性なのに、背丈は印南とあまり変わらない。


「君が発見者?」

「ええ。あのおばあさんが、青白い顔で倒れていたんです。

でも、どうしていいのかわからなくて」

「うん、怖かったよね」

背の低い女が、高い女を慰めた。

この二人は、親友なのだろうと私は思えた。


それと共に、私は倒れているおばあさんを見ていた。

苦しそうな顔だけど、すでに息はしていない。

泡を吹いていて、顔色が何かアに絞められたようだ。


でも、首には何かを締めた跡が見つからなかった。

トイレの中にも、縄のようなものがなかった。


(急に心臓病?年齢的には、そう見えなくもない)

倒れた老婆は、かなりの年齢だ。

顔のしわや、肌のしわから見ても60代に見えなくもない。

それと同時に、私の鼻は不思議なにおいを感じた。


(何か、嫌なにおいがする。薬?)

私は、鼻が人より少し利く。

だから、消毒剤のようなにおいの敏感な違いに気づいていた。


「とりあえず…電話?」

印南がしゃべりだそうとすると、彼の持っているスマホが鳴り出した。

そのスマホに、印南が出た。

スマホに出た印南は、驚いた顔を見せていた。



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