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海神  作者: 葉月 優奈
四話:女スパイ
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(MIKAGE‘S EYES)

俺は絶対に、にがすわけにはいかない。

彼女は、ただの犯罪者ではない。

戦場を駆け抜けた、百戦錬磨の軍人だ。


だからこそ、俺は強引な突破を想定していた。

発煙筒でかく乱されても、煙の時は下に下がればいい。

下がった中で、エレベーターに逃げる彼女を見つけた。


追いかけて、匍匐前進で一気に走っていく。

(絶対に逃がさない)


俺の執念が、前に動かす。

海神『エノシガイオス』は、国際的な兵器だ。

非人道的で、危険な兵器を日本に持ち込ませてはいけない。

無論、使わせてもいけない。

その正義感だけが、俺を動かしていた。


エレベーターのドアが閉まっていく。

だけど、俺は体を飛ばして強引に乗り込む。

このエレベーターのドアは、普通のドアよりも分厚い。


だけど、俺は迷わなかった。

そして、飛び込んだ先には一人の女が立っていた。


薬栗 麗良の足元から俺は、はっきり見上げた。

エレベーターは、間もなくして動き出した。

薬栗が、そのままエレベーターを起動して静かにエレベーターが動き出した。


俺はゆっくりと、立ち上がろうとした。

体を起こすと、すでに薬栗は俺から離れていた。


「あなた、どこまでもしつこい」

体を半分起こした俺に対し、薬栗は堂々と立っていた。

背が低い黒髪マッシュルームの薬栗の冷たい目が、浴びせられていた。



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